ひなあられを買って
「そっか。今日ひなまつりか〜。ねぇ、ひなあられ食べたい?」
スーパーの店頭。
桃色を基調とした可愛らしいパッケージを指し、ふたりの子供に問いかける女性がいた。
「女の子のお祭りだから、うちには関係ないでしょー!」
小学校低学年くらいの男の子は、そう言うと「こっちの方がいい」と、たけのこのモチーフのチョコレート菓子を手に取っている。
「ひなまつりって〜ひなまつりってぇ〜女の子のおまつり?」
隣にいる男の子が大きな声を出した。顔立ちが似ているので兄弟だろう。
「そうだよ」
得意気に答えるお兄ちゃん。
「ふーん。じゃあ、ママのおまつりだね!」
そう言って「ひなあられ買って〜」と、手を伸ばす弟くん。
思わずふたりのママを見てしまった。
品出し中、こんな光景を見るなんて思わなかったな。
今日は早番。
ひなあられを買って、隣町で暮らす母に会いに行こう。
────ひなまつり
2024.03.03.
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