第4話 離婚裁判

お袋は眼が覚めると、抱きしめてくれた、


「 体だけは大きくなったけど、まだまだね、猟をこんなに泣かせて、手加減も、容赦もしない、地獄に落としてやるわ 」


意味不明の言葉を言って、涙ぐむ。


お袋は、テレビ会議をやっている、今日は息子の傍にいてやりたいから、出社しないとか言っているし、顔が燃えそうに熱くなってくる、どうしようもないくらい、あかんたれ、だと思われた。


明日裁判、雄二を社会的に抹殺する、神々廻 弁護士事務所の力を見せ付けるなどなど、、、 息巻いている


雄二という名前、思い当たるのは親父しかない、 そういや親父は何処だ。


意味不明のお袋の話が耳に入ってくる、物騒な話、聞いていてもしかたない、自分の部屋に、どういうことだ、混乱しだした、俺の知らない俺の記憶、この体の記憶なのか。


親父は浮気、1年以上別居中、お袋は敏腕弁護士、神々廻 法律事務所を経営、二人の弁護士を雇い、離婚、浮気、子供の親権など女性専門に対応、社会的に抹殺って親父をかぁ。


もしかして俺が原因、大泣きしたのは、親父が原因だと勘違いしているのかぁ


朝ごはんを一緒に食べている、不覚、物凄い不覚、お袋が、横にいて、パンにバターをハムと卵を挟んで渡してくれる、お袋の手料理が目の前にある、話しかけてくれるし、メチャクチャうまい、涙が溢れ出て、ポタポタ。


「 猟、 どうしたのよ 」 抱きしめてくれる、俺は、大号泣。


一応男なのだけど、精神年齢35歳のはずなのだけど、殺し屋を気取っていたけど。


一緒に買い物、もうすぐ通う高校の制服を取りに行った、カッターとか靴下、ファミレスで食事して、最低の最低、何気ない触れ合いで、涙腺崩壊、もし殺されていなかったら、このような幸せに包まれていた、自分ではどうにもこうにもならない。


お袋は、俺がこうなったのは、全て親父が原因であると、思い込み、親父に対する怒り、もはや鬼おも超えたのでは。


自分のベッドで悶え死にしそう。悶えるしかないのだ。


息子と母親は、何歳まで一緒にお風呂に入るのだろうか、少なくとも8歳までは入っていた、もうすぐ15歳の体、あそこの毛しっかり生えている。


一緒にお風呂に入って、

「 ここは綺麗にしないとね 」


皮を剥いて洗ってくれた、

「 もう、ちゃんと洗わなきゃ、汚れているじゃない 」

母親だからか、興奮することもなかったのだが、触られたらそれどころじゃねぇ。


体もあそこも直立不動、極度の緊張により体はピクリとも動かないのに、漏らす寸前まで追い込まれた、いきなり人生が終わる所だった。


「 小学生の頃から、変わってなってないのね 」


衝撃の現実を突きつけられたわけである。


体の記憶とでもいおうか、小学1年くらいから、一緒にお風呂に入ってないような気がする、 昨日幼児化したため、一緒に。


今日は、涙腺崩壊しまくりで、一緒に中身は35歳である。


お袋は37歳、それほど違わねぇ、親父と学生結婚、小学生の時も若くて綺麗で美人で自慢だった。


アソコの皮剥いて洗ってもらった、絶対ありえねぇ現実、自称殺し屋である、なんというか、孤高の男を気取っていた。


俺は雰囲気から入るタイプなのだ、 殺し屋を演じる為、他人との接触は限りなく、避けた、女性と口を聞いたのは、死んだ祖母くらいしか思い当たらない、お袋と1日一緒、どう接していいのかさっぱり、翻弄され、涙腺崩壊、体を洗ってもらうという、ていたらく。


あかんたれに成り下がった、立て直す自信が湧いてこない。


もうすぐ通う事になる、高校の制服を着て裁判所に、当事者なのでお袋は直接参加しない、お袋と俺は傍聴席。


弁護士事務所で働いている、二人の弁護士さんと合った、お袋とこの3人で、親父を社会的に抹殺するという、火に油を注いのだ、親父も生きているようだ、親父が心配だ。


裁判する内容は俺の親権争いなのだが、結婚しても浮気してはならない、魂に刻み込まれた気がする、何もかも失くした男が、床を見つめて立っている。

親権、手切れ金として自宅、土地、財産のすべて、親父はその身一つ、すべてを奪われた。


27年ぶりに親父と合った、言葉は交わしてないが、親父だった、生きていた。


親父側は浮気を認めている、そのうえで俺を引き取りたいと言ってくれていた、仕事が忙しくて子供の面倒などみられない母親に息子を任せておけない、裁判は泥沼にやっぱ俺が原因なのか。


親父の弁護士、ダメだわ糞の役にも立たない野郎、やりこめられ放心状態、お袋側はサンドバックをボロ雑巾にまで袋叩きにして、さらに踏みつけ引き裂いた。


俺は母親と暮らすのは当然の結果。


呆けたようにたたずんでいる、「 智子ぉーーっ! 」ここまでやられたら、誰でもキレル。


親父は叫んだ! とっさに体が動く、 見学席にある策を乗り越え、警備員より早く、親父の前に、タイ落としで、床にたたきつけ、顔面に拳を叩きつけてしまった、


「 お袋には、指一本触れさせないぞ! 」


親父は白眼を剥いて気絶。


わめいただけで、体が無意識に動いて、やっちまった。


離婚裁判、暴れたのは俺なのだが、親父に止めの上乗せをしてしまった、どうしたらいいのだ、少しも怨みなどない、できたら一緒に暮らしたかったのに。


自己嫌悪中、俺の行動を世間というか、周りは賛同した。

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