第58話 遠方で鬼出現

 鬼の出現を知らせるアラーム、出動要請は入ってない、ここから約3時間の距離、近くに鬼斬はいない、超犯罪科の鬼斬が緊急出動している。


 廃村になって11年、人は住んでいない、荒れ果てた神社に、バイクツアーの若者が入り、中を物色、封印を解いた形跡がある。


 バイクツアーの方から、悲鳴に近い助けを求める連絡が入ってようだが、かなり厳しい状況だろう。


「 どうする、無駄足になるかもしれないけど、行くだけ行ってみるか 」


 愛車ドレイクで風を感じたい年頃なのですよ。


 メットのバイザーにナビ情報、ふと気づいた、旧街道があったような、体の記憶である、祖父達と山に、山菜集めをした事がある、ナビの道路サーチにオフロードを追加、山を迂回せずに超える道が、1時間は短縮できる、ハンドルを山のほうに切る


「 オフロードモードにチェンジ 」


 口でいうだけで反応する、“ 自動運転モード、起動 ” 峠のグネグネ、慣れない単車でさほど運転がうまいわけではないので、単車の機能だより。


 道が急に細くなる、単車1台なら通れる、車だと通れないような細い道、所どころにひび割れ、大きな石が転げている、単車が勝手に速度も落とさずヒョイヒョイ避けて走る、乗っいるだけで涙がチョチョ切れそう、30分ほど走ると、舗装路がなくなり、山道、振り落とされないようにしがみつくだけで半泣き、とうとう道がなくなった、なんなんだこの単車、ガンガン走る。


 道なき道というか、植林された木々の間を爆走するはめに、頂上を超えた所で、休憩、体が持たない。


 スポーツドリンクがぶ飲み。 


「 つかれたぁ 」


 周囲に誰もいないので、スピーカーに、超犯罪科の鬼斬達、ヤバイ雰囲気、6m 級が1匹いるようだ、戦線から怪我で二人離脱、5m 級1匹、4m 級5匹、3m級8匹、なりふり構わず、応援を要請している。

 250年ほど前に8mサイズの鬼が確認されたという記録が残っているが、超犯罪課が対応した最大級は7m、6mともなれば相当でかい、強さも半端ねぇはずだ。


 知らない名前を叫んで応援要請、おそらく鬼斬りの人達だろう。


「 紅桜! 」片手に刀を握りしめ、道なき道を爆走、単車は全自動、刀を持って単車に乗って戦える仕様、紅桜の結界が俺と単車を包み、ガンガン進んでも、しがみつかなくても乗っていられる。


「 神々廻です、後30分で合流できます 」


「 応援ありがとう、そちらに方向に移動している鬼がいます、各個撃破でお願いします 」


 出現した鬼全部が鬼斬と殺し合いしているわけではない、勝手な方向に進んでいる奴もいる、こっちに向かってきているのが2匹。


 ドローンが鬼を追尾しており、情報が表示される、待ち伏せして殺す。


 単車から降りて、二振りの刀を手に、気配を消して木々の間に身を潜める、待つこと15分、鬼が来た、通り過ぎる瞬間、延髄に向かって一閃、まずは1匹。

 場所を変え待ち伏せる。 


 気づかれたのか、隠れている俺に咆哮しながら向かってくる。「 はっ! 」斬撃を飛ばす。

 胸や、腕から血が飛び散る、浅い、俺を見つけてさらに速度が上がる。


 走りながら拳を突き出す、右に飛びながら斬る、わずかな手ごたえ、鋼のような筋肉に刀を突き立てところで、少し斬れるだけだ。


 木を引き抜いて、振り回そうとして、他の木に引っかかった、馬鹿で助かった。万歳状態の鬼、股にプラプラしているのが斬りやすそうだが、斬ったら枝垂桜と紅桜が汚れてしまう、足元に滑り込み、アキレス腱を切断。


 倒れて暴れまわぅているが、頭部のほうに回り込み、頭に枝垂桜を振り下ろす。


「 3m 級と4m 級 2匹盗伐、次を狙います 」


 俺から一番近い場所にいる鬼を指示が入る、仕掛けはわからないが、鬼斬一人に一人のオペレータが付き、サポートしてくれている。


「 3m 級が 1匹が比較的近くにいます、尾根を下った方向に移動しています 」


 3匹倒した所で戦闘は終了、3匹逃がにげて、見失っている、逃げた方向はわかっているので、自衛隊が封鎖するように動きだしている。


 次々と入ってくる情報を聞きながら、指示された合流地点に、単車ドレイクのオフロード性能半端ねぇ、トランスフォーマーの単車くらい性能、軍事機密扱いのテクノジーってどこまで進んでいるのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る