第47話_結果

村田とライトが緊張した面持ちで待合室に座っていると、

看護師が彼らの名前を呼んだ。

診察室に入り、対面したイアンの手には二人の運命を握るかのような検査結果があった。

彼の複雑な表情が、二人の不安を一層かき立てた。


「正直、お二人の結果に驚いています。あぁ、安心してください、お二人ともルクス病ではありませんでしたから」

とイアンが言葉を切り出すと、村田とライトは互いに顔を見合わせた。


まずライトに言及し、

「まずライト君の血液に関しては、非常に珍しいケースですね。血液の色が紫に変わるほど多く魔素が含まれていました。ただ魔素飽和度も高いので、今のところルクス病の心配は全くありません」

と告げた。

ライトの目は少し驚きながらも、ほっとしたように輝いた。


一方、村田に対しては、

「村田さん、あなたの血液からは魔素が一切検出されませんでした。これはルクス病ではなく、ただの風邪です」

と説明した。


自身の血液中に魔素が一切含まれていない事実は、

彼がこれまで感じていた「外」の人間であるという事実を確固たるものにした。

イアンがルクス病ではないと告げたことに安堵したが、

その後の言葉は彼の心に新たな不安を植え付けた。


「ただ、魔素が全く検出されないのは非常に異常な状態です。これについてはメガラニアの総合病院で精密検査を受けていただく必要があります」


村田は手にした紹介状を見つめ、

これまでの人生でこんな形で他人の関心を集めたことがなかったことを思い知らされる。

紹介状が彼の手に重くのしかかるように感じられた。


二人が診察室を後にしたとき、彼らの肩には見えない重圧がのしかかっていた。

宿に戻ると、二人の間には重い沈黙が流れた。

「精密検査か..まぁ魔力無いのはなんとなくわかってはいたけども..」

彼の声には、認めたくない現実を仕方なく受け入れる重みがあった。


一方、ライトは村田の沈んだ表情に気づき、何とか明るい話題を振り、

「で、でも!あの何とか病じゃなくてよかったじゃん!」

と力強く言った。

彼の言葉には、村田を慰め、元気づけようとする熱意が溢れていた。


村田は少し笑みを浮かべ、

「まぁ、そうだな..元々メガラニアに向かう予定ではあったし」

とライトの励ましを受け入れた。


そして、彼は紹介状を手に取り、そこに書かれていた名前を指差しながら、

「それに、この人から『カイン』さんについて何か聞けるかもな」

と言った。

紹介状の宛先に書かれた「メガラニア総合病院血液内科カルテ殿」の文字は、

彼らの次なる旅の方向性を示していた。

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