14話
『ふん』
『ね、ねぇ、姫様?そこまで拗ねなくても…』
『………ふん』
時はさかのぼり―
『暇じゃし何かゲームでもせんか二人とも』
『何をするんですか?』
『しりとりじゃ』
『『えぇ……』』
神様、僕、リーンの順番でやり始めたのだがリーンが特定の文字でしか返さなかったために神様が拗ねたのだ。
『リーンだけじゃなくて主にもいじめられた気がするのぉ…しくしくしくしく』
『……めんどくs』
『ああああああ今絶対めんどくさいって思った!うわあああああああああああん』
『姫様ってこんなキャラだっけ。あと今のはお前が悪い』
『いや…まぁ…なんか、知れば知るほど子供っぽいというか…』
『私は神様じゃぞ…もっと讃えよ…』
『『………』』
『なんで二人ともだんまりなんじゃ!?』
『神様、幼児退行しすぎでは…』
『キャラおかしくなってますよ姫様』
『そんなの知らん!もういいもん!』
と、今に至る。
前途多難ですね。
ちなみにしりとりをしている間は寝たふりをしているので師匠にはあまり怪しまれることはなかった。はず。
天気が良かったので木陰になっている場所で一休みした。
お茶とお菓子を差し出されたときは二人が羨ましそうにしてたっけ。
そんな呑気に過ごしていた昼下がり、何かの遠吠えが聞こえた。
おそらくオオカミ系だろう。師匠にどうするのか聞こうとしたが顔が青ざめていた。
「君は視えないと思うんだけどさ。女の子が崖から落ちそうなんだけど、その後ろにいるオオカミがおかしいの。って…あまずい、ちょっと行ってくる、待っていてくれ!ライトニング!!」
自分の体が震えようと人の命が最優先の師匠、本当に尊敬する。
そして【ライトニング】という魔法であっという間に行ってしまった。
『ライトニング、ねぇ。どうじゃ主。仕組み、わかったか?』
「一瞬すぎて何も…」
『今のは視えないが正解じゃ。この時代にも詠唱無しで魔法が使える人間がおるのか。お主、意外とやばいやつに弟子入りしとるな?』
「あはは…」
『答えから言おう。ライトニング、なんて言われたら雷を思い浮かべるかもしれないが―あれは火と風の融合魔法じゃな。足場に火の魔法で爆発を起こす。そして風魔法で自身の空気抵抗を減らしつつ、自身の身を守るためのクッション的な魔法も備わっとる。ちなみにこれぐらいならお主にもできるはずじゃぞ』
「師匠は三つの魔法をあの速度で詠唱無しに…それを僕にできるんですか?あと神様はあの魔物、なにか知ってませんか?」
『魔法の方はあとで説明するとして、あれは地獄のオオカミじゃな。普通の魔物ではない。こちらでは
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