第18話 薬草採取依頼 3
名前 :天上 シンマ
年齢 :16
性別 :男
HP :112
MP :23
力 :50
きようさ:37
体力 :45
素早さ :34
魔力 :22
スキル:【スキル進化】【呼吸】【心の耳】【観察】【風の回避】【風の歩行】【食事】【パンチ】【キック】
【自然治癒】【睡眠】【剣(見習い)】【アイテム圧縮術】【採取】【解体】【木器作成】【弱毒耐性】【弱水耐性】
名前:リコ
HP :56
MP :438
力 :16
きようさ:30
体力 :13
素早さ :16
魔力 :193
スキル:【魔法障壁】【???】
最近になって見えるようになったんだが、リコのMPと魔力が桁違いだ。
そりゃブラストベアーとかいうのも瞬殺するよ。
ただし他のステータスは控えめだ。
これはリコが弱いんじゃなくて、オレの成長度が高いだけだと思う。
もちろん冒険者ギルドにいた冒険者はオレよりステータスが高い人達が大半だった。
だけど同じくらいのステータスだったドーマとかいう人も、ザイガンさんに聞けば冒険者を始めて三年目だという。
つまりついこの前、異世界デビューしたオレがそんな人に追いつているのがおかしい。
これはオレ自身の資質もあるだろうけど、【食事】スキルによる影響が大きいんだろう。
【食事】で効率よく栄養を摂取して、【睡眠】スキルで体の疲れを取る。
これが他の人より優れているからこその結果じゃないか。
不健康な生活をしていれば当然、体に負担がかかる。
それが巡り巡って成長なんかのポテンシャルにも影響する。
この仮説が正しければ【睡眠】や【食事】がスキル進化することがあればますます成長率が高くなるはずだ。
オレは俄然やる気が出てきた。
何をやっても結果が出なかった前世と比べて、こんなにも恵まれた状況なんだからな。
この【採取】スキルにしてもそうだ。
山の奥まで来た結果、様々な野草を採取することができた。
正直に言って使用用途はわからないものの、有用なものであることは不思議とわかる。
【観察】か、もしくは【採取】がスキル進化すればその辺もクリアできるだろう。
わからなくても今は十分だ。
これだけ持ち帰れば、なかなかの収入になるからな。
「ぴぃーーー!」
「お、お前も野草を採取してきたのか」
このマルルーが飛んでいって色々と採ってきてくれるのもありがたい。
しかもこいつがいれば、山の中で迷うことがないのもありがたい。
飛んで帰りの方角を示してくれる。
「グルルルルル……!」
「こいつは……」
名前:キラーウルフ
HP :40
MP :0
力 :27
きようさ:57
体力 :18
素早さ :52
魔力 :1
スキル:【噛みつき】
山奥に行けば危険も増える。
キラーウルフという魔物達に囲まれてしまった。
オオカミらしく群れで行動するから数が多いな。
キラーウルフ達が飛びかかってきた。
【風の回避】でもギリギリ回避だし、素早さが異様に高いから今のオレじゃ攻撃をなかなか当てられない。
リコのほうも氷柱を何発も外していた。
きようさは攻撃の命中率、素早さは回避に影響している。
これがなかなか厄介で群れでの狩りに慣れているのか、連携をとって襲いかかってくる。
キラーウルフは体力が少なくて持続力がないものの、戦いが長引くと判断すると攻撃組みと待機組に分かれた。
攻撃組が攻撃している間に待機組が休んで体力を回復する。
こうやって波状攻撃を行うことでオレ達を確実に消耗させてきた。
こっちは二人だから持久戦になればどっちが不利かなんて明白だ。
「んーーー! んむーーー!」
「リコ! 落ち着いて狙え!」
あのリコがなかなか当てられずにイライラしている姿は新鮮かもな。
ただしそんなものに見とれている余裕もなく、オレはきっちりと守ってやらないといけない。
リコの魔法の威力は凄まじいけど接近戦への対応はほとんどできないみたいだからな。
オレにすら接近された段階で何もできないほどだ。
「いってぇ! このやろっ!」
「ぎゃうっ!」
噛みついてきたキラーウルフを斬り裂いたけど、ダメージがきつい。
二人で何匹か仕留めたけどまだ数はあっちのほうが多かった。
「リコ、あのでかい熊を仕留めた魔法を頼めるか?」
(少し……少しだけ時間が……)
「どのくらいだ!?」
(さ、三秒……くらい……)
「わかった! その間はオレが守る!」
三秒か。短いように思えるが、この状況で三秒も隙を見せるなんて自殺行為でしかない。
思い返せばオレが見た時はブラストベアーとの距離が離れていたかもしれないな。
それかエギーダ達が何らかのお膳立てをしたのかもしれない。
「こい! 狼ども!」
「ガルルルルッ……!」
キラーウルフ達が飛びかかってきて応戦した。
近づけまいとして剣を振るうけど、やっぱりなかなか当てられない。
だけどこれだけ時間を稼げれば十分だ。
「ん……!」
リコが発動した氷の魔法は氷版津波とも言い換えられるかもしれない。
冷気の暴力を浴びせられたキラーウルフ達はみるみるうちに霜が張り付いて白く変色していった。
霜が重なり、すぐに氷で覆われたキラーウルフ達はピクリとも動かない。
「ふぅーーー……助かった」
オレはようやく生きた心地を得た。
氷の津波に巻き込まれたキラーウルフ達が気の毒になるくらい凄まじい光景だ。
魔法ってのはとんでもない威力だな。
リコの魔力の高さもあるんだろうけど、あのエギーダ達が期待するだけある。
「リコ、助かっ……どうした?」
リコがジッとオレの前に立って見つめてくる。
上目遣いで何かを期待しているかのようだ。
「リコ、よくやった。すごいな」
(もっと……)
「リコ、えらいぞ」
(もっと……)
どうしたんだ、これ。褒められ中毒みたいになってるぞ?
するとリコがオレの手をとって、自分の頭の上に置いた。
「え……な、撫でろと?」
何も聞こえないけど、そういうことだろう。
オレごときが女の子にそんなことをしていいのだろうか?
でも希望するなら仕方ないな。
オレはリコの頭をなでてやると、身を縮めてうっとりとしている。
「こ、これでいいのか?」
(ま、町で……撫でられている子がいたから……)
そうか。町には色々な人間がいるから、リコも学んでいるわけだ。
でもまさか小さな子どもがやってもらうようなことで喜ぶなんてな。
リコはオレが思っているより精神年齢が低いのかもしれない。
レダでどんな扱いを受けてきたのかはわからないけど、これから多くを学んでほしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます