第31話_魔人

「魔人、ですか。魔人について詳しく教えてもらえますか?」

村田の声には新たな発見に対する渇望が込められていた。


ガガリアは少しの間沈黙し、彼らの特徴と情報を語り始めた。

「身体的特徴として、白髪、純白な肌、赤い瞳、そして2mを超える身長、このいずれかを持つことが多い」

村田はライトの身にもこれらの特徴のいくつかが当てはまることに気づき、

心中で複雑な感情が渦巻いた。


「..それと、ここ数年で魔人の数は増えているみたいだから、何かしら彼と関係はあるだろうね」

と静かに付け加えた。その言葉には、ライトの存在がこの世界の大きな謎の一片を占めていることへの確信が込められていた。


村田は深く頷き、ガガリアからの情報を心に刻み込んだ。

彼の心はライトへの責任感でいっぱいになり、

少年が抱える広大な可能性と、それに伴うリスクを改めて認識した。


その後、ガガリアは村田とライトの旅の目的地について尋ね、

「君たちはこれからパシフィス王国城下町に向かうんだよね?」

と興味津々に質問した。


村田が肯定すると、ガガリアは何かを思い出したかのように目を輝かせ、

「なら、ライト君に教えておきたい技術がある。すまないが出発は明後日にしてもらえるかな?」

とガガリアが提案すると、


村田は興味津々に

「わかりました、ちなみに一体何を?」

と問い返した。


ガガリアは少し神秘的な笑みを浮かべ、

「まぁ、明日のお楽しみということで..彼も随分酔っているようだからね」

と言い、ライトの方を一瞥した。

ライトはその場でふらふらとしており、酔っぱらった様子を見せていた。

ほんの一瞬未成年飲酒について考えたが、ここが日本ではないことを思い出した。


(てかなんでアルコールは効いてるんだ..)

と村田は内心首を傾げたが、深く追求することは避けた。


「うちのバカ息子が飲ませたみたいだな、後でぶん殴っておこう」

と軽く冗談を交えて言った。


その後、村田はライトを優しく肩に担ぎ、家路についた。

ライトを支えながら、彼はライトが抱える重大な秘密と、

ガガリアが教えてくれる技術について考え込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る