M.a.S.~マールムアーマメントシークレット~

もとはす

プロローグ_Secret Worlds

特殊保安組織Uranus-ウラヌス-

 幾世 時代の裏は【秘密】が付きもの______例えば、我が日本において警察へ届出が出された行方不明者数が、8万6千人超。

 要因は様々あれどのケースもある。

 その他とは、人類と全く同じ容姿でありながらも遺伝子上0.3%の差で高度な擬態能力を持ち生まれた『超ジン類』の犯罪に巻き込まれたという事。

 ジェミニと俗称される彼らの文化は独特で人食文化もあった・・・・・・超ジン類犯罪といえば、大概その文化へと行き着くほどに。

初めて確認された平安時代から共生社会を歩む

現在 2099年。

未だ両者の対立は濃く根深く・・・・・・今宵も深紅の制服が駆ける。




 ババババババババババババババババッ!!!!__ドカーンッッ!!!!!



 銃火器類や爆弾物が中継拠点だったビルの窓から火を噴く。指揮する短髪亜麻色の10代男子は、黒Yシャツの汚れを気にせず骨伝導ヘッドセットに手を添えた・・・・・・司令部オペレーターは次の指示を出す。


「第8広域巡視隊こういきじゅんしたいフクトミ班は駅へ直行。タナダ班と合流し次なる救出・殲滅行動を開始してください。

 総隊長そうたいちょう黑深くろみ隊員から『最終目的地の戦況はどうだ?』と」


 振り向かれた視線の先、総隊長と呼ばれた長い黒髪と下唇にホクロがある女性はマイクスイッチを押した。


「心配ないぞ、黑深。プロルムチルドレンを現場へ派遣した・・・・・・へ救出の糸口役を任せる。

お前はそっちに集中しろ」


 スイッチを切った途端、7時方向のオペレーターを急かし巨大モニター映像を切り替えさせた。「あと3分で現着予定です!」の報告にチェアへ深く沈む・・・・・・こっそり乳酸菌飲料を飲んでるのは内緒だ。



「よかったよかった間に合った〜!」



 桃色の瞳を細め安堵の表情を浮かべた彼女の真横で、同じく黒Yシャツに深紅の制服を着た近江おうみ補佐役はタブレット端末を操作し画面を見せつける。


「今回で年間の時間外勤務手当の出費率が4%アップ。これでまた、監査で政府に突かれますねぇ〜」


「フンッ! 下手に手が出せないから要請して来るくせして資金面には口うるさいもんだ。金より国民の命だろっての・・・・・・・特殊保安組織Uranusわたしたちは、

私達なりのやり方で解決を目指す!!!」




 大きく映し出された東京国際空港=羽田は、本日午後14時頃からジェミニ過激派集団による占拠下に置かれており、その場全員が人質の状態だった。

 いつぞやの摘発の一件でメンバー逮捕が相当ショックだったよう。

しかしまぁ、特別拘置所に収監された首謀者の保釈を求めてこの様な行動を起こすか。

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