ライトがまだぼんやりとした様子で村田に問いかけた。

「んぁ、シュンだ、ここどこ？」

その声には、目覚めたばかりの混乱と安心感が混じり合っていた。

「え？あぁ、ここはカバル村だ」

と村田が優しく答えると、ライトの目には新しい場所への興味がわずかに輝いた。

村田は例のブツをライトに見せる。

「..なぁライト、これに見覚えはあるか？」

その手つきには、ライトへの心配と期待が交錯していた。

「あ、それ朝食べたよ」

とライトが明るく答えると、村田、村長、そして村人の三人は目を見張った。

ライトの無邪気な反応に、彼らの緊張は一瞬で緩和された。

「最初はクリーミーでおいしかったんだけど後味が中々スパイシーだったんだよねー」

とライトが続けると、村田は安堵の息をついたが、

心の奥では信じられないという感情が渦巻いていた。

「そ、そうか、それはよかったな..」

と村田は苦笑いを浮かべた。

「まぁ、理由はわかりませんがとりあえず無事そうで何よりですな」

とガガリアが言うと、村人も頷き、彼らの表情からは状況を理解できないながらも、ライトが無事であることへの安堵が伝わってきた。

「今日は遠慮せんでいいから泊まりなさい。急に容態が悪くなるかもしれんしな」

とガガリアが提案すると、村田は深く感謝の意を表した。

「そうだ、少年。名はなんというのかな？」

と優しく問いかけると、ライトは胸を張って

「僕はライト！ライト・サノヴァ！」

と元気よく答えた。

その明るさと自信に満ちた返答に、ガガリアは温かく頷き、家を後にした。

「二人とも、昼食持ってくるから少し待ってな。あ、俺は村長の息子のベルタだ、短い間だがよろしくな」

ベルタは去り際に親しみやすい笑顔を見せた。

青年の言葉には二人への歓迎と温かいもてなしの意志が込められており、

村田は心からの感謝を感じながら、彼の去る背中を見送った。

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