第32話_魔力抑制
朝日が窓から差し込むガガリアの家の中で、
村田とライトは期待に胸を膨らませながら訪れた。
ガガリアは彼らを迎え入れると、心配そうに尋ねた。
「お、来たね。夜はゆっくり眠れたかな?」
ライトは目を輝かせながら返答した。
「なんか記憶ないけど眠れたよ!」
ライトは昨日の夜の事はあまり覚えていないみたいだ
ガガリアは少し苦笑いを浮かべながら、
「そ、そうか..まぁそれはいいとしてライト君、君に教えたいことがあるんだ。これから旅をする上で君に必要となる『魔力抑制』をね」
と切り出した。
「魔力抑制?」
ライトは首を傾げ、純粋な好奇心を目に宿して尋ねた。
ガガリアは説明を始め、
「読んで字のごとく体から溢れる魔力を抑制し隠す技術のことだ。君は今魔力を抑えず常に放出している状態、これでは裸で外を歩いているのと同じだ」
と、その重要性を強調した。
その言葉を聞いたライトは顔を真っ赤にして慌てふためいた。
「裸で..僕、変態だったの!?」
彼の反応には、子供特有の無邪気さと、
状況を完全に理解していない戸惑いが見て取れた。
村田はライトの肩を叩きながら、
「落ち着けライト、ただの例え話だ。変態じゃない」
と優しく言葉をかけた。
ガガリアは話を進め、
「ではまずは手本を、今魔力抑制を解除したよ」
と言って、自らの魔力が解放される様子を見せた。
「すごい..こんなに魔力が」
と、ライトはその変化に目を輝かせて感嘆した。
(えっやばい全然わかんない..)
と村田は心の中でつぶやいた。
「で、抑制すると..」
と静かに言った。
すると、先ほどまで感じられた魔力の圧が一気に消え去り、
「あっ何も感じなくなった」
とライトはその変化に驚き、新たな理解を示した。
「さぁやってみるんだ、まずは心の中で川をイメージするんだ」
とガガリアが優しく指導を始めた。
ライトは目を閉じ、深呼吸をしながらその指示に従って集中を深めた。
「よし、イメージできたら川の幅を少しずつ狭めていくんだ..」
とガガリアが続けた。
ライトは眉を寄せ、川の幅を狭めるイメージに没頭した。
「もう少し..川が消えるまで..最初から川なんてなかったかのように..」
と、ガガリアは静かに励ました。
ライトは必死にその指示に従い、
ついにイメージの川を完全に消すことに成功した。
「..素晴らしい、今君からはほとんど魔力を感じないよ」
と、ガガリアはライトの成功を称賛した。
その言葉を受けてライトは目を開け、
少し驚いたような、でも嬉しそうな笑顔を浮かべた。
ライトは心の中でほっと一息ついて、
「これでやっと服を着れた..変態じゃない..」
とつぶやいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます