7話
「僕は生まれつき視える体質でね。君が運ばれてきたときと今の君を比べるとまるで別人なんだ。それも四日目が過ぎたときから。意識を失っている間に何があった?」
先生の顔が険しくなって、鋭い目つきで僕を射る。
正直あれを話していいのかがわからない。どうしたものかと考えていると―
「あ、ごめんごめん。僕としたことが結界を張るのを忘れていた。…ふむ、これでよし。さ、これで外部に音はいかない。完全に僕と君だけの秘密になる。安心してくれ、仮にも僕は医者だ。秘密ぐらい守るさ」
『ふむ。及第点かの』
「「えっ」」
突然何もないとこから名も無き神の声が聞こえた。
『防音結界を張っていなかったら完全に
「アナタは…」
『私は名も無き神。なるほど視える体質か。実に面白い』
「僕はカヴェールだ…一つ聞いてもいいかな。君は何だ」
『名も無き神』
「違う、そういうことを言っているんじゃない。神という存在なのはわかったが…本来、名も無い神は信仰が無くなり消えるはずだが?」
『ほう…視えるだけでなく知識もあるのか。主の周りには面白い人間が集まるの。あれか?類は友を呼ぶ、というやつか。ははは』
「答えてくれ」
『そうがっつくな。はぁ…防音結界もあることだし本当のことを話そう。こんなところでバラしたくはなかったがの。――私は魔法を創りし者。原初魔法使い。』
先生は絶句した。ちなみに僕はついていけていない。
「…冗談はよしてくれ。魔法が創られたなんて、今ある情報でさえ千年以上前の話だぞ!? というか、仮に魔法を創ったとしても今ここに存在している答えが返ってきていない!」
『うーむ。これだけじゃわからぬか。…私が魔法を創ったあと、今もいるであろう
「じゃあ今魔法が使えるのは」
『私のおかげじゃな。でもって私はしばらく消えない。主が契約してくれたからの』
「契約…か。なるほど、納得した。どうりで」
『驚かせたかの?』
「そりゃもう。だって…」
バケモノに近いんだから。
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