第2話 復讐
根當麻刑務所の通用口を朝から見張っている、出て来た、間違いない奴だ。
一人、出迎えも無いようだ。
古びたジャージ、ボロボロのカバンを抱え、刑務所の高い塀に沿って歩いている。
多くの殺害方法を検討した、こうもあっさり出所してすぐに、人気のない所を一人でいる、これほどのチャンス逃すわけにはいかない、これから俺がやろうとしている事は、自分でも馬鹿な事だとわかっている
27年前のあの日から、俺の時間は止まったままだ、奴を殺すことで、悪夢から解放される、俺は両親のもとへいく。
この日の為だけに生きて来た。
根當麻刑務所の高い塀にそった裏道理、まれに車が通るだけで、ほとんど人通りは無い。
数えきれないほどの殺し方、場所を想定して考え抜いてきた、いきなりチャンス。
ジョギング姿の俺は、奴に向かって、軽く走りながら、後ろから近づく。
間合いに入った、延髄に向かって50cmほどの棍棒を叩きつけ、一瞬で意識を刈り取る。
首に巻いていたタオルを口にかませ、頭の裏でしっかりと縛り、肩を両手で押さえ背骨に力を加える。
「 ウグッ 」 奴の意識が戻る。
「 お前が殺した、神々廻(ししば) 雄二、智子 の子供だ、今から殺してやる 」人の声ではないような無機質な声が出た。
肩の関節、股の関節を外した、 奴は喚きさらしているようだが、口にかましたタオルでうめき声をだし失禁しのたうちまわる。
ズボンを脱がす、恐怖で縮み上がったのか
ドス黒いだけの、ミスボライ逸物。
「 こんなもので、お母さんを犯したのかーーーっ! 」
金玉を握りつぶし、竿を包丁で切り取る。
口から泡を噴きだし、痙攣しているが、どうでもいい。
顔を殴る、殴り続ける、頬骨が砕け目の玉が、こぼれたので、顔を殴るのをやめた、体を蹴るように踏みつける、胸が陥没して、足がめり込む、ピクピクとけいれんを繰り返す男を見下ろす。
「 はぁ、はぁ、はぁ 、思い知ったかーーーっ! 」「 はははは、ははは、あはははは 」
「 刑務所に入っていたぐらいで償えるわけがないだろうーーーっ! 」心臓に包丁を突き刺す、母の胸に刺さっていたのと同じように。
血まみれになった、ジョギング服を脱ぎ捨て、背負っていたバックから、着替えを出す。
近くに停めておいた単車に乗り、両親のお墓に向かう。
冷たい、墓石にしがみつく、
「 俺やったよ、ついに復讐したよ、こんな息子でごめん、でも、こうすることでしか、生きられなかったんだ 」
どうやら、1Lの農薬を飲み干した効果がでてきたようだ、絶対死寝るとお墨付きの農薬である。
「 お休み、お父さん、お母さん。。。お爺ちゃん、お婆ちゃんごめんなさい 」
35年間の人生、8歳までの両親と一緒だった思い出が浮かび上がる、俺のすべて、後は奴を殺す事だけを考えて生きた、遂にやり遂げた、死ぬのってもっと苦しいのかと、意識が何処かえ消えていくようだ。
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