最終話:結局、結ばれるんだ。

「今まで正体を隠してた私を責めないの?」


「責めたりしないよ」


「私の姿見ても、嫌いになったりしないの?」


「ないない・・・嫌いになるどころか・・・とってもいいと思う・・・

ペッパー、今時でイケてる・・」

「地球のどんな女性より、ずっとファッショナブルだよ」

「ほんとの姿になっても俺はペッパーが好きだ」


「それに俺、SF好きだし・・・SF小説の中に君みたいな宇宙人がでてくるよ」


「小説といっしょにしないで・・・私は生きてるんだよ」


「そうだよね、地球人も宇宙人も関係ないよ・・・宇宙はひとつ」

「宇宙人を好きになっちゃいけないって法律はないだろ?」


「今んところね・・・・」

「じゃ~私でいいんだね」

「あとで地球の女がよかった~なんて言っても遅いよ」


「そんなこと口が裂けたって言わない」


「分かった・・・別れるって話は遠い銀河に捨てちゃう」

「まあ、だけど僕の前ではそのままでいてくれてもいいけど、人前では

人間の姿でいてよ」


「そうだね、このことがバレたら、みんなどんな顔するかな」

「もし、君がヒューメリアン?だなんて知れたらスキャンダルだからね」


「分かった、カムフラージュしておくね」


一時はどうなるかと思った尚太郎とペッパーだけど、尚太郎がペッパーを

受け入れたことで丸く収まった。


それからも尚太郎とペッパーは順調よく付き合っていた。

最近、ふたりはどこにも行かずに尚太郎にアパートでくつろぐことが

多くなっていた。

デートで行くとことにも行ったし・・・出かけることも少なくなっていた。


「ねえ、ペッパー・・・僕たちさ、付き合い始めてもう三ヶ月だよね」


「そうだけど・・・?」


「三ヶ月って早いのかな、遅いのかな?」


「うん、そうね・・・思い返したらあっと言う間かな?」


「あのさ・・・僕たち中学生の恋愛じゃないんだからいつまでもプラトニック

な関係って不自然だと思わない? 」

「ちゃんとそうだよねって確かめ合った訳じゃないけど俺たち恋人同士だよね?」


「そうだね、私の中では尚ちゃんは私の恋人、彼氏だと思ってるけど」

「それって私の一人芝居じゃないと思うけど?」


「いや〜僕とペッパーはもうとっくに同じ舞台に立ってるよ・・・間違いなくね」

「だからさ・・・あのさ・・・あの〜・・・だからさあ・・・」


「なに?言いたいことあるなら、はっきり言って?・・・」


「いつまで待てばいいのかなって思って・・・」


「なにを?・・・」


「エッチ・・・」


「エッチ?・・・エッチって・・・尚ちゃん・・・私とエッチしたいの?」


「恋人のこと求めるって、それって普通の欲求だろ?」


「いつまで待てばって・・・ずっと我慢してたの?」

「もう、バカね・・・なんでちゃんと言わないの、我慢なんかしないで」

「そういうのは普通男性のほうから誘うもんだよ?」


「エッチしたいって私に言えないままずっと我慢してたんだ?」


「うん、ダメって言われたらまた当分我慢の日が続くだけだと思って・・・」


「あはは・・・ほんとバカだね・・・」

「そう?・・・わかった・・・今日からはもう我慢しなくていいから」

「尚ちゃん・・・来て・・・ハグしてあげる」


「チューもおまけにつけてくれたら、おしっこチビるほど嬉しいかな」


「はいはい、じゃ〜ハグとチューセットでね」


そしてその夜、尚太郎の希望どおり彼の欲求はペッパーによって叶えられた。


(もう我慢しなくていいんだよ、尚ちゃん)


ペパーは尚太郎とのエッチの最中、興奮したから元の姿にもどっていた。


人の心を読んじゃう行為って、ほんとは失礼って思うんだけど、エッチの

最中ペッパーは尚太郎の心を読んだ。

尚太郎に悪いって思ったんだけどね。


彼の心はまるきり純粋だった。

曇りなくペッパーだけを愛していた・・・感じていた。


ペッパーは安心した。

尚太郎の想いはブレることなくまっすぐペッパーに向いていたからだ。

だから、今んところ浮気の気配も心配もなさそう。


(でも浮気なんかしたらすぐにバレるからね、尚ちゃん)


地球の女性なら誤魔化せるかもしれないけどペッパーにウソは通用しない。


ペッパーは素直な想いの尚太郎が可愛くてしかながなかった。

ふたりが結ばれたことでペッパーに母性本能が目覚めたのかもしれない。

だから、めいっぱいの愛情と包容力で尚太郎を包み込んであげた。


そして尚太郎は意を決してペッパーにプロポーズし、ふたりは海の見える

チャペルでめでたくゴールインした。

お互いの友人と両親に祝福されて・・・。


まさにハッピーを絵に描いたような素敵な結婚式だった。

尚太郎はこの日が自分の人生最大最高の日だと思った。


これから、ふたりの新婚生活が始まる。

もうなにも心配はいらない・・・問題は私がヒューメリアンだってことを

世の中の人にバレないようにしないとね。


誰も気づいてないけど、UFOや宇宙人はすでに人間の世界に溶け込んでるんだよ。


END.



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僕の彼女はヒューメリアン。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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