ファイト
今日の出来事を、ひとつひとつ紡いでいく。
ぱたんと閉じた日記を引き出しに仕舞った。
通信端末の画面が光る。
これから仕事だという、彼からのスタンプがひとつ。
そうだ、今日は夜勤だと言っていた。
カーテンを開ける。
今夜は、月が見えない。
職場に以前から私に言い寄ってくる男がいる。
あまりにもしつこいので彼氏がいると言ったら、どんなヤツかとうるさい。
そこに通りがかった同僚が、私の彼のことをポロッと話してしまった。
「そんな付き合い、うまくいかないよ」
「絶対、浮気してるって」
嫌いだ。あの男も同僚も。
あぁ、もやもやする。彼に言ってしまいたい。
だけど、彼に伝えたところで、どうもできないだろう。
それぞれの夢を叶えるために、彼と私は遠距離恋愛を選択したのだ。
「ファイト!」と応援している猫のスタンプを彼に送る。
彼がこれを見るのは、たぶん明け方。
────眠りにつく前に
2024.11.02.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます