名前は?

 小林さんは、いったい何をおっしゃっていらっしゃるのでしょうか?

 

 スポンジの脳みそなオレは、スカスカでよく理解ができません。

 

 

「小林さんが好きな人って…」

「もちろん宮田くんだよ‼︎」

 と清々しい笑顔で言われました。

 

 もちろんなんだ⁉︎

 

 てか、宮田くんって…

 

 えっ⁉︎

 

 どういうことなのだろうか…⁇

 

 小林さんは…宮田くんを好きなんだと⁈

 

 

 

「もしかして、小林さんは…うめおばあさんとか知らないよね?」

 と、ドキドキしながら聞いてみた。

 

 すると、

「?うめおばあさん…⁇ってか、話逸らすってことは、やっぱり脈なし⁉︎わたし…やっぱり脈なしなんだ⁉︎」

 と、ウルウルしだした。

 

 あ、そうじゃない‼︎

 

「脈アリだよ‼︎絶対にっ‼︎」

 と慌てて訂正した。

 

「えっ、ほんとに?」

「あー…たぶん。てか、ほぼそう…なんじゃないかなぁ」

 と言っておいた。

 

 宮田くんも小林さんが好きだよとは、勝手にそこまでは…言い過ぎだよね?

 

 まぁ、宮田くんも小林さんに告白するつもりらしいし二人が両思いで安心した。

 

 なんだ、小林さんは宮田くんを好きなのかぁ。

 あーよかった…じゃなくない⁉︎

 

 小林さんがおばあさんのお孫さんじゃないのっ⁉︎

 

 えっ⁉︎

 じゃあ、おばあさんのお孫さんって誰なんですかーー‼︎

 

 

 ふりだしに戻った。

 

 …

 

 まぁ、とりあえず明日宮田くんにそれとなく小林さんのことは、伝えようと思う。

 

 

 そして次の日、宮田くんに

「小林さん、脈ありかもよ。早く告ったほうがいいよ」

 と伝えた。

 

 すると、

「えっ、そうなん⁉︎マジかー。マジかー」

 と嬉しそうに鏡をみてターンを決めていた。

 

 

 …

 

 それから三日が経ち、一週間が経っても二人は、動こうとしない。

 

 あれ?オレの伝え方がよくなかったのかな⁇

 

 両思いなのに…なんで双方動かないのっ⁉︎

 

 

 なぜか、オレはしびれを切らして宮田くんに、

「小林さんに告白しないの?」

 と聞いてみた。

 

 するとまさかの…

 

「じっくりコトコト柔らかくするのです」

 と意味のわからない言葉を発した宮田くん。

 

 え、何⁇

 スープ作ってたん⁉︎

 

 だから、オレは小林さんにも

「告白…しないの?」

 と聞いてみた。

 

 すると…

 

「うーん…どうかなぁ♡」

 なんて言い出した。

 

 なんなんだ?この二人はさっ⁇

 

 

 …

 

 まぁ、でもなんか告白しなくても結構いい感じみたいだから放っておくことにした。

 

 

 

 そして、久人におばあさんのところへ遊びに行った。

 

 するとルトくんがいた。

 

「あ、お兄ちゃん久しぶり」

 とオレに抱きつくルトくん。

 

 これは…どういうハグなのかわからないが、一応ギューしておいた。

 

 

「ねぇ、ねぇ、お兄ちゃん」

「ん?」

「式場は、もうおさえた?」

 なんて聞かれましたよ?

 

「えと、まだ早くない?」

 と、あたかも挙げる前提でこたえてしまったオレ…。

 

 

「そっか、まだあと数年あるもんねー」

 と、ルトくんはかえしてきた。

 

 

 数年…

 

 ルトくんってさ、やっぱりオレと結婚する気なんだ?

 

「あー、早く結婚式にならないかなー」

 とワクワクしているルトくん。

 

 

 …

 

 ルトくん、やっぱりオレたちって結婚…するんだよね?って聞けるわけないよねー…。

 

 

 聞き方かえて聞いてみる?

 

 …でも、なんて聞こう。

 

 

 そんな会話を聞いていたおばあさん。

 

「結婚式じゃと?そりゃ縁起がいいねえ」

 となぜか紅白饅頭を差し出された。

 

 ⁉︎

 なぜ…紅白饅頭がいまここにあるんっすか⁉︎

 

 さらには、お赤飯まで…

 

 えっとー…

 

 これは何かのお祝いでしょうか?

 

「あの、今日は何かのお祝いですか?」

 とオレはおばあさんに聞いてみた。

 

 するとおばあさんは、

「いや、何もないよ。ただ赤飯はたまーに食べたくなるじゃろう?」

 と赤飯に塩をパラパラして美味しそうに頬張った。

 

 そしてお饅頭を手にとり、まさかのお赤飯のお饅頭かけご飯を食べ出した。

 

 …

 

 え、それって美味しいのだろうか…

 

 

 ルトくんも、まさかの当たり前のようにお赤飯にお饅頭をのせて食べだした。

 

 …おぉ、オレの知らない世界はまだまだ無限だ、、と思い知った今日この頃だった。

 

 

 あまりにびっくりしすぎて、そのまま結婚の話は、一旦ポケットに入れて持ち帰った。

 

 

 いや、ポケットに入らないよ…?ってなるけど、そんな感じでその話はそっと持ち帰った。

 

 

 

 そんな次の日…

 

 この学校にオレと結婚したい人がいるはずだと、キョロキョロしながら歩いた。

 

 きょうだいで、オレと結婚したいと思っているなんて、なかなかの人間だ。

 

 みる目があるじゃないか!

 

 てかさ、ルトくんに似てる人探せばいいんじゃね⁉︎

 

 

 …てかさ、もしかして…もしかしたら…ルトくん同様男だったり…しないよね⁇

 

 

 オレはてっきり女子だと思い込んでいたけど、まさかの男って可能性もありうる。

 

 …

 

 

 そして、オレは撃沈しながら教室へと入った。

 

 

 すると小林さんと瀬川さんがなにやら楽しそうに話をしていたんだけどさ、聞き耳立ててたら…まさかのおばあちゃんちに行くって話をしてるわけよ‼︎

 

 ラストチャンス‼︎どうかうめおばあさんの孫であってくれ‼︎

 

 

「ねぇ、瀬川さん」

 オレはすかさず割って入ったよね。

 

「なに、瀬野くん?」

 

「あの、そのおばあさんって…名前とか教えていただけないでしょうか?」

「え、ヨネおばあちゃんだけど?」

 

 ヨネーー⁉︎

 

 ヨネって誰ですかーー‼︎

 

 二文字ってところは合ってるけど、ヨネーー‼︎

 

 まさかのヨネだったーー‼︎

 

 と、人のおばあちゃんの名前を心の中で連呼するオレなのでありました。

 

 

 ヨネヨネヨネヨネねーよ‼︎ヨネを反対から読むとネヨ。

 ありえネーヨ‼︎

 

 ヨネーー‼︎

 

 もう大絶叫だ。

 

 アトラクションに乗ってるくらいの絶叫です。

 

 残念です。

 オレの心はぼろぼろです。

 味なしそぼろです。

 

 

 …

 

 

 続く。

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