第60話:期末試験の前だけど夏休みの計画



 怒涛の? デート週間? が終了?


 もうすぐ梅雨明け、イコール、期末テスト。


 試験準備期間として、試験前一週間は、部活も、七時間目、八時間目も一時お休み。


 まぁ、日頃から授業はきっちり聞いて。

 宿題復習、それに予習も欠かさず。

 授業でもわからないところは先生に突撃質問。


 ウチ的には、わりとのんびり気味。



 エリ先生とポチったエプロンが届いて。

 先生はウチの分の制作に取り掛かってるらしいけど。


 期末テストの制作は大丈夫なんだろうか?



 それから、家庭科部に、家庭科室を使わせてもらう件。


 試験期間や、試験後の日程などもあって実際に使えるのは二学期からだそうで。


 そうなると……。


「夏休みに合宿よ、合宿っ!」

「いいね、ミリィんの別荘?」

「場所的には、そこしか無いですわね」

「別荘って、海? 山?」


 八時間目の授業自体はお休みながら。

 放課後に一時的に集まって試験後の作戦会議。

 辞退しようと思うも、引きずって来られました。


「海! 海ですよ、海っ!」


 ある意味、予想通りと言うか、予感的中と言うか。

 三先輩の、特に、金髪子先輩の思考がなんとなく読めるようになった感。


 海かプールか。


 絶対、夏休みにそういう『イベント』に連れ出される予感。


 そうなると、必要なアイテムが、ある。


 それを見越して、先手を打って入手済み。


「海かー……水着買わないと……だけど、その前に、八時間目の課外授業でやるなら、ちゃんと計画提出しないとだねぇ……小坂さん、その別荘の場所とか、詳しいコト、教えてくれる?」


 エリ先生も、かなりノリ気。


「後は、日程だねぇ……全員の都合が合って、別荘が空いてるところ」


 おさげ子先輩も、ノリ気。


「とりあえず、別荘が空いてる期間は調べて、住所と一緒にグルチャに送るね~」


「問題は、保護者の許可、ですわね……」


 ぱっつん子先輩の懸念。



 おそらく、三先輩だけなら、特に込み入った許可など必要なく。

 これまでも三人でその別荘とやらに泊まっていただろうと思われるけど。


 今回に関しては。


「先生が同伴、引率ってだけで、大丈夫かどうか、だよねぇ」


 そう。


 ウチが。


 男が混ざっている件について。


 三先輩が男性に慣れていない件もあれど。


 それ以上に、親御さんとしては、男と旅行、宿泊、と、なると。


「まぁ、最悪、ウチは不参加で」


 ウチの本音が、ポロリすれば。


「それじゃ意味がないじゃない」

「お料理合宿だよ?」

「八時間目の課外合宿ですし」

「うんうん」


 激しく、総突っ込み。


「車の運転手も含めて、そこらへんも何とかできないか確認してみるね~」


 三先輩の親御さん自身が、友人同士らしいし。


 金髪子先輩のご両親を通じて、おさげ子先輩とぱっつん子先輩のご両親にネゴを取るのも不可能ではないんだろう。


 日程によっては、ウチの母さんも?

 母さんも『夏休みに一緒に』って話してたし。

 なんなら、も用意してるし。


 一石二鳥を狙えるなら、狙ってみてもいいかもしれない。



 さて。


 どうなりますやら?




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