第21話 鬼と戦う

仰向けに倒れて足を振り回し暴れている、距離を取り、隙を伺いながら、少しずつ斬り刻み、力をそいでいく、なぶり殺しにされている鬼を見下ろしていた。


「 えっ! 何処から現れた、でかい! 」突然公園の木より大きな別の鬼が姿を現した。


鬼は飛び上がる、空を飛べるのかというほどのジャンプ、女性鬼斬の真上から降りてくる、俊敏な動きで、攻撃を避ける鬼斬、足による踏みつけと、ハエ叩きでもするように、手のひらを地面に叩きつける。


鬼切が着ている服が、ビリビリに引き裂けてゆく、スローモーションのようにその様子を眼でとらえる事ができている。


二人の女性鬼切、服の切れ端わずかに体に残っている、アニメならカックイク、バトルスーツなんて纏うはずなのだが、下着姿で剣を振り回している。。。。。

「 あっ、ブラがはずれた 」

カックイクはねぇ、お乳の揺れがはんぱねぇ、ガン観。


絶妙のタイミングで女鬼斬が腕を斬る、切れなかった剣を弾いた。


「 鬼が纏う妖気を斬れませんでした 」

「 鬼斬、このままでは、殺されます 」

「 なっ! 」

「 私たち強い、鬼斬れます 」


足も膝も、手も震えているのだけど。


鬼斬が腕で弾き飛ばされた、刀で直撃は避けたようだが、小石のよう地面を刎ねながら転がっている、残っていた下着が裂ける様子までわかった、もうひとりは、鬼を挑発、弾き飛ばされた鬼斬に注意が行かないように、時間稼ぎ、逃げに徹しだした。


2人の女性鬼斬が、命を懸けて戦っている、俺は震えながら見ているだけでいいのだろうか。

深呼吸を数回、枝垂桜と紅桜つないでいる手から力が伝わってくるようだ、震えが止まった。


「 よし、 枝垂桜、紅桜 行くぞ! 」


二振りの刀を手に、ビルの屋上から公園に飛び降りていた、まじかで見る鬼は、巨大、吐く息にでさえ猛烈な瘴気を感じる。


鬼が踏みつけようと、足を下ろしてくる、横に飛ぶ、紅桜の結界が、鬼の足が地面についたときに吹き上がる力を防ぐ、目の前には毛むくじゃらの鬼の足首、枝垂桜でアキレス腱に向け振り下ろす、鬼が纏う妖気で押し返されるような感覚があったが、構わず刀を振り切る、巨体が倒れてくる。


巻き込まれないように距離を取る、轟音と地響き、眼の前に鬼の顔があった、眉間に刀を突き立てる、柄の部分で止まるまで突き刺さった。


刀からドクドクと鼓動を感じる、鬼斬の刀は生きているのか?


わずかに痙攣すると、力が抜ける、花弁が風で舞い散るように鬼の体は消えていった。


倒れて暴れていた鬼が、足を引き釣りながらも立ち上がる、全身に刻まれた傷も癒えててきている、異常なまでの生命力と回復力があるのか。


回復中の鬼に向かって、走る、アキレス腱を斬られたほうの足に向かう、完全に治っていないのか、鬼は足をかばうような動きをしながら、拳を振り下ろしてきた。

紅桜で拳をいなし、枝垂桜で手首を斬る、硬い物に当たった手応え、骨で止まった、刀を引き抜くと、もう一方の拳を叩きつけて来る、左側に飛びのき拳を避ける。

両手を地面に突き刺し、無防備になっている首筋 「 でぃやぁーーーっ! 」

枝垂桜を一線、首の動脈から噴水のように血が吹き上がる。

鬼が倒れ来る、喉を狙い、紅桜を振り切る、深く肉を斬った手応えが伝わってくる。


鬼は痙攣すると、砂が舞うように体が消えていった。


「 ふぅ 」


「 誰なの 」 

服は布切れ、ほぼ全裸で刀を持った二人の女性に声を掛けられる。


この状況は、見れて嬉しいというより、これまでの人生経験からヤバイ気がする、

「 俺はこれで 」


公園から脱出、比較的家が近い事もあり、周辺はよく知っている、道路を閉鎖している警察官に合わないように身をひそめる。


全裸で刀を手にした二人の女性が追っかけてくる、なんか不気味、お乳が激しく揺れている、股の芝生がなびいている気がした、逃げなければ。

うまくまけた、全裸女が刀を持って追いかけてきた、見たから斬られるかも、関わってはいけない気がした。 


 隠れて様子を伺っていると、黒塗りの軍用車がドカドカ入ってきて、大きな熊、大きな虎を連れた女性が降りて来た、「 鬼斬 」


「 虎と、熊がぁ 」こくり。


無事、俺(おれ)ん家(ち) に戻り瞑想。

アニメ、漫画、映画でも、カックイク服は破れたりする、しかし肝心なところは破けることなく残っている、そう、肝心なところは破けたり裂けたりしないはず、それに敗れた服は戦闘が終われば元通りになっている、当たり前だと思っていた。



現実は、関係なしに破れるし、元にはもどらないのか。。。。

「 えへへへへへへ もしかして、鬼斬りの世界は、丸見え当たり前。。。。

なんか、やる気が湧いてきた。



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