第197話:強引なコーディネート
真っ赤に頬を染めながら、弁明して。
なんとかその場を収めたけど。
うん。
F。
すごい。
でかい!
でも、そこはサラッと済ませて。
森本君持参の、キャミソールでカバー。
なんだけど。
「うぅ、キツ……」
材質が、よく伸びるタイプだから、ギリギリ、着れてはいるけど。
サイズが、合ってないわねぇ。
幸い、丈は長い目なので、腰まで届いてる。
肩の方が、紐のタイプじゃなくて、幅広のタイプなので、うまい具合にブラとストラップは隠れてる、か。
「キャミがこれだと、ブラウスとかもキつそうだね」
「スカートはどうかしら?」
ロングスカートの腰あたりを、森本君に当ててみるけど。
「履いてみるまでもなく」
うん。
明らかに、合ってない、わねぇ。
「どうする?」
「どうしよう……」
「…………」
いや、これ、破綻してない?
「森本くんのサイズじゃ着れる服が無いかー」
「やっぱり母ちゃんの服じゃダメだったかー」
「このサイズじゃ、無理だねぇ」
森本くんと、レイちゃんと、三人。
途方に、暮れる。
とほほ。
うーん。
どうして暮れよう。
じゃ、なくて。
どうしてくれよう、か。
スカートはジッパー留めずに、腰回りを広げた状態でどうにか履ける、かな?
「よしっ」
がばっと。
スカートを森本君の頭から、すっぽり。
上半身を通して、お腹あたりまで下ろせば。
「ん、ギリいけそう?」
「なるほど。これでスラックスを脱げば」
「うん。森本君、スラックス脱いでー」
「お、おぅ」
言う通りに、スラックスを脱いでくれる森本くん。
「やっぱりジッパーは閉じられないねぇ……よし、じゃあ」
スラックスから外したベルトで、お腹辺りのスカートを止めて、と。
「あと、これ着て」
森本くんに渡したのは。
森本くんがもともと着ていた、ワイシャツ。
「これ、男物だけど……」
「いいからいいから。裾はそのままスカート外へ。あと、上みっつくらいボタンは留めないでいいからね。それから、レイちゃんはリビングから森本君のコート取ってきてー」
「?」
「はぁい」
とりあえず。
言いなり森本君。
それに、レイちゃんも、リビングに戻って。
「持って来たよー」
「ありがとー。森本君、上からコート着てみて」
「ぉ、おぅ」
ジッパーは止まっていないけど、ワイシャツの裾で上手い具合に隠れてくれる。
ワイシャツもお腹部分はボタンで留めて、スカートのベルト部分も隠して、と。
ちょこっと見えてるけど。
それも、コートで隠せるかな。
「なんとか、それっぽく?」
胸元のボタンは開けて、見せキャミ状態にして。
「さて、後は顔と頭だね。ここ、座ってー」
椅子の上へ。
机の上には、鏡を用意してもらってあるので、そこに。
持って来たお化粧品を並べて。
森本君のお顔に。
そんなに本格的なものじゃない、けど。
普段しているスキンケアを、施して。
さて。
仕上げは。
「おっけー、レイちゃん、ミツキさん呼んできてー」
「はいはーい」
どうにか、なる、かな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます