第33話 大槻神社
大槻神社での夕食、女性陣堂々と3人の男性縮こまり、恐怖に飲み込まれ、大泣き、お漏らし腰も抜けた、男としての矜持に関係していたりする。
「 神々廻君って、鬼斬の中でも特別に強いらしいわよ、鬼獣も、ほとんど一人で倒したし、栗田公園では、ついこの前5m級と3級の鬼を単独で斬って、超犯罪科の二人の鬼斬の命を救ったのだって 」大槻神社 巫女さん情報網はすごいようだ。
「 家の憑き喪祓いの儀を手伝ってもらえるのなんて、超ラッキーよねぇ 」
気を良くした陽子が、霊力を教えて欲しいと頼んだ事を話す。
「 そ、それはずうずうしくない 」
「 断られた 」
「 あたりまえね 」
「 まず、初めに私の霊気の流れを調べて観ない事には、教えようがない、霊気の流れを読むためには、直接触らないとできないから、ダメだって 」
「 さすが、鬼斬ね、霊気の流れが読めるなんて 」
「 そうなんだぁ 」
「 私、おねがいしようかなぁ 」
「 私も、好きなだけお触りしてください! なんて 」「 なっ! 」陽子は立ち上がっていた。
「 勝負下着よねぇ 」
「 脱がなきゃいけないかも 」
「 ムダ毛の手入れしなくちゃ 」
ゴックン、 3人の男性陣、ツバを飲み込む音が大きかった。
ギロリと睨まれ、ますます縮こまる。
「 ダメよ、猟君に教えてもらうのは私だけだからね 」
「 うわー! 猟君だってぇ 」
「 陽子に男は必要なぃ! 」
「 触らせるなど持ってのほかだ! 」
「 裸になるなど、お父さんが許さない! 」
「 うるさい 」
「 しずかに 」
「 だまっていて 」
「 しっしっ 」
大槻神社内では、社会的弱者は男性だったりする。
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魯迅坂で餓鬼の討伐
甥(おい)の坂(さか)峠(とうげ)には100年以上使われなくなった旧街道が残っている、その峠の頂上付近には、魯迅坂(ろじんざか)と呼ばれる急こう配の坂があり、坂を上りきったところで道が途切れている。
次の新月の日に、魯迅坂が異界と繋がると星観の能力者が予言した。
( 星観とは、星や月の動きを読む能力者の総称である )
異界と繋がると、魑魅魍魎が出て来る、その対策として大規模な討伐作戦が実施される。
作戦指揮をとっているのは、超犯罪課の魔道であるが、鬼退治専門の3課ではなく、魑魅魍魎全般に対処する2課である、ちなみに1課は、異能力者を取り締まる。
2課の一般的な駆除方法は、御神木の枝から切り出された、魔滅混(まめつこん)といわれる棍棒で、魑魅魍魎を殴りまくるという方法で撲滅させる方法を取っている。
霊を観る事ができる、霊能力者が魔滅混を持って魯迅坂の起点に集合。
大槻神社からも、5人の退魔巫女+初参加で陽子も来ていた。
他には、霊光寺の退魔層、紅薔薇修道院からエクソシスト、超犯罪課2課、それに個人営業している退魔師など、総勢50人ほどが集まっていた。
陽子が神々廻に声をかけなかった理由は二つ、魑魅魍魎の討伐に普通鬼斬りは参加しない、それと90%集まった退魔師は女性だからである。
一般的に女性は卵巣で霊気を精製し子宮に蓄えられ、全身を駆け巡る、男の場合は睾丸で生成し竿から駄々洩れ、霊が観えて怖がる、霊力の影響で祖チン、端的にいうと、霊能力者の世界では、男は使えないというのが、常識である。
そのため、男の霊能力者しかも鬼斬りともなると、天然記念物ほど珍しく、より強い子孫を残そうと、霊能力を持った女が群がる傾向となっている。
「 陽子神々廻君は知らないのよね 」大きくうなずく
「 こんなところに連れてきたら、メス豚の群れに放り込むような事になるから 」
大きくうなずく巫女さん連合。
そんな話をしていると、「 皆さん準備はよろしいでしょうか、そろそろ異界とつながります 」
モヤモヤとした、煙のような喪のが、坂から下りて来る。
「 ヤァー 」「 トォー 」「 この野郎 」「 さっさと成仏しやがれぇーーっ! 」「 死ね、死ね、死ね 」などという、掛け声がそこら中から聞こえてくる。
初参加の陽子は魔滅混を振り回しながら、強く感じた、ダサすぎると。
「 きゃぁーーーっ! 」
「 嘘でしょう、餓鬼がいるわぁ! 」
「 餓鬼1匹に4人以上で囲んで、なぶり殺しにしてください!」
はぁ、はぁ、ゼイゼイ、息切れしている退魔師達、しかしその顔は、日頃の恨みをすべて吐き出したように、薄ら笑いをしていた。
「 10% ほど取り逃がしましたが、結果としては大成功です、皆さまありがとうございます 」
魯迅坂での魑魅魍魎討伐作戦は、怪我人こそ出たが死者なしという結果となった。
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