第16話 大槻神社

 お父さんと、憑き喪払い儀の件でお客様ともめている、いつもの事、払ってほしいと言う人は嫌ほどいる、お父さんは、事前に面談し、危険だと少しでも感じたら、お断りする。


 日ごろから聞かされている、非常に危険、自分の力と相手の力を見誤ったら、死ぬか大怪我、悪霊に取りつかれる、最悪の状況が待っている。


「 他の所にもお願いしました、何処も受けてもらえないのです、お願いします、このままでは、娘の一生がぁ 」 泣き崩れる依頼者


 神々廻君に、憑き喪払い儀について話した時、興味がありそうだった、助っ人の依頼してみようか、日曜日デートの口実みっけぇ。


 鬼斬の力は、最強と言われている、神々廻君が入ればどんな依頼も楽勝だったり。


 大槻神社での夕食は、陽子のご両親と5人の巫女さん、2人の修験道さんの10人で食べるのが日常、巫女さんも修験者さんも住み込みである。


 今日の食卓は少し暗い、必死で頼み込む依頼を断るしかなかったからだ、力があれば何とかしてあげたい、誰もが思っている。


「 明倫高校に、鬼斬がいるのよ、助っ人に頼んでみようか 」


「 鬼斬だってぇ、ほんとうなのか 」


「 私たちがやっているような、仕事手伝ってくれるとは思えないですよ 」


「 一応話だけしてみる 」


「 カックイイ男子よ 」


 神主さん、(陽子の父親) 手にしていた箸が落ちた。

 どうやら娘離れできない父親のようだ。


「 陽子も年頃だか 」母親がつっこむ。

「 ダメ元で声だけかけてみるね 」


「 巫女さん達も 」 神主が廃人のようになるのに、時間はかからなかった。

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