第48話 妖刀の除霊
夏休みになったとたん、尼寺で完璧に依頼をこなしたのだが、精神的に多々ダメージを受け、部屋しかもベッドの上でゴロゴロ、最高の祝福を満喫しているわけだ。
祝日なのでお袋も休み、つまりボディーガードのバイトも無い。
本田や松村、陽子にも用事があると連絡済み、窓から入って来る夏の暑そうな日差しの中で、うとうと、外は熱くても部屋の中はエアコンで快適である。
スマホを手にとると、そびえる自動販売機に行く予定の確認、憑き喪の祓いの儀のバイト、プールや海に行くお誘いなどをチェック、超犯罪課からのメールは無視、鬼が出ていなければ付き合う義務はねぇ。
海とプールに行く条件。。。陽子を連れてくること、誰が連れていくかぁ!
俺だって霊気を通してあらゆる所を知っているけど、肉眼で見てはいない、俺のクラスメートはこんな奴ばっかりだ。
やっぱ陽子の水着を確認が最優先だな。
服部さんから、連絡が入った、古美術展で深夜担当の警備員が、展示品の刀を振り回して暴れ出したという内容だ。
「 おそらく妖刀、取り付かれたのよ 」
ドレイクにまたがるだけで、服部さんの場所を確認できる、ナビに従って急行するだけである。
美術展会場は、警察により封鎖されていた。
ライセンスを見せて中にはいる、忍者がいた。 どっからどうみても忍者のコスプレ、周りから浮き過ぎていると思う。
「 遅くなりました 」
木刀を渡される。
「 相手は妖刀、鬼斬が刃こぼれするかもしれないからできるだけ使わないで 」
「 男の手から離すか、へし折るしか手はないわ 」
監視カメラのモニターで様子を観察、対応を検討、警備員の恰好で刀を持った男は、涎を垂らし、糞尿もタラシ、薄ら笑い、眼が死んだ魚のように、 フラフラ、よろよろと館内を歩いている、 同僚の警備が4人、斬られて重傷。
小さな子供、顔は鬼が何匹か館内を走り回っているようだ。
「 妖刀の妖気に誘われて、餓鬼まででてきたようね、餓鬼は私に任せて 」
鬼と違い、餓鬼は他の人には観えていないようだ、存在そのものが稀有。
そのことなど、どうでもよい、身長50cm くらいしかないのに、俺よりおっきい物を股にぶら下げていた、万死に値する!
「 俺も餓鬼を狩る! 」
「 先に餓鬼を狩りましょう 」
「 ちょっ、待ってぇ 」
妖刀に取り憑かれた警備員、人が近づくと襲ってくる。
この場合警備員を攻撃しても無駄、意識を乗っ取られているだけ、妖刀が達人に使用されていた場合、太刀筋は達人と同じ、不用意に近づくと斬られる。
取り憑かれた警備員がいない場所で餓鬼狩り。
軽く鬼切を振るだけで、消滅させることができた。
警備員がいるブースに。
「 俺が、相手をします、服部さんは、隙をみて、刀を折るか手首を狙ってください 」
警備員がいる部屋にはいると俊足で近づき、振り下ろしてきた、剣道や古武術で動きを知らなかったら斬られていたと思う、無意識に体が反応、距離を取る、問答無用で斬り込んでくる。
刀が揺らいで見える、瘴気が巻き付いているのだ。
木刀が、わずか3ふりで、柄しか残ってない。
「 来ないでください! 」
服部さんを押しとどめる、技量はわからないが、こいつは使い手である。
3回の斬撃で分かったことがある、鬼斬からしてみれば、なまくら、妖刀事斬れる。
「 枝垂桜 」抜刀一閃 キン かん高い音が一回、妖刀は中ほどから、半分に。
崩れるように倒れる警備員。
「 うそでしょ、刀を斬ったの 」
服部さんの忍者装束、完全武装って感じ、顔は眼しか出てない、鼻も口もマスクでわからない、つまりどんな顔なのか、声もマスクでくもっているしさっぱり。
会うのは2回目今回もどんな顔なのかさえわからなかった。
背は平均的な女性、お尻大きいと予想、お乳はわからん。
警視庁の超犯罪課の関係者が到着。
ミニスカポリスもいる、警察官なのに、股下擦れ擦れのスカート履いていいのだろうか、太腿や健康的な足がたまらんぜ、健全な男子高校生には目の毒である、俺の精神年齢は35歳、普通の15歳なら犯罪に走るのではないだろうか。
妖刀にお札を巻き付ける作業をしゃがんで、警察官なのに、Tバック、メッチャえぇーーっ! 思わずガン観していたら、服部さんに顔をつかまれ横を向かされた。
「 はぁ~っ、スケベ変態高校生 」
ち、違う、ここで見なかったら男がすたる、見せている婦人警官が悪いのだ。
同行している男の警察官、注意するどころか、鼻の下30cm ほど伸ばして、ガン観、なんて情けない奴らだ。
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