第47話 大槻神社のお留守番

「 さすが神々廻君ね、陽子これ、霊光寺で憑き喪はらったって、どうやら妖怪が取り憑いていたみたいね 」


「 霊光寺でやっている退魔行なんて、神々廻君に比べれば子供だましだって 」


「 すごいねぇ神々廻君 」


陽子は超ご機嫌、母親も、二人で霊光寺からのメールをガン観。


「 なにこれ、写真欲しい、メアド教えてほしい、一緒に食事を、退魔行についてお話したい。。。。。 」

「 陽子落ち着きなさい、落ち着くのよ 」

「 お母さん! だから私も一緒に行くっていったのよぉーーーーっ! 」

「 陽子! 内は神社よ、お寺の僧になんか負けてはだめよ 」


ホテルを予約してもらうのに、お袋にTEL、電話に出たのは北沢さんだった


「 猟です、母はいますか 」

「 猟君、早く帰ってきて、先生猟君がいないから、もうボロボロ、たまっているのに仕事しないのよ 」


「 はぁーーっ! 」


「 猟君にも責任あるのよ、離婚した寂しい女に、ぴったりと寄り添うから、子離れできなくなってしまったのよ 」


「 とにかく早くかえってきて 」


北沢は仮眠室に様子見、仕事が手に付かなくなり、ゴロゴロしているだけ、息子が仕事で遠出をしたとたんに、こうなった、これで女傑とか言われているのが不思議。


「 猟君から、TELがありましたよ 」


飛び跳ねるように起き上がった


「 もう切れましたけど 」

「 先生床に寝ないでください。 」

「 ビジネスホテルを予約してほしいとのことでしたので、対応済です 」


「 ずいぶん遅れているじゃない、今日は徹夜覚悟で頑張ってね 」


息子は開いた机で、夏休みの課題に取り組み中、急変、遅れている原因はもちろん、子離れできない人が1名いたからだ。


大槻神社、陽子のお母さんに、霊光寺の退魔業の報告に、戻ってきてから速攻で顔を出す、陽子に会う口実でもある。


 大槻神社の境内手間の長い階段下、ガシーって陽子に捕まれた。


「 信じられない、私がいないとおもって、尼僧をナンパしまくるなんて 」


身に覚えはまったくないけど、その迫力ビビった、前世では本物の殺し屋なのだぞ?

なんの役にもたっていない気がする。


「 そ、そ、そん、そん、な、わけ、わけ、ああるか、お、お、俺は、退魔行しただけだぁ、あ、ぁ 」


いいわけじゃなくて、説明にも失敗、何故、無実であるのに、堂々としてられないのだろう、これでは肯定しているような気がしてならない。


陽子のお母さんの紹介だったので、その報告に来ただけなのに、大槻神社のメンバーが何故か全員集まっている、陽子を含め巫女さん達、顔は笑顔なのに、眼が笑っていない。


お、落ち着け、冷静になれ、俺は悪い事はしていない、背中から冷や汗はんぱねぇ。


無事、西村さんに取り憑いていた、おそらく蛇の妖怪を駆除したことを報告。


「 霊光院様からも、神々廻君を紹介したお礼があったわ 」

「 これから、色々と御一緒させて欲しいそうよ 」

何故か冷や汗が。。。


「 神々廻君、大槻の家系は異常なくらい、焼きもち焼きだから、んっ、んっ、心しておいたほうが良いよ 」


「 お父さん! 」

「 貴男、だまらっしゃい! 」


頼まれた依頼を完了させただけなのに。

大槻家の女は焼きもち焼き、陽子の様子からマジかも、えへへへ、陽子が俺に焼きもちかぁ、顔が緩みそうだ。


直ぐにお暇したかったのに、昼飯を一緒に、飯の味がしねぇ。

どうしてだぁーーっ! 俺は真面目に仕事をしていただけなのに、世間の世知辛さが目に沁みるぜぇ。

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