第77話 追及される

 歩行者天国を観て歩く、カップルが多い、ここは男1人で歩くところじゃないかぁ、俺には陽子がいる、心の支え半端ねぇ、こんなところに来て彼女がいなかったら、女性と歩いている男を斬っているかもしれない。

 すっかり遅くなった帰り道、愛車ドレイクで走っていると、明倫高校の制服をきた女子たちが男に絡まれていた。


 単車の収音マイクON, 操作することにより、必要な音だけを拾える、まぁナンパだ。

 俺はナンパした経験が無い、勇気ないし、一回ぐらいは挑戦してみたい気持ちはある、見習いたいところはあるけど、マジで嫌がっているのに、これ以上は良くない。


「 おぃ、おまえら、消えろ 」

「 なんだぁ 」

 メットを脱ぐ、「 同じ学校だ 」

「 ちょっと顔かせ 」やっぱりこうなるのか。


 ビルとビルの間にある、路地、7人のチャライ兄ちゃんたちが、地面とキスして、お腹を押さえてのたうちまわっている。


「 神々廻さんですよねぇ 」

「 あぁ 」


 女の子達は塾の帰りらしい、駅のまで送っていく

 ドレイクを停めて、女子達と歩いて駅まで

「 じゃぁな 」


 いつもの通り昼休み、裏庭のベンチでお弁当、校庭の芝もなかなかよかったぞ


「 風でスカートがめくれるから 」ギク。


「 俺じゃないぞ 」

「 観たんでしょ、猟君が喜ぶから、一生懸命にするのよ 」

 冷や汗びっしょり何故だぁ。


 いつの間にか、俺の周りは女子だらけ、「 昨日はありがとうございました 」 手にはクッキーとか、小物とか、などなど、一杯。 置き場がないぜ。


 陽子の頬が風船みたいに、突っついたら弾けるかも。

 俺は後ろめたい事は何一つしてない、していない、していない、心の中でお経を繰り返すはめに。


「 どうして一人でそんな所をうろついていたのよ 」

「 私を誘うべきじゃないかしら 」

「 いや、あの、その・・・・ 」

 陽子に何がちっこいから、魔女に会いに行っていたなんて言えるわけがねぇ。

「 眼が泳いでいるのよ、後ろめたい事があるのね! 」

 昼休みのチャイムがなるまで追求された。


 お昼のお弁当タイムで、精神力回復のはずが、使い切って教室に戻ると


「 神々廻ぁーーーーっ! 」「 きっさまぁーーーっ! こんどというこんどわーーーーっ! 」

「 後輩の女子達に見境なく手をだすなんてぇーーっ! ゆるさんぞぉーーーっ! 」

 喚く奴らがいた。


「 ほしい? 」「 うん、うん、うん、うん 」クッキーが入った袋につられて歩く、犬かぁ。

「 くぅーーーっ 女子高生の手作りクッキーだぜぇーーっ! 生きててえかったぁ 」

「 人としてどうなんなのよぉーーーっ! 」女子が激しく反応していた。


 ホームルームが終わり、カバンを持って廊下に出る、ガシーーッ 


「 あの、陽子さんどうかしました 」


 何故かカッターナイフを手にした女子が周りに 


「 ちがーーぅ 話を聞いてなかったの、殺すのよ、殺す! 」

「 神々廻ぁ、陽子になにか言う事ないのぉーーーっ! 」

「 俺を信じろ 」

「 はぃ 」


「 こらぁーーーっ! 信じるなぁーーっ! 」

「 はぁ、はぁ、はぁ 」叫び過ぎて息切れしている。

「 帰るぞ 」


 陽子は俺の腕に両手を絡ませている、ポニュポニュの感触を楽しんでいるのであります。

 プルプル震えながら睨みつけて来る男ども。

「 もう高三だぞ、惰眠をむさぼってないで、彼女と楽しくやれよ! 」


「 うがぁーーーーっ! 」

「 誰のせいだぁ! 貴様の事を考えるだけで、受験勉強だっててにつかないんだぞぉーーーっ! 」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る