第29話 強い霊力は成長が遅くなる?

白洲師匠から譲り受けた資料を読み始めた。

霊能力について一般的な事から、師匠が戦った鬼との戦闘内容についての資料などがそろっている。


「 まずは霊能力の基礎からだな 」


基本こそ最も重要である、前世は武道づけの日常であった、我流なんてとんでもない、基礎は重要だと身に染みている。


強大な霊能力は時の流れを遅くする、つまり寿命が長くなるらしい、仙人は千年以上生きているらしい?

まぁ、健康な体が維持できるのなら悪くわねぇ。

「 んっ! 」 思わず資料を両手でつかみ顔を近づけてしまった。


男は睾丸で霊気を精製している、その事は知っている。

強大な霊気を精製している者においては、霊力に目覚めたら直ぐに霊力の鍛錬を始める事を推奨している。

物心付いた時から、霊が見えていたような気がする、鍛錬というか、能力に気付いたのは最近、俺の体は霊を怖がっていただけだ。

直ぐに鍛錬しないと困った事にでもなるのだろうか。


何もしなかったら、睾丸で生成した霊気は、竿から駄々洩れ、構造状体の外にあるので、体の中に取り込むことなく、無駄に駄々洩れしている。

つまり、体は霊能力の影響をまったく受けずに成長し、睾丸と竿は時が止まった状態のように、成長が緩やかになる。


お袋が言っていた、小学生の頃からかわってないのねって、物心ついた時には、変な喪が見えていた。。。。


「 うわぁーーーっ! おわた、かんぜんにおわた 」

高校生にもなって、小学生低学年サイズだと知られたら、どうしよう。。。

道理で、前世では、何の大きさなって、気にもならなかったわけだ、それなりだったから。。

今の俺は、メッチャちっこい。

「 くぉおおおおーーーーーっ! 」


「 紅桜は可愛いのが好きです 」

「 枝垂桜もチッコイのが好きです 」


眼がウルウルしてきた。


鬼斬りとか、霊能力とか、魑魅魍魎とかそれどころではない。


霊気を体全体に行渡らせれば、体の一部分だけの成長が遅くなることはないはず、一点集中しなければ、体全体が緩やかに成長するわけだ。

一部分だけに霊力が集中し成長が止まってしまった、ならば。。。

資料をガン観。

一部だけ成長を早くする方法は、、、書いてねぇ。。。


人殺しして転生したから、罰があたった、前世で一度も使用しなかったから、いらないと思われてしまった。

考えれば考えるほど、思い当たる。

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