第196話:森本君に変形合体するブラを着けてみた
「前えー、ならえ」
号令?
森本くんが、素直に号令に
「ん。そしたら、ストラップを左右の腕に通して、っと」
もちろん、ブラジャーの、ストラップ。
淡いピンク色の、F90の、でっかいカップのやつ。
ミツキさんが、山田くん用に買ったやつ。
ネタで、ね。
ストラップを肩まで通したら、左右のベルトを後ろ側に回して少し引っ張っると。
「うぉっ」
森本くんの、小さな悲鳴。
大きな、がっしりした上半身が、びくん、と動く。
「ん? どした?」
「いや、なんか当たって、ちょっとビビった……」
後ろから少し引いたから、前の方が当たってビックリしたってか?
「我慢なさい……っと、ちょっとキツイかな?」
四人の中では一番ガタイの良い、森本くん。
アンダーバスト、と、言うか、胸囲も脅威。
ぐいいっ、と、引っ張っても、ホックが届きそうにない。
「こりゃエクステンダー使わないとダメっぽいわね」
「エクステンダー?」
「うん。こんな事もあろうかと」
取り出したるは。
左右のホックの凸側と凹側が両端に付いたもの。
ようは、ブラのベルトの先端をちょん切って左右を繋いだ感じのやつ。
「そんなのまであるんだ……」
「このデザインからすると、もともとこのブラに付属してたみたいね。ベルトと全く同じ色とデザインだし」
なるほど。
雪人さんのところの、女装男子専門ショップ。
ブラ自体、男子が装着することを前提にしてあるからだろうな。
「これをこうして、右に付けて、左側を引っ張って……よいしょっ」
ベルトの接続はできたけど。
「ストラップの位置が、少し開きぎみになっちゃうわね……そしたら」
前の方に回り込んで。
カップの上辺に止まっているストラップの根本を少しずらして。
「ふわ。ストラップ、取っちゃうの?」
「うん、このままだと、ストラップが肩かたずり落ちそうだから、こうやって……」
前の方から外したストラップのアジャスターを使って長さを長くして。
左右のストラップを首の方で、クロスさせて、前へ戻す。
そしてまた、カップの上辺にアタッチメントを滑り込ませて、ストラップを取り付ければ。
「これでしっかりホールドできるのよ」
「おぉ、そういうブラもあるのね」
「うん。ブラのタイプによれば、ストラップ無しで着けるものもあるしねー」
「変形したり合体したり……ロボットみたいだね」
「あはは、確かにー」
などとおしゃべりも、しつつ。
カップの下辺を、少し下側に引っ張るようにして、ストラップのフィット感を見ると。
「やっぱりちょっと突っ張るわね。ストラップも伸ばして、っと。レイちゃん、右側お願い」
「はぁい」
二人で左右に分かれて、ストラップの長さを調節。
もう一度、カップの下辺を引っ張って、ベルト側までくるっと、全体の高さを調節。
カップの上辺をぺろっとめくって、
「こんなとこかな?」
「うぅ、なんか、ものすごい締め付け感……」
ご本人の、直球な、ご感想。
「痛い?」
「いや、痛くは無いが、違和感が……」
「だよねー」
「うんうん、わかるー」
経験者、語る。
初めてブラを着けた時の、感想。
「それじゃあ、中身も入れましょうか、っと」
上げ底さん。
こちらも、でかい、Fサイズ。
あたしやレイちゃんのBとは、明らかに、違う。
ブラの上辺を少しめくって、そこに滑り込ませるようにカップの中へ。
「ふぉっ」
あはは。
この感触も、また、独特だからねぇ。
初めてだと、変な声出ちゃう、よねぇ。
左右、しっかりと奥まで収めれば。
「ほい、こんなもんかな?」
ブラの上から
と。
レイちゃんが。
「真綾ちゃん、その
いつも自分で装着する時の動作を、そのまま。
もにゅ、もにゅ。
「あ」
「園田、おまえ、まさか……」
ちがうちがう。
「違う違う、絶対ちがう、そんなんじゃないからちゃんと着いてるか確認してるだけだから誤解しないでよねちゃんと収まってるか確認してただけだからそんなんじゃないんだから誤解しちゃだめだよだめだめふたりとも変な想像しちゃだめだめーっ」
ぜーはー。
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