SS1:2/2 成長した子供達の道

 アレからもまた時が過ぎ、ノアがとある龍人とエルフのハーフを連れてきた。…惚れた相手らしい。

 精龍人って感じだろうか?エルフの別名って妖精人だしな。


「こっ…こんにちわっ…!」

「おぅ、いらっしゃい。君がノアの恋人って事で良いのか?」

「はいっ…是非とも、お付き合いを認めて頂きたく…」

「別に許可なんて取らなくても良いんだけど…なぁ、リア」

「ん、恋愛は自由」

「てことだ。存分にノアと付き合ってくれ」

「…!ありがとうございます!」


 にしても…ふむ、やはり縁と言うのは死してなお消えない物なのか。

 ノアのお相手さんである精龍人の魂から吉星による幸運を願う力を感じながらも、ノアに目を向ける。


「なぁノア…お前シアはいいのか?明らかにシアに気があったような言動をしてたと思うんだが」

「…僕がシアを受け止めようとしたら死んじゃうのがよく分かったからね。諦めたくなかったけど、流石に抵抗の出来ず無力化されちゃったら心が折れちゃうんだよ…」

「そんな気概でやっていけるのか?恋人と言うのだからレイアさんをしっかり守らないと駄目だぞ?」


 レイアさん…精龍人の女性の名前なのだが、一応人族として分類される以上やはり種族的に弱い。龍や鬼、他にも上位種の生物達の前じゃ塵にも等しい存在だ。

 …そんな存在を守るっていうんだから、たかが上位種となった程度のシアに心を折られてちゃやってられんだろう。


「まぁ…ノアが危険な所に連れて行かなければ大丈夫か。だけど…一応どれだけ強くなったか見させてもらうぞ?まさか弱くなってるなんてことは無いよな?」

「えっ…父さんと戦うの…?」

「なんだ…不満か?」

「いや、太刀打ち出来ないのが目に見えてるし」

「ならリアと戦ってみるか?」

「…ん?」

「父さんでお願いします」

「……ノア?」

「いや…母さん相手だと本当に死ぬから」


 怖気付いてんなぁ。懐かしい、リアと初対面した時はあまりにも強すぎて敵対したくないと強く思ったからな。

 さてと…最近リアと模擬戦してた結果を見せれるな!


 ----------------

「父さん…強すぎ…」

「うーん、どう思う?リア」

「ん、及第点…?」

「厳しすぎない?」


 ノアと模擬戦をしてみたのだが…まぁ、一応上位種の域には踏み込めてるかなってぐらいの実力だ。懐かしの帝国老龍に比べりゃ断然優れている。

 優れてるのだが…やはり何か物足りない感がある。


「やっぱりスキルの数か?」

「ん…突然変異が無いのが痛い」

「でも俺らが付与するわけにも行かないしなぁ」

「…そもそも今更付与してもあんまり意味無い」

「そりゃそうか」


 やはりその種族特有のスキルしか使えないというのはあまりにも痛い。手数が少なすぎるのが問題なのだ。

 …まぁ、そこまでノアは強さに固執してるわけではないから人化姿で生きていくならば圧倒的に強者として過ごせるかもだが。


「あっ、そう言えばシアはまだ地下に居るの?」

「ん?シアか?シアは今外出中だぞ」

「えっ!大丈夫なの⁉︎周りの生物全部眠っちゃうんじゃ…」

「あぁそれは大丈夫。ノアも知ってるだろうけどフィリアさんが付いてるから」

「えっ、聖銀龍のフィリアさんが?…それなら大丈夫か」


 そう、今現在シアは外出中だ。と言うかフィリアさんが連れて行った。なんかセレスティア森林でしばらく一緒に住みたいのだとか。会えるうちに可愛い孫を可愛がりたいのだろう…眠たげな目でありながらもしっかりと恨めしげに見つめてきながらフィリアさんに連行されてくシアは割と印象的だった。


「まぁ、シアに「お兄ちゃんが心配してたぞ」って伝えておいて。今後もう此処に来る頻度は相当少なくなると思うし」

「おぅ、伝えておいてやる。しっかりとレイアさんを幸せにしろよ?」

「任せてっ!レイアを裏切らないって誓ってるから!」

「………浮気はダメ」

「そんな僕って節操無いように見える…?」

「龍ってのは一部性欲強いやつが居るからな…あぁそうだ、もしレイアさんを泣かせてみろ?俺とリアが直々にお前の元に出向いて根性を破壊した後に創り変えてやるから」

「ヒッ!分かった!絶対裏切らない様にするからっ!」


 淵根夫婦直々の性格改善だ、スキルのガンガン使うから確実に性格は変わってくれるだろう。まぁそれもレティ…じゃなかった、レイアさんを悲しませたらだけどな。


 若干青い顔をしながらもノアはレイアさんを背中に乗せて飛び去っていった。まぁ、ノアなら大丈夫だろ…シスコンではあっても一途を貫いてたのは日本でもそうだったしな。ギャルゲーかってレベルで女の子がノアに群がってたにも関わらずね。


「ん…ノアは大人になった」

「早いもんだなぁ」

「………もう1匹くらい、子供産む?」

「うーん…せめてシアの問題を解決してからかな。それに、最近は子供に構ってばっかでリアに構えてない気がするし」

「………分かってたんだ」

「そりゃあね、最近のリアのテンションは低めだしな」


 いつの間にか幼い姿になってるリアを抱き上げ、寝室まで行ってベットにダイブする。

 やっぱりリアは寂しがり屋だなぁ。


「ん………ゼノは私の」


 -------------------

 迫り来る銀色の液体を凍らせ、砕き消滅させる。


「なんで…ダメなの…!」

「俺にはリアが居るからって言ってるだろうが!」

「ヤダ……絶対に諦めない。パパの番に…なるから!」


 ノアはレイアさんと楽しく幸せに夫婦生活を営んでいるであろう今日この頃、今俺は娘であるシアと親子喧嘩をしている所だ。

 原因はシアが俺の番になりたいと言ってきた事だ。リアは俺が断ると分かってるから無反応、そして俺も当然断った訳だが…何故か話が激化してスキル飛び交う喧嘩まで発展していた。


 フィリアさんの元から帰ってきたシアはいつの間にか最上位進化種である【水銀ノ眠龍:酔生夢死】となっている。マジで我が子の成長に驚きを隠せない…第二の俺を見てる気分になるが、しっかりとこの世界の存在だし、経験値増加も無くこの速度で成長していると言うトンデモ存在になっている。


「娘の願いを…聞いてくれないパパなんて……パパなんて…っ!


 …っ、!大好きなんだからぁーーー!!!」

「そこは大っ嫌いって言えよっ!」


 迫り来る水銀の波を押し除け、万をも超える夢属性の魔法を崩壊の力で破壊する。

 夢属性を発現させてる存在は淵源/根源種を除くとシアが初めてだ。夢属性は精神を壊す属性とも言える。


 魔法を当てた敵に悪夢を見せ続けて精神を壊すか、吉夢を見せて夢から覚めたくないと思わせるかと言うエグい属性だ。

 シアが今、俺に見せようとしている夢はおそらくシアとの結婚生活。自分と番になればこんな幸せな生活を送れるぞと実際に経験させようとしてきてるのだ。


 あとシアが何気に不老種になってるのもお悩みポイントだ。寿命があったなら寿命まで寄り添ってやるのも考えたが…永遠を寄り添って行くのはリア一人だけと決めているのだ。


「なぁシア、俺を番にしようとするのは諦めてくれないか?」

「ヤダ…!2番目でも良いから番になりたいのっ!」

「もうどうすればいいんだよこれ…」


 娘を攻撃するわけにもいかず、ひたすら攻撃を凌ぐ事しか出来ない。

 日本での生活の時は親孝行してくれる良い娘であり、ここまでファザコンではなかったはずなのだが…


 まぁこうなったのは仕方ないっちゃ仕方がない。何せ龍の雌は強い龍に惹かれる性質を持ってる。まぁ、リアはちょっと違ったんだけども…

 シアがいくら擬人化龍として生まれたとは言え、龍は龍だ。強い存在に惹かれるのはしょうがない…しかも俺は根源種だしな。


「本当に諦めてくれ。俺はリアだけの番で居るつもりなんだ」

「〜っ!パパの分からずy———」


『ドガアアァァァァァアアアン』

「えっ、シア⁉︎ちょっとリア何やってんの⁉︎」

「………話し合いしてくる」

「キュゥ…」


 俺がなんとか目で追える速度でシアの元に突っ込んだリアがシアの頭部を掴んで地面に叩きつけ、シアを気絶させた。にしても流石な手加減だ…シアは気絶とデカ目のタンコブが出来るだけで済ませてるが、地面にデカ目のクレーターができてる。…直しとこ。


「……流石にもうみてられない。お説教」

「まぁ、困ってたからありがたいが…殺すなよ?」

「ん、殺さない。ただ雌同志の話し合いをするだけ」

「おぅ…分かった」


 気絶したシアを引きずりながら家に入ってくリア…扱いが雑なんだけど、本当に大丈夫だよな?




 そして家の地下で話し合ってリアとシアが戻ってきた時、こう言われた。


「…シアは愛龍愛人、愛さなくて良いから子種だけでもって事になった」


 ………何がどうしてそうなった?


 その夜、リアとシアの二人がかりで夜這いされた事から分かった。

 もしかしてリアが無反応だったのは…シアとグルだったからなのかなぁって。いつか第二婦龍第二婦人になりそうだと思った出来事だった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リアちゃん公認愛人となった娘のシアちゃん。

…なお見た目はリアと瓜二つな模様。


まぁ、リアだってノアだけじゃなくシアも家を出て行ったら寂しくなるかもと思ったのかもしれませんね…そう思ってもリアはゼノに構って欲しいのでスキンシップは多くなると思いますが。



…シアちゃんが神格者になったかはご想像にお任せします。


それと再度言わせてもらいます!☆と❤️が欲しいっ!是非是非評価してくれるとありがてぇです!

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