第24話 デート
「 神々廻ぁ! 行くぞ! 」朝から玄関前でわめく二人。
2人は当然のように、今日も自動販売機に行くつもりだったらしい、
「 わりぃ 大槻と約束しているから 」
「 どうしたぁ、止まるなよ 」
「 うるへぇ 」 学校休むとかわめきだした。
本田と松村のせいで、今日デートだという事が、知れ渡った気がする。
朝から
「 デートだとぉ 高校生はしてはいなんだぞ、大人になってからだぞ 」
「 犯罪者だ! 」わめく奴がいる。
大槻は、車で送り迎えしてもらっていると知った、大槻神社前には、バスさえ通っていないらしい、超でかい神社でも、一般の参拝客を相手にしている神社ではない。
迎えの車は、午後7時に、大型ショッピングセンターの屋上駐車場に来る、
「 きっとお父さんがくると思う、朝から5時に迎えに行くって騒いでいたから 」
大槻神社は、大槻を含めて10人が住み込みで生活しているので、誰かが交代で送り迎えしてくれているようだ。
そのこともあり、必然的に大型ショッピングセンターに向かっている、自転車に二人乗、りね、背中に感じる二つのムニュ、復讐に囚われていて全く知らなかった、2度目の人生は最高である、自転車はいい、どんなに顔が緩んでも後ろに乗っているわけだ。
なぜか、ショッピングセンターは明倫高校の男子で溢れている気がする。
オープンスペース喫茶のテーブルに、指すような視線を感じて、振り向くと、吹き抜けの別の階に本田と松村を含め、明倫高校の学生服がわんさかいた。
「 わるぃ、今日も誘われて、大槻と予定があるって言ったらから 」
「 私は気にしないよ 」
一緒にメニューをみている、‘ 素敵なカップルの為に ’っていうページがあった。
何々、一つのジュースを一緒に呑む、パフェを食べあうなどなど、
「 これにしようか 」
大きめの、グラスにストローが2本、なるほど。
向かえ合わせに座るのではなく、横に。
顔というか、ほっぺが引っ付きそうになりながら、ジュースを飲む。
これは、2本のスプーンが付いたパフェ、自分で口に入れないで食べさすのか。
前世では考えた事さえなかった、それを楽しんでいるわけである。
「 神々廻君、あのね、大槻さんじゃなくて、陽子って言ってほしい 」
「 うぐっ 」むせた。
35年の人生経験があれど、すべて初めてなのである、転生前の俺って何をやっていたのだろう、いまさらながら考えてしまう。
「 よ、陽子さん、、、陽子 」「 はい 」
「 私は、猟君って言うね 」「 お、おぅ 」
顔が熱いのが自分でもわかる、あーんしては、メッチャ緊張してしまった。
専門店をフラフラと観て歩く、
「 そういや、陽子の普段着観たことないなぁ 」
「 学生服と、巫女装束しかしらねぇ 」
「 ねぇ どんなのがいい、猟君の好きな服着るよ 」
心に染みる言葉、生きててえかったぁ、頭に浮かび上がる服装、脂汗が半端ねぇ、胸の谷間と乳首のボッチがしっかり見えて、お尻とパンティが丸見えの服なんて言えるわけがねぇ、ちなみに巨乳レースクイーンが着ていた、清楚な感じの服を思い浮かべなければ、うわーーーっ! 注射器持った裸の陽子が出て来た。
「 猟くん、どうしたの 」心が痛い。
気が付いたら7時を過ぎていた、あわてて屋上に、陽子のお母さんが来ておられた、
「 お父さんは 」
「 柱に縛り付けてある、3時ごろから迎えに行くとか言い出し、朝から邪魔する気まんまんだったのよ 」
「 夕食は食べたの 」「 まだです 」
「 じゃぁ、食べようか 」
俺的には、3時ごろから迎えに行こうとされていた神主さんが気になるのだが。
大人の人と一緒じゃないと入れないような高級店で晩飯。
「 陽子が、深夜にもどったら、内の宿六、魂がぬけていると思うわ 」二人は笑いあっている。
「 こんなところで何だけど、超犯罪から問い合わせがあったのよ 」
「 内は、憑依された方のお祓いでも、自分が誰かもわからないほどになるほど、強力な怨霊の退魔業はやっていなかったのに、最近5件も対応したから 」
「 神々廻君の事は話してないけど、助っ人に来てもらっていると返事はしておいた、それでよかったからしら 」
「 はい、問題ありません 」
「 取り憑かれた方のご家族とかは、必死なの、助けてほしぃって、私たちだって力の及ばない相手は幾ら依頼されても受けられないのだけれど、なかなか理解してもらえなくて 」
「 誰々は除霊した、誰々も、どうして家はやってくれない、そんな感じなのよ 」
「 僕で良かったら、学校とかバイトがありますけど、できる範囲で協力させてもらいます 」
「 お母さんいい加減にしてよ、仕事の話ばっかり 」
「 ごめんなさい 」
「 お母さんの出張は明日までよねぇ 」
明日のデートも、陽子の母親の前で約束してしまった。
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