東京国際(羽田)空港、占拠
いつぞやの人類の歴史の真似事をする輩がついに現るとは。平和は遠いな_____こう呟く総隊長とは打って変わって、動こうとする
半壊した壁から見える夜闇に染まった遠くの羽田空港を一瞥するも立ち止まる。ちょっと待てよ。記憶違いでなければ今日・・・・・・
「あいつ、非番じゃね?」
その頭上を光り飛ぶ白きヘリコプター。
組織名に『菱形に五芒星』の外装を施された専用機真横の座席でくしゃみする10代女子。
規則正しく
「
「緊急を要します」
「・・・・・・本当の今日は非番で仲良い友達と夕飯食べる約束してて・・・・・・のに待ち合わせ場所には白のクラウン車が居てどうして」
謝罪とともに「緊急を要しますので」向かいの笹木さんはこう繰り返すが納得できない。なんせ強引に車内へ押し込まれ、作戦内容を明かされ、この制服に着替えさせられて来るはずの友達をほっぽって来てしまったのだから。
通話が無理ならメールでもLINEでもいいから一言謝りたい。地上にあるスマートフォンが恋しい。
「ポイントへ現着! 侵入口を確保します!」の発言と同時に機体は右を切る。
同刻_羽田空港 第2ターミナル
いつだって犠牲となるのは法を守ってる側・・・・・・日々を失うのも異常な恐怖心を持つのも命を奪われるのもだ。
様々な場所で乗客もスタッフも息を潜め、今か今かと助けを待つ・・・・・・超ジン類は「暗闇」に強く「振動」に敏感。それ故に光いらずの移動ができ、地面に伝う振動で位置や人間かそれ以外かなどを判別している。
だから手元の懐中電灯やスマートフォンのバイブレーション・ロック画面でさえ命取り。
その強みを逆手にとった占拠。
少しでも動けば隠れ場所が判って殺せる、逃げようと光を照らせば手っ取り早く殺せる。
要求を兼ねた楽しい楽しいかくれんぼ______それを今から終わりにする。落された閃光弾が、ポーンと床で跳ねた。
ドチャッバタ、カシャーン……
倒れた複数体の両手からクルクルと滑ってきた
この目の前の主犯を逃がさない。冷静に確実に左脚を狙って対40S&W弾=10mmショートを放った。後ろの倒れたお仲間みたいな弾の無駄遣いはしない______的確な狙撃__それが私の長所。
「ッーーーーーーーーーー!!!!!」
身悶える額へと銃口をグッと押し付け一瞬の威圧感を与えたら、そのまま2歩下がる。
意味は「次は本当に命を奪うぞ」だ。
「・・・・・・司令部、こちら
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