第3話 ペット保険には入るべきか?

 ペットを飼うには、お金がかかる。毎日のフードやトイレシート、猫砂などの必需品はもちろん、おそらく一番悩ましいのが医療費ではないだろうか。


 ペットには、日本における人間の健康保険のようなものはない。よって、医療費は全て自費である。体感だが、ちょっと具合が悪そうかな? と思った一回の受診で、数千円から一万円ほどはかかると覚悟しておく必要がある。


 そんな時の備えになる――かもしれない――のが、民間の会社が運営するペット保険である。人間の医療保険などと同じで、対象の費用がかかった際に、保険会社からその一部が補填されるシステムである。


 では、ペット保険に入っておけばいざという時も安心か? ペット保険には入るべきか?


 結論から言うと、個人的にはどちらでもいいのではないかと思う。よく情報収集をして、自分の納得のいく形にするしかないと思うのだ。

 当然だが、保険会社も慈善事業ではない。加入者全員が掛け金をペイできるような仕組みでは、会社が破産してしまう。


 だからと言って、保険会社があこぎな商売をしているとか、そんなことを言いたいわけではない。入っていて助かる場面もあるだろう。だからこその「保険」である。


 我が家は、数社から資料を取り寄せたり、ネットで調べたりして悩んだ末、業界シェアNo.1というA社と契約した。

 月々の保険料や保障内容など、悩んだポイントは色々あるが、決め手は忘れた(オイ)。たぶん、保険金の清算のしやすさや、他の付帯サービスで、なんとなく「ここでいいかあ」と決めたような記憶がある。A社の場合、ペットの保険証を病院の窓口で提示すると、その場で保険適応分を清算してもらえる。他には、脱走してしまった時のペット探偵派遣サービスや、電話やLINEで獣医師に相談できるサービスなどがある。

 尚、筆者は保険会社の回し者ではないし、この記事も広告案件などではないので、詳しくはご自分で調べてください。


 費用面は決め手にならなかったので、おそらくどこも同じくらいの保険料だったと思う。

 我が家の場合、月々3千円くらい。もちろん、動物の年齢で保険料も変わってくる。猫だと8歳を過ぎるとシニアの部類になるので、保険料もぐっと上がると言われている。シニア猫で最も気を付けないといけない病気は、おそらく腎機能低下だろう。猫はその特性上、泌尿器系の疾患を抱えやすい。


 ちなみに、元野良だったりして正確な年齢がわからなくても、保険には入れる。もちろん、極端にサバを読んだり、既往歴を申告しなかったりしたら契約違反になるだろうが。

 そう、他はどうか知らないが、A社は元野良かどうかなどは、契約時の設問になかった。誕生日は推測で構わないようだ。問題は既往歴だ。人間の医療保険と同じで、契約時に既に罹患していた慢性疾患などは、保険適応外になる。加えて、避妊去勢手術や、定期的なワクチン、ノミ・ダニ・フィラリア予防薬なども保険は使えない。そして、回数や金額にも上限があるので、保険に入っておけば安心と言い切れるわけでもないとは思う。


 では、実際のところどんな感じなのかというと。

 我が家の場合、毎月の保険料は3千円ほど。

 1年だと3千×12で約3万6千円。改めて見ると、なかなかの金額である。


 調べた範囲だと、どの保険会社も、5割負担(保険会社が費用の5割負担してくれる)と7割負担(同7割負担してくれる)のコースがあった。7割負担コースだと、こちらが3割負担なので、人間の健康保険と一緒の感覚だ。ただし、その分保険料も上がる。我が家は5割コースを契約している。


 これだと、医療費が毎月6千円以上かかれば保険料をペイできる計算になるが、高齢でもない限りそんなにかかることはないだろうし、ペットの負担を考えれば、病気や怪我などさせないように過ごさせてあげるのが一番だろう。

 まあ、損か得かはともかく、病院での支払いが安くなるという、安心材料にはなるかもしれない。もし誤飲などをして開腹手術なんて事態になれば、諭吉が何枚も飛んでいくだろうから、そういう時の備えとしてはいいかもしれない。


 そして、何かあった時にある程度まとまった金額を払えるようにしておくことも、ペットを飼う上で必要な心構えではないかと思う。たまにSNSで「難病のうちの子のために、医療費のクラウドファンディングをお願いします!」なども見かけるが、個人的にはあまりいいとは思わない。身の丈に合った支出をするべきではないだろうか。


 と、話が逸れたが、ペット保険には入っておくべきかどうかという話。自分のお財布や諸々の情報と総合的に判断して、納得のいく形でやっていくしかないだろう。


 うちは、やっぱり解約して貯金に回した方がいいかなあ、などと思い始めていたところ、持病が見つかり、定期的な通院が必要になってしまった。どうするべきか、悩ましいところである。

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