第19話_早朝の異変

柔らかな朝日が村田を温かく照らし、

小鳥のさえずりが静かな森をやさしく包んでいた

村田はその重い瞼を開ける。

「ん..寝てたか」


「おーいライト、朝だぞ起きろー」

ライトの居る方向に向かって声をかける。


「..いない、先に起きたのか?珍しいな..」

少し周りを見渡してみるがライトが見つからない。

朝の散歩でもしているのかと思い少し歩いてみることにした。


「..あれは!?」

村田は木の根本で倒れているライトを発見し慌てて駆け寄る。

朝日が木々を照らす中、その光が突如として村田の心の重さを映し出すかのように、一筋の影が落ちた


「大丈夫かライト!声聞こえるか!」

村田はライトの肩を優しく揺さぶりながら呼びかけた。


「....あ、シュン?..おはよ..」

ライトの声はか細く、目を開けるのにも苦労している様子だった。


村田は一瞬ホッとしたが、ライトの顔色の悪さと汗の量に再び心配が募った。

ふと横を見ると、食べかけであろうキノコが落とされていた。


「そうか、これを食べて..水、飲めるか?」


ライトはゆっくりとうなずき、力なく水を飲み込んだ。

彼の瞳には疲れと困惑が浮かんでいた。


(何が出るかわからない、いつまでもここで寝かせるわけにはいかないな)

と考えながら、村田はライトを背負って立ち上がった。


森の中に村があることを思い出し、そこでライトを休ませようと決意した。

ライトを背負いながらゆっくりと歩みを進める村田の目には決意と不安が交錯していたが、ライトを守るという使命感がその不安を打ち消していた。

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