第20話あらかわいい子達だね。え?パパ?違うよ?エンペラーが言ってた?聞き間違いじゃない?
「寿一郎……浮気は駄目よ?」
停学処分を食らって2週間が立つ頃、買い溜めていたゲームを消化したり、エンペラーとは名ばかりな研究者に勉強を教わったりした日々が続いていた。
女神が転生してるのに世紀末なゲームをしたり、L者に入ってとんでも生命体からエネルギー抽出したりとそれなりに楽しくやっていた。しかし、そこにとんでもない刺客が現れる。ゴブリンとスライムの2体だ。この2人なんだが、基本はエンペラーの雑用とかを良くしている。そのせいか普通はできなさそうな小さな部品の組み立てもフォフォイのフォイ、更にはエンペラーの研究を良く見ているのだろう。ゴブリン、とんでもなく機械に強い。レスバ以外悩んでいる所を見たことがない。そのおかげもあるのか、ゲームをやらせるとゴブリンを司令塔にし、スライムとのコンビネーションでRTA走者の如き操作性でゲームを攻略していく。それを見せられ、僕が躓いた所でさえも難無く攻略した彼を見て僕はやろうと言うわけでなく見ているだけで満足になったのだ。現在もまた、それを見ながらハンター、天使達と和気あいあいとするのが毎日の日課となっている。天使はどこがどうなっているのか全く理解できずこんらんする姿を見て、スライムが説明するのが定番だ。たまにわからないところもあるが分かったふうにしておけばなんとかなる。
そのついでがてら天使とハンター、が元バイト仲間による悪事の決定的証拠になるものを見つけてくれており、今でも十二分の証拠を集めてくれている。勿論前から僕が隠れて撮影してたものも含まれている。しかし、それを抜きにしても言い逃れできないような発言発言だったり、僕でさえドン引きする様な優雅さんに向けたイタ発言が録音に入っており、なんとも言えない空気になってしまった。それにしても2人には感謝しか無い。後で一緒に焼き肉に行く約束をした。
勉強面においてといえば、エンペラー先生とのワンマン授業をしてもらっている。実をいうとあまりやりたくないのが本音ではあるんだけど、とんでもなく落ち込んでしまうのだから僕は黙って授業を受ける。やりたくない理由としてだが、1教科の範囲を全てするのだ。しかもノンストップで話を進めていくため、追いつくのに必死になっている。しかし、なぜだか知らないのだがすごく頭に残りやすい。その理由として、たまにエンペラーが中学生並みの下ネタを挟むのだが、それは決まって本当に重要な事を下ネタで話す。そのおかげで記憶に残りやすく、ノートにまとめやすい。そんなのだから全科目を1週間の間に一通り終えることが出来た。
いつもありがとうとチョコレートを渡すと、今日はワタシたち、相思相愛だねと狂気の笑みを浮かべたのは記憶に新しい。
そんなある日のこと、母親がなぜだか分からないが最近の一風変わった美男美女は誰なのかと尋ねられた。
案の定僕の召喚モンスターの事だろう。面倒臭いなと感じながら、ただの友達だと告げる。
「そうなのかしら?寿一郎の事は大切にはしているようだけど、なにか友達以上の何かを感じるわね、特に羽と白衣の子ね。防弾チョッキを携えておきなさい」
「え?僕刺される前提?あんなの常備するものじゃないよ」
「いや、しておくのよ。私なんか、通り魔防止のために5年前からしてるんだからね!?」
「どこ目指そうとしてるの母さん!?」
母親からの忠告に驚きを隠せないでいると、覇気をまとったような表情になる。
「寿一郎……浮気は駄目よ?」
「う……うん」
謎の覇気に満ち溢れた母の言葉に圧倒され、頷くしかなかった。というか、天使は野郎だと思うんだけど。
「あ、あと昨日からなのだけど、地下室から擦れる様な音がするのよね、少し見に行って欲しいんだけど……」
「……うん、分かった。僕行くから……」
ッチ雑用かよと内心思っていても、某ゾンビゲームのチェンソー男みたいにブチギレて鉈を振り回されるのがオチだと理解しているため、黙って行くことにする。
地下室は基本的に物置き場となっていて、基本的には僕達家族は入らない。たまに泥棒が侵入してくるが、母親のナイフ技術でビビるため撃退させることができる。ただ、自室だけであの数はどうしても住まわせきれない。エンペラーが来るまでは、大の野郎どもが多かったので全く……いや、自慰行為以外は別に何の問題も起きてはいなかった。
アイツラ何と言うか、毎回一人はひっついてくる。そのせいでプライベートがほぼなかったのだが、その話は関係なく、問題は紅一点のエンペラーだ。野郎5体に女一人はコンプライアンス的に問題がある。夜になったらパーティーと称して卑猥なことしでかしそうなのが何となく感じた。実際にはそんな事なくエンペラー達がベッドで寝てる中、僕は天使と羽毛にくるまって寝ていたのだけど。
降りた階段から一つだけある扉を開ける。ホコリ臭い匂いが舞うのはいつも手入れしていないからだろう。網状の棚が横向きに一定の間隔をあけて設置されており、棚にもたれ掛かるように荷物が置かれている。棚の上には僕が昔使っていた楽器の本一式だったり、妹のクソゲーや、BL本等が並んでいる。
その右奥の棚と棚の間に人間大位なら映せる大きな立て掛け鏡がある。一見するとただの鏡なのだが、横を触るとレバーらしきものがある。そこを引くと、エンペラーの研究室につながる。流石SF物の出身だ。やることが異次元である。
「………あれ?……エンペラーの方なのかな?」
思い出した。エンペラー、僕に言ってたわ。
『ここの研究室、場所が違うんだよね。橋渡し的なものだから、足音とか、暴れる音とかしないんだよ。だから安心して利用できる。最悪、地震で壊れても別の所から出られるから』
とどのつまり、故意に暴れていたりしなければそんな物音がしない。しかも昨日はエンペラーずっと僕の所にいた。………え?じゃあ誰が?
「え?え?え?何何何?………ちょっともう怖いんだけど!!」
ビビり散らかした僕は急いで研究室に入り、エンペラーの下へ向かう。途中で可愛らしい女の子達が僕を見ていたが気にしない。
「え、エンペラー!」
「ん?どうしたんだい?天使とハンターにいじめられたのかい?」
一人でゲームをしていたエンペラーがダミ声でふざけながら言う。僕が驚いた足音のことだ。それをを聞くと思い出したかのように頷く。したり顔が可愛い。
「………ああ、そうか……言うの忘れてた。あのテレポート場所の向かいに、ダンジョンを作ったんだ。」
「…………へ?」
「いや、ダンジョン。わからない?最近有名なダンジョンだよ?」
「作った?本気で?」
「うん。」
最近多いよね。同じ小説とかでこういうダンジョンもの。僕も好きだよ。もっと作ってほしいとは思う。
曰く、最近は僕の身の回りが危ないから、ボディガード役として量産型スライムを作ろうとしていたらしい。しかし、いちいち同郷であるスライムに頼んで採取するのは面倒臭い。
そうだ、ダンジョンを作ってポップしたスライムを利用しよう。←今ここ
余りにもパワープレイすぎる。しかし、そのおかげでスライムの生産は間に合っており、さっき通り過ぎた女の子達がその量産結果なのだという。
『ゴブニィ、このボールさん、どこもってけばいい?』
「ゴブゴブゴブ」
『わかったぁ!!』
ゴブリンとトテトテと走る女の子達をみて、ちゃんと親みたいな事してるなと感心する。
「元々いた試作型を上手く改良を加えて生産したもの……マーク2だね。試作型よりもある程度知性が高い」
「そ……そうなんだ」
試作型ですら知らなかった。しかし、ダンジョンにとても興味がある。ステータスって叫べば出てくるのかな?オラ、ワクワクすっぞ。
「あ、そうだ物音のことだよね。あれ、あの子達がスライムを狩っていた時の荷物が擦れる音だろうね」
ああ、そういうことか。それが原因ね。ただ、それを説明しても理由もわからず終わりそう。というかそうだよね。家の地下にダンジョンありますって。…………いや、流行に嗅ぎつくのがうまい母だ。……適応しそう。
「理由は何となく分かったよ。ただ……僕の母がね擦れる音が気になるんだってさ見に来てほしいって言ったけど」
「それもそうだね……アイテムボックス……分かった。作って見るよ……スライム……スライムゥゥ!!あそこのあれ取ってきて……え?わかんない?……あれあれ……うん、それ」
ニコニコと笑いながら承諾し、スライムと会話すると直ぐに操作に取り掛かり始める。僕は母に原因を何とかでっち上げて報告したあと、戻って手伝いをした。そのおかげかわからないが、意外にも手際よく作業が進み、2日後には10個程制作することに成功した。僕はそれの試作品を貰い、愛用することにする。
その次の日に団体という形で焼き肉に行き、スライム達のとんでもない量の食事量にエンペラー共々ドン引きするのだった。料金、16万8000円
疑似型 各モンスター?
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量産型スライム
戦闘能力
16
SKILL
フィジカルモンスター 2
変装 9
魔法生成 1
分裂 1
連携 MAX
説明
エンペラーによって遊び半分に作られた試作型モンスターを改良し、作られたスライム。試作型の反省を兼ねて、遠距離からの攻撃ができるように魔法を付与した。また、素のステータスを上げてバランスを取れるようにしたおかげで片言であった言葉が流暢に喋れるようになっていた。量産型であるため、連携に全振りをし、格上相手でもある程度善戦できるようにした。勿論成長するため、これからも能力が上がっていくことに間違いない。
寿一郎を父だと思っており、いよいよ外面から埋められてきた。
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