第6話:ペッパーの告白。

ペッパーは一晩中迷った挙句、次のデートの時、自分の正体を尚太郎に

告げることにしようと思った。

隠してることで良心の呵責に当てられなくなったのだ。


好きな人を騙したままではいられない。


そしてデートの日、何も知らない尚太郎が迎えに来た。


「おはよう、ペッパー王子様のお迎えだよ」


「おはよう尚ちゃん」


ペッパーは挨拶だけして車に乗った。


「さてと・・・今日はそのコースにしようかな」


「あのね、尚ちゃん話があるんだけど・・・」


「ペッパーってさ、合うと開口一番いつも話があるんだけどって言うね」


「今日はほんとのほんと」

「時間が経つと言い出せなくなりそうだから早めに言っておきたいの」


「そうなの?」

「なんだろ・・・怖いな」


「車の中なら誰にも聞かれないから丁度いいし」

「あのね、これから起こることに絶対びっくりしないで欲しいの」


「え?なになに?・・・まじで怖いんだけど」


「それに大きな声立てないでね」

「いい?、びっくりしないでね」


「おいおい・・・何が始まるの?」


「黙って、見てて」


そう言うとペッパーは徐々に自分の正体を現しはじめた。

体の色や髪の色が少しづつ変化していった。


そして尚太郎の目の前で完全に本当の姿になった。


「わ、わ、わ・・・パッペー?」


「尚ちゃん、内緒にしててごめん」

「実は私、ヒューメリアンって言って宇宙人と地球人のハーフなの」


「まさかぁ」


「それって?何かのイリュージョン?」


「これ私の本当の姿だよ・・・びっくりしたでしょ」


正体を現したペッパーは髪が白く肌はピンク色で両ほほに奇妙な模様が

模様があった。

顔の形や体型は今までのペッパーと変わりはなかったけど人間じゃなかった。


「まじで?・・・」


尚太郎は、しばらく固まったままだった。


「いやいやいや・・・ちょ、待って・・・頭、整理するから」

「こんなことある?」


「驚いたでしょ・・・引いちゃった?」


「私は宇宙人と地球人のハーフだけど、生まれたのはこの地球」

「ね、これで私の名前は地球人には発音できないからってお父さんが

ペッパーってつけてくれたの」


「ペッパー宇宙人?・・・だって言うの?」


「こんなこと信じられるわけないじゃん・・・だってUFOを見たって話だって

本当のことだか分からないってのに?」


「UFOはちゃんといるよ・・・私たちの星の人たちは月に移住してて

この地球にはUFOに乗らないで転送されて来るの」

「だからUFOは滅多にしか飛ばないんだよ」


「まさか、これコスプレ?とかじゃないよね?」


「そう言うと思った・・・」

「でも、そんな一瞬になんか変われいでしょ?」

「それに、なんでそんな手の込んだことしなきゃいけないの?」


「ああ・・・尚ちゃんに全て見せてスッキリしちゃった」

「これでよかったんだ・・・この事実を隠したまま尚ちゃんと付き合えないもん」

「短い間だったけど、私は尚ちゃんと会えてよかった」

「尚ちゃんのこと、心から好きになれたし」

「それだけは、うそじゃないからね・・・信じてね」


「ちょ、ちょっと待って・・・何言ってるの?」


「私の正体が分かった以上もう、尚ちゃんとはいられないでしょ?」


「だから?・・・なに?・・・まさか?別れるなんて言わないよね」


「だって他に選べないでしょ、私たち」


「そんなの、おかしいよ・・・」


「どうして?」


「そんなの一方的だよ、勝手だよペッパー」


「だって、この姿だよ?・・・人間の女性じゃないんだよ」


「それがなんだって言うんだよ?」

「そんなこと、僕たちが別れる理由になんかならないよ」

「そんなのおかしいよ・・・」


「ほんとはね、もっと早く言おうとしたんだよ・・・でも尚ちゃんのこと

どんどん好きなっちゃって・・・どうしても言えなくて・・・」

「だって、尚ちゃんに知られたら絶対嫌われると思ったから」


「ペッパーがどんな姿だって嫌ったりしないよ、僕の気持ちは変わらないよ」

「そんなの嫌だよ・・・・その姿が本当のペッパーだとしても俺はペッパーを

諦めないし別れるなんて認めないしこの恋は、絶対終わらせない」


「尚ちゃん・・・」


つづく。

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