聞いちゃう⁉︎

 小林さんがまさかおばあさんの孫なんじゃない⁉︎

 

 え、どうしよう…。

 

 オレって小林さんともしかして結婚…するの⁉︎

 

 てことは…瀬川さんは宮田くんと⁉︎

 

 いや、そんな狭い世界じゃないし…人類がオレたち四人しかいないとかじゃないけどさ…。

 

 

 小林さん…

 

 え、どうしよう…。

 小林さんがおばあさんの孫⁉︎

 

 もしかして…そうなの⁉︎

 

「あのさ、小林さんって弟…いる?」

 

 森で迷って散々歩き回って迷いに迷ったあと、茂みからガサゴソして、そ…そのこかげになんかいない…⁈くらい恐る恐る聞いてみた。

 

 するとまさかの…

 

「え、うん。いるけどなんでー?」

 と聞かれてしまった。

 

 そんなあっさりと…

 

「あー、なんとなくね…」

「すげー、オレも占えよ」

 とオレを占い師と勘違いする宮田くん。

 

 占いではない‼︎

 

 でも…

 

 …

 

 マジか…。

 

 それ以上は小林さんに聞けない…。

 おばあさんの名前うめさん?とか、弟ルトくん?とか聞けるわけない…。

 聞いてしまったら……。

 

 

 てかさ、ルトくんはお姉ちゃんが結婚して一緒にオレが住んで泥棒きたらやっつけて、っていったんだよね?

 

 ルトくんとオレが結婚じゃないんだよね?

 

 ?どうなんだろう…

 

 わからない。もう、わからなくなってきたかも…。

 

「なぁ、オレも占いやってやってー」

 とぐずる宮田くん。

 

 …

 

 買って買ってー‼︎じゃないんだからさ…

 

 しょうがないなー。

 

「宮田くん、目が二つついてるでしょ。あと、鼻は、一個。さらに、上靴踏んで履くタイプ。さらに、寝癖つきやすい‼︎あと、朝起きるの辛い‼︎帰るころ元気になる‼︎」

 

 と、まず見た目でわかることをいってみた。そして、誰も朝って起きるの辛いもんね。で、帰るってなったら少しテンション上がったりオレはするから言ってみたら、

「すげー‼︎すげー‼︎」

 と大感動してくれたからよかった。

 

 単純でほんとよかったわ…。と思った。

 

 

 宮田くんのおかげで気が紛れて、小林さんが未来の奥さん説が少し落ち着いた。

 

「こちら、占いのお礼の品です」

 と、こっそり宮田くんがオレの手になにかを握り入れた。

 

「え、そんな…もらえないよ」

 と返そうとしたらまさかのレシートだった。

 

「いや、たいしたもんじゃないからさメモにでも使ってよ。なんならオレ裏にサインしようか?」

 なんてくだらないことを言い出した。

 

 

 …

 

「ぜってーいらねー‼︎」

 

「え、サインあるんだ⁉︎かいてよ〜」

 と手帳をひらく小林さん。

 

 …

 

 小林さん…サインいるんだ?

 宮田くんの…

 

 謎の二人は、放っておいて次のテストの準備をオレと瀬川さんは、せっせとしたのでありました。

 

 

 授業が始まるっていうのに後ろの二人は、まだサインをかいてキャッキャキャッキャしている。

 

 こどもかっ‼︎

 

 そんな子ども高校生二人は、休み時間ずっとサインをかいて遊んでいた…かと思ったら、サインに元素記号が混ざっていた。

 

 一応お勉強もしていたらしい。

 まぁ、次は理科のテストじゃないけどね…

 

 

 見てみて〜と得意げな顔で見せてくる二人。

 

 仕方ないからとりあえず瀬川さんと

「「すごいねー、、、」」

 と褒めておいた。

 

 

 

 そんなこんなで無事テストも終了したので、おばあさんの家に遊びに行くことにした。

 

 

 おばあさんは、基本家にいる。

 たまーに買い物に行くらしいけど、基本的には買い物は、娘さんがしてきてくれるそうだ。

 

 だから、オレとおばあさんが出会ったのは奇跡かもしれない。

 

 今日もおばあさんは、日向ぼっこをしていた。

 

 曇りでも雨でも日向ぼっこをするらしい。

 

 …それはもう日向ぼっこじゃないけどね。

 

 まぁ、おばあさんが日向ぼっこっていうならそれでヨシとしよう。

 

 

 そしておばあさんとの、のんびり日向ぼっこが開始された。

 

 

 あー、お茶ってホッとする飲み物だなー。羊羹も優しい味って感じだわ〜、とほっこり。

 

 すると、おばあさんがいきなり⁇なことをぼやいた。

 

 ‼︎

 

 

 オレはすかさずおばあさんをみた。

 

 

 なぜって急におばあさんが、

「オーケストラは、どこにしまったんじゃっけ?」

 と言い出したからだ。

 

 えっ⁉︎

 オーケストラって収納可なのっ⁉︎

 

 どういうこと⁉︎と、思ったからだ。

 

 ん?

 …あれ、おばあさんもしかして寝てる?

 

 柱に頭をちょこんと寄せて寝ていた。

 

 このままじゃおばあさんが風邪をひいてしまうかもしれないと思い、そっとオレは制服を脱いでおばあさんの膝にかけた。

 

 ?

 

 何か視線を感じておばあさんを見ると…

 

 ⁉︎

 

 目を見開いておばあさんがこっちをみていた。

 

「あ、おこしちゃいました?」

「えぇ、こぼしちゃいました。」

 

 ⁉︎

 

 こ、こぼしちゃいましたって…まさか…お漏らし的な⁇

 

「おばあちゃん、こぼしちゃったの?」

「えぇ、さっきご馳走になりましたよ」

 

 ⁉︎

 

 えっ?

 

 おばあさん寝ぼけてるのかな?

 

 とりあえずお茶を差し出すと、ズズズとお茶をすすり、

「孫がねぇ、」

 といきなり話し出した。

 

「あぁ、お孫さんがどうしたんです?」

 

「孫がねぇ、遼一と早く結婚したいっていっておったわ」

 といい、またお茶をすすった。

 

 オレはなぜかいつも呼び捨て…

 

 って、それより‼︎

 孫って小林さんじゃないよね⁈

 

 どうしよう…おばあさんに聞いちゃう⁉︎

 

 小林さんがお孫さんですかって…

 

 てか、そもそも小林さんってオレとおばあさんの関係知ってるのかな?

 

 だって、オレ直接この家で小林さんにあったことないし、おばあさんがオレの写真持って、小林さんにみせたわけでもないもんね…

 

 

 なんで、お孫さんはオレと結婚したいって言っているのだろうか…

 オレの話聞いただけで結婚したいとか、そんなのいいのだろうか…

 名前は、遼一って聞いてオレってわかったのかな…⁇

 

 

 謎だ。

 

 

 

 続く。

 

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