一話 どういうこと?

 この世に平等なんてありえない。

人生は生まれたときから差別をもち、常に自分が大事である。



そのことに気がついたのは自分が生まれてから5歳の時である。











「………ミナトくん。ち、ちゃんと水晶に触ってますか?」


「……………はい?触ってますけど。なあアラタ」


「………お前まじかよ。」


ざわつく周囲、隣で受けていた唯一の親友であるアラタでさえも驚いている。なんでお前そんなに驚いてるの?確かに水晶光ってないけど。


村にいる15歳の子供達は年に一度、村に訪れる司祭様に魔法の適性があるか、簡易的な検査を行ってもらうことができる。

やり方は水晶に触るだけであり、無色の水晶に色がつく。赤なら火属性、青なら水属性といったように自分にあう魔法の適性がわかる……筈だ。


「ほ、ほんとーーにですか?ほんとーーーーーに触ってますよね!?」


「いやあなたの目の前で触ってますけど?」


「………そんな。」


見ればわかるというのに何と言ってるんだろこのシスター。まるで………まさか


「よく聞いてねミナトくん………あなたの魔法の適性は。だけど、今知ることができたのはいいことだよ。これからのことを……」


その言葉に、そのあまりにも理解したくないその言葉に


「…………はい?」


と返事するので精一杯だった。








だけど、誰も気づかない。

魔法が出来ないと使えないは全く持って別だと、魔法が使えないというのがどれほど苦痛を伴うのかなんて。



そして、ミナトは面倒くさいと言うようになった。




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