対話
『司令部、こちら
現時刻
急に静寂から司令部が沸いた。
発生から約7時間のド緊張が解けたらしい。が、総隊長の一喝でちょっと収まる。そして私は淡々と終盤まで伝えていたものの先ほどの件を思い出した。
「左脚を負傷させてしまい・・・・・・その、すみません。救出チームの第8広域巡視隊ってあとどれくらいで羽田着ですか?」
「〈はぁ・・・・・・空港にはあと
今夜は悪かったな。以上だ〉」
「
骨伝導ヘッドセットから左手を離す。
主犯の男は、私の髪飾りのシュシュ〜膝丈キュロットスカートまでの全身深紅色を見て笑うと「本物のウラヌス。
「対特殊弾に真っ赤な制服、人間離れした身体能力・・・・・・・・・単なるお伽話や都市伝説じゃあなかった・・・・・・身をもって教えられるとは、痛ッ!」
「止血するから黙ってて」
背後に身につけていた専用の黒ウエストポーチ内の懐中電灯を口にくわえ、清潔なガーゼを手にする・・・・・・しばし黙っていたものの暗さに慣れたところで言葉を発した。
これは完全なる独り言だと前置きして。
「Dacă ai fi rămas în țară, nu ai fi fost ținut sub amenințarea armei, chiar dacă erai supravegheat, ești prost?
(国へ留まってれば、監視対象であっても銃口を向けられる事はなかったのにバカなの)?」
「!
Când am・・・・・・(お前)」
白ネクタイを外して処置は続く。
「Am fost o perioadă în România
(ルーマニアにちょっとだけ住んでた)」
そう。17歳の今よりずっと小さかった頃に。
「・・・・・・・・Apelând la ei prin ocuparea aeroporturilor și prin luarea vieților altora, șefii tăi nu vor fi scoși pe cauțiune de către organizație.
(・・・・・・・・・占拠したり他者の手足を奪うことでアピールしても、我ら組織が貴方達のボスを保釈することはないわ)」
きっぱりとした断言に息を呑み「諦めろと?」こう肩を震わせて問う。手錠のおかげで鼻水や涙は垂れ流しでも見開かれた瞳はまだ諦めてない。私は、
あぁ
右耳へ大多数の列の揃った足音が届く・・・・・・しかし共に動いた目線の先には誰も現れていない。
「アハハハハ!! ぃや〜本当に人間離れしてる耳だ。そりゃあ、こんな暗闇も関係ないわ!
ハハハハハハハハッッッ!!!!!」
・・・・・・まさか笑われるとは。
落ち着き払ってる風を装ったが語尾にムカつきが滲んでしまう。
「私の長所なので。ッし、棒で・・・・・・止血開始時間を」
「なぁ、連行される前に教えてくれよ保安官。俺はルーマニアで噂にッそう噂に聞いたんだよ・・・・・・・・・あんたら」
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