第14話:女装男子専門ショップ
今回の『八時間目の授業』は。
オレを『女らしくする』方法が提案され、その順番を決めることになったのだが。
ロリ先生が。
「これ、これ見て、ちょっと調べてみたけど、ここなら中原さんと大里さんのアイディアの両方同時に入手できそうだよ?」
と、手元のタブレットを操作すると。
オレも含めてだろう、三人の先輩たちのタブレットにもメッセージが届く。
届いたメッセージに貼られていたアドレスをタップすると。
「え?」
「これって」
「隣の駅の近くだね……」
ロリ先生が送って来たアドレスの先。
『女装男子専門ショップ・YUKITO』
その、
お店の案内、取り扱い商品のラインナップ。
確かに、ウィッグや、そして。
「これ、結構、生々しいね……」
「サイズも色々あるみたいね」
「そして、意外と安い……」
そう、ブラの中に収める、疑似的な
なになに……。
商品説明を見てみると。
低反発ウレタン素材で軽くて柔軟性に優れる?
身体にフィットする装着感?
本物そっくりな形状?
豊富なサイズラインナップ?
……。
こんなものまで売ってるのか?
いや、って言うか、売ってるってコトは、それなりに需要がある訳なんだろうけど。
……。
そんなに? 女装したいヒトが居るってコト?
……。
あ。
解説によると、コスプレ用途もあるのか……。
いや、でも、それって、男が女性キャラのコスプレするってコト?
いやいや、いやいや。
……。
びっくりだよ。
でも。
わりとお手軽な金額。ウィッグの方が高いぐらい?
「部活じゃないけど、一応、この八時間目用に予算もらってるから、それで買えそうね」
なんですとー。
金がもったいないとか、無いからって逃げようかとも思ったが。
逃げ道塞がれた感。
「じゃあ、課外活動ってことで、次の土曜日にみんなで一緒にこのお店に見に行ってみましょう。いいのがあったら、買っちゃいましょう」
「おぉ」
「いいですね、興味深いですわ」
「わーい、おっかいものー、おっかいものー」
何故か本人置き去りに盛り上がる女性陣四名。
オレ、不参加でいいですか?
「一応、学校活動の一環ですから、皆さん、制服で、ね?」
「はーい」
「はい」
「はい」
えー?
「園田くんも、ね?」
「いやいや、いやいや。いやだよ!?」
なんとか。
制服は勘弁してもらって、学校指定の体操服、ジャージで参加させられるコトに。
さらに。
その話を母ちゃんにしたらば。
「お母さんも、行くっ! 絶対、一緒に行くっ!」
「仕事はっ!?」
「有給消化っ!」
えー……。
そして、その土曜日。
学校の最寄駅の、隣の駅前に集合した面々。
もちろん、と、言うか、来なくていいのに、母ちゃんまで。
「どうも、園田の母です。娘がお世話になってます~」
娘、じゃ、ねぇえええええええっ!
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