村田はライトを背負い、森の中を進んでいた。

朝の霧がまだ森を包み込んでおり、視界は限られていた。

彼らの周囲は静かで、時折鳥の鳴き声が聞こえるだけだった。

しかし、その平和な雰囲気は突然、不穏な発見によって打ち砕かれた。

彼が驚きに声を漏らした時、その声には信じられないほどの不安が込められていた。

近づいてみると、体長は1.5メートルほどの狼らしき生物の死骸があり、その惨状に村田は息をのんだ。

その死骸は酷く食い荒らされており、折れた肋骨が恐ろしい光景をさらに強調していた。

「まさか骨ごと食べているのか？」

村田の心臓は不安で高鳴った。

この森には、彼らが想像もしなかったような凶暴な生物が潜んでいるのかもしれない。

村田は急いでその場を離れ、より一層の用心を払って村へ向かうことにした。

長い時間が経過した後、彼らはようやく木造建築の家が数件ほど立ち並ぶ、柵で囲まれたカバル村にたどり着いた。

村の入り口で、彼らを見張る村人たちの目は警戒に満ちていた。

彼らは肌が褐色で黒い髪を持ち、白い布の服を身に着けていた。

「君は誰だね？この村に何か用かな？」

と杖を突いた老人が、警戒心を隠しきれずに話しかけてきた。

その声には、見知らぬ訪問者に対する用心深さが感じられた。

「私はイファスアの街から来た村田と申します。すみません、この子を休ませる場所を提供していただけませんでしょうか？」

村田の声は疲れと心配を隠しきれずに震えていたが、彼の言葉にはライトへの深い配慮と村人たちへの敬意が込められていた。

その言葉を聞いた村人たちは、徐々に警戒心を解いていった。

「イファスア..あぁ、海岸沿いの。事情はわかった、どうぞ中へ」

と老人が応じると、その声には少しの安堵と歓迎の意が含まれていた。

「自己紹介が遅れたね、私はこのカバル村の村長のガガリアだ」

と老人が名乗り、その言葉には温かさと責任感が感じられた。

ライトを背負いながら村に入る村田の心は、少しの希望で満たされ始めていた。

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