第32話 神々廻について
超犯罪科3課の会議室。
議題は神々廻 猟について、 二振りの鬼斬、剣精は人型、これまで知られている鬼斬の刀は一振りのみ、剣精は動物系統というのが常識。
「 異常すぎるわ 」
「 高校1年で、けた違いの戦闘力、戦い方、剣の使い方は超一流、すさまじい修練を積んでいる 」
「 異常だわ 」
「 それから、真田と福島やってくれたわね、知らない鬼斬への対応は、最新の注意と敬意をもって対応が義務。 」
「 栗田公園で、何故彼が逃げたのか聞いたわ、彼は高校1年生なのよ、全裸で刀を持った女性に、いきなり追いかけられたら、普通逃げると思いますよって返された 」
「 ぶっ 」
「 変態女が二人も所属している組織、良い印象じゃないってことだけは確かね 」
「 責任をもって、悪い印象、何とかしなさいよ 」
「 鬼が人を襲っていたのですよ、駆けつけるのが精いっぱい着替えている余裕なんてありませんでした。 」
「 くっくくくくく 」壺にはまったのか、笑うのをこらえられない男がいた、机をたたきながら、こらえている。
「 それっ、 変質者に斬り付けられるって、俺だったらトラウマになりますよ 」
「 ぎゃははははーーーーっ! 」
コツコツコツ ゴン、大きな音、鬼斬 前田は痙攣していた。
高校、いつもの裏庭で陽子とお弁当タイム、どれほど辛い事があっても、これがあるから、学校に来ることができる。
「 神主さん達は、大丈夫か 」
「 お母さんや巫女さん達から、お礼を言って欲しいと頼まれたのよ、後できっちりとお礼するそうよ 」
「 あんな醜態さらしたら、人間辞めるしかないって、神々廻君のおかげだって 」
「 だから、神主さんや、修験者さん達は 」
「 んっ、男はいいんじゃないかって、巫女さん達が言っていたし 」
「 それでいいのだろうか 」
国有地50万へーべを100円で、民間に売り払った関係者は、国会質疑にて、吊し上げ、報道関係、世論でも、追及をうやむやに、悪霊を操る犯罪組織の影がちらつく。
今日もいつもの裏庭で陽子とお弁当、高校生活を満喫している。
「 陽子に霊力の使い方うんぬんの話だけれど、まず手始めに、霊気の流れを知る必要があると思う、で、俺には無理 」
陽子はカックてなっている。
「 どうして 」
「 何度も試したけど、霊気の流れを観るためには、直接触らないとダメだった、服の上からだとわからかった 」
「 だから 」
「 だからって、手のひら触って、ハイ、わかりましたってなるわけないだろう 」
何故だ、何故に、ドキドキ、顔が熱くなる。
「 ふーーん 」「 ふーんってなんだ 」
「 お医者さんごっこするつもり 」
「 なっ! 」動揺しているのが自分でもわかる、俺は本物の殺し屋精神年齢だって別物、相手はJKなのだぞ、‘落ち着けぇーーっ!‘心の中で唱える。
動揺しまくり、貴重なおかずが、箸から、ポロリ、心がへし折れそうなほどのショック。
「 ほら、私のおかずあげるから、元気だしなさいよ 」
昼休みが終わり、机の上でもんもんと哲学、精神年齢35歳、鍛え上げた何事にも動じない、精神力があるはず、15歳のガキに手玉に取られたような気がしてならない。
「 神々廻君、神々廻君 」
「 はい 」
「 その、気に障るような事、言ったのかね、そんなつもりはなかったんだ 」
先生が意味不明な事を言いだした。
「 考え事をしていただけです、すみません 」
クラス全員から、気を緩めた、安堵の雰囲気が漂いだした。
えっ 俺って悪の雰囲気撒き散らしていたのだろうか。
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