第38話 道の駅に鬼

 登校して教室に、虐められていた奴がいた、おはようとか言ってくる。


同じクラスだったのか、名前は、、わからん、友達になれるとは思えんわ。


 授業中、校長先生から呼び出し、校長室に行くと、受話器を渡される、超犯罪科からのTELだった、校則で授業中は、電源を切ってカバンの中に入れる事になっている。

駅にすると二駅ほど、道の駅に鬼が出た、俺が一番近くにいるらしい、車を回すから、鬼の注意だけでも引いてほしい、超犯罪科の鬼斬の到着をまっていたら、どれだけの被害がでるのかわからない。


 外に出ると、覆面パトが猛スピードで目の前に停車、乗り込む。


覆面パトに乗ると、詳しく話があった、無理に戦う事はない、注意を引いて時間稼ぎ、戦うのは超犯罪科の鬼斬さん達、自分の安全第一で行動するよう指示。


 30分ほどで現場に、サイレン鳴らすと、車が避けて道があく。


大破した車、血塗れで倒れている人たち、ドライブインの中をのぞくと鬼は3匹、人を貪りくっていた。


観たとたん、ブチ切れた、人間で食事、遊び半分に食い散らかしている。

「 枝垂桜! 紅桜! 」二振りの刀を手に、鬼に突っ込んでいた。

鬼は人を食うのに夢中になっていて、気づいていない、1匹、首の所の動脈切断、血が吹き上がる、もう一匹、手首を斬り落とし、延髄を切断。


3匹メは、攻撃体制を整えられてしまった。


「 後ろから来ます! 」

「 右に避けて! 」


 蹴りが飛んできた、紅桜で受け流す、体を入れ替えて、拳が、無茶苦茶な攻撃だが早い、 枝垂桜で拳に斬りつける、肘の所まで刀は斬れこんだが、鬼は拳が二つに避けるのも構わず、腕を突き出してくる。


このままでは、鬼の拳を避けられない、紅桜で攻撃を受ける、受け止めた拳の衝撃、少し遅れて、腕と胸にドーンとした衝撃波、体が宙に浮きあがり、建物の中までぶっ飛ばされた、刀の結界が体を守っているのがわかった、怪我はない、鬼が纏う妖気と同じ、眼に見えない鎧が体の周りにある。


鬼が突っ込んでくる、柱がへし折れ、天井が落ちてくる、建物から飛び出る。


鬼の足が物凄い勢いで迫ってくる、枝垂桜と紅桜両方で刀をクロスするように、蹴りを受ける、猛烈な力で足が地面から離れた、駐車場のアスファルトの上を、ボールのように転がり、飛び羽ね、トラックにぶつかりやっと止まった。


刀で素手の攻撃を受け止めているのだ、無傷なわけがない、片腕と片足が使い物にならなくなり満身創痍の鬼、眼はギラツキ、怒り狂っている、痛みや恐怖を感じないのか


「 でぇやーーーっ! 」


 鬼に向かって走る、無傷な拳を突き出してきた、紅桜で軌道をそらし、枝垂桜で首筋の動脈を斬る、血が噴水のように飛び散る、ゆっくりと倒れた。


鬼の股には、ビール瓶くらいの不気味な物がぶら下がっていた。 


「 なっ! 」


無意識に手を合わせそうに、拝みそうになるほど立派、神サイズ、なんとか踏みとどまる、拝んだら負けを認めてしまう気がした、俺は人間、鬼と比べたりしない。


落ち葉が風に舞い上がるように、体が分解して消えていく。


学生服は、服の役目を果たさず、ボロボロになっていた、トランクスは無事だったのでほっとした、神様みたいなのと比べられたら外を歩けなくなるところだった。


周りを見渡す道の駅は、映画のシーンように死体の山、壊れた建物、ひしゃげた車。


鬼を斬ったことより、無性に悔しさがこみあげてくる、それから25分後に超犯罪科の鬼斬が到着した。


 指揮車両とでもいうのか、コンソールと液晶パネルだらけの車の中、数人女性があわただしく、指示をだしているのを、ボーと眺めながら、熱いコーヒーを手にしている。

映画と違うところは、オペレータが美女とは言えない、おっさんも交じっているって所かも。


「 大丈夫ですか 」毛布をかけてもらった「 多くの人が亡くなられて、それがショックです 」


「 そう、道の駅に残っていた50人以上の人を助けたのも事実ですよ 」


 覆面パトカーで自宅に向かっている、

「 すみません、行先変えても構いませんか 」


天然理心流道場へ向かってもらった。


師匠と無性に話がしたくなった。


「 そう、神々廻君は、古武術の道場に 」超犯罪科3課のオフィスである。

「 ボス 一部監視カメラに映像が残っていました 」

「 鬼2匹、3m級瞬殺、なんて戦闘力なの 」

「 残り1匹、なんなのこの鬼 」

「 ボス、3本角ですよ 」

「 そこ止めて、巻き戻して、スローで再生 」

「 冗談じゃないわ、3本角の鬼を単独で倒すなんて、私達を含めても最強じゃないの 」

「 鬼斬全員本部に集合 」

「 天然理心流道場、師範代は白州正則、道場の経営者、鬼斬が折れて引退していますが、20年以上のベテランです 」


「 いるのよねぇ、どこかにとんでもない力のある鬼斬が、まだまだ日本には 」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る