第53話 妖怪さんのお礼

 英語の授業中、背が高く必要以上に出る所、引っ込む所のメリハリがきいた体の、セルビア人英語教師が、ガンガンの巻き舌発音で、教科書を読みながら、机の間を練り歩いている、巻き舌なので何を言っているのかさっぱりわからねぇ、練り歩くのに合わせてわずかに揺れる巨乳をガン観、見過ぎて眼が回った事さえある。


男どもは、教科書を見ないで、巨乳をガン観、まったくもって情けない奴らだ。


ふと、窓の外をみると、3つ目のカラス、目が合った。

カラスは俺に合図したような気がした。


 空を旋回、英語教師が教科書を読みながら俺の机の真横に来た瞬間、窓ガラスをすり抜け教室に、床スレスレ飛行で英語教師の足元に、急上昇をかましやがった。


「 きやーーーっ! 」スカートが顔にかかるほどにめくりあがった。

赤茶色の芝生、紐のようなパンティから、おへそのほうに、股の付け根3カ所からメッチャはみでていた、ごっつあんです。


窓の外を飛んでいる、思わず腕を突き出す、Good Job 。


俺の席より後ろにいた、野郎ども、鼻血を吹き出している。


英語教師に睨みつけられているのですが

「 先生、神々廻君ですが、両手で本を持っていましたし、窓の外を観ていました 」


Good Jobだぜ藤枝、俺の横に座っている。


別の意味で、授業中外を観ていた事に小言を言われた。

そう、誰もめくってはいないのだ。

 3つ目のカラスが見える人間はここにはいない。


次に怪しい後ろの席の栗林は鼻血ブーで目がイッテしまっている。


「 はみ出ていたのかぁーーーーっ、どれくらいはみ出ていた、どんな色だったぁーーっ、どんな下着だったぁーーっ! 見た事すべて詳細のおしえろぉーーーっ! 」

発狂しまくり、巨乳だけをガン観していて見逃した野郎ども。


英語教師ミス、マクレガー、アホ野郎たちの喚き声に激しく反応、教室はカオス状態、本田や松村は、丸めた教科書でたたかれているのに、嬉しそうな顔、周りは ド 変態だらけだ。


結局、誰もめくっていないような? クラスの奴らは怪奇現象だと騒ぎだした。


藤枝がニヤリ

「 大槻さんに、眼の玉が落ちそうなほど見開いて、顔を突き出していたって、報告しなきゃね 」


「 なっ! 」


「 お、お、俺は興味なんかねぇ 」


「 覚悟しなさい 」


俺は本物の殺し屋、精神年齢だって別物のはず、どうしてビビっているのだろう。

ホームルームが終わったら、掃除せずに、ボディーガードのバイトに直行しよう。


後ろの席から大きな音、後ろに座っている栗林が、鼻血をぶちまけていた、なんて情けない奴、無視していたら、鼻血が止まっておらず、倒れてしまった。


「 しゃぁねぇ 」俺は一応1年6君の保険委員なのである。

激戦を勝ち抜いてというより、ガンつけまくって他の希望者からGetしたわけだ、理由はもちろん、保険医の先生、若くて美人だからである。


栗林に肩をかして立ち上がらせる、「 先生保健室に連れていきます 」

女子の保険委員の大場 美玖ちゃんも、少し離れて後ろから付いてきている、何がしたいのかわからないが、責任感だけは少しはあるようだ。


大場さんは、クラスで一番背が低く、瘦せていて、メリハリ皆無、寸胴、可愛らしい顔をしているが、俺の触手は1mmも動かない、つまり不満、保険医の先生はGood 、相棒はもう少し、そのなんだ、JKらしい体つきであってほしかった。


保健室の前、「 ドア 開けるね 」

「 きゃぁーーーっ! 」大場の悲鳴である。

顔を両手で抑えているが、しっかり指は広げ両目の部分はカバーしていない、目線の先。


「 なぁっ! 」


学生ズボンのベルトのバックルを押し上げている、牛乳瓶が入っているような盛り上がり。


呆然と佇んでしまう。

ドアがいきよい良く開き、保険医の幸田先生が飛び出て来た。


大場さんは、栗林の股を指さしている、憧れの幸田先生、眼をカットひらいてガン観。

「 ふん 」 嘘だろう、幸田先生鼻で笑った。


栗林は両方の鼻に、これでもかと、綿を詰め込まれている。

大場さんが、ミス・マクレガー先生のパンチラ事件について説明中。


「 純情な栗林君とむっつりスケベな神々廻君ね 」

「 なぁーーーっ! 」事実であるが、幸田保険医にだけは知られたくなかったのに。


栗林の処置が終わると、栗林だけでなく、俺までも保健室から追い出された。

仕方ないので、中庭のベンチに栗林を捨てて、教室にもどる。

一秒たりとも、こんな奴と一緒にいたくない、垣田も栗林も、絶対に友達になりたくない。


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