育児放棄された転生幼龍はいずれ神に近き龍と化す【育りゅう】

第151話 後処理

　リア・エルシオンside

『ゼノ…！ゼノっ！』

　ゼノの魂に急いで触れて再生を施す。

　…あまりも消耗が激しすぎる。淵源の能力だけでも相当な負荷だろうに他の神格者達の力まで取り込むからそんなの普通耐えれるはずがない。

　なんでそんな無茶を…いや、私のせいだ。私が異分子を呼んだから。私が…何もしなかったから。

「そう…だ。私の…せいだ…あは…は。アハハ…」

『ちょっとリアさん！そんな事よりゼノさんの治療を！』

　そうだ…治療だ。早く治療をしなきゃ。ゼノを死なせるだなんてあってはならない。

【推奨、ゼノ・エルシオンのステータス低下を確認。保護の為に淵源種の中に取り込む事を推奨致します】

　…え？

　即座にゼノのステータスを覗き見る。

　－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

　種族：擬似幼龍(世ニ変革齎ス罪銀龍)『封印中』

　名前：ゼノ・エルシオン(理ノ祝福)

　lv：0『封印中』

　体力：20/20 (淵源ノ祝福)『封印中』

　魔力：20/20 『封印中』

　攻撃力：10 『封印中』

　防御力：15 『封印中』

　魔法抵抗力：5　『封印中』

【スキル】『全封印中』

　判決の理【原罪】　吉凶ナル星ノ導

　看破鑑定　言語操作　エクスペリエンスリーパー　

　身体構築変化　創造技術　因果変革

　全域支配　罪域化　崩壊域化

　霊体化/実体化　霊魔変換　死生判別

　攻防変換　体魔変換　崩壊化破壊術

　崩壊制御術　環境創造　未来視『劣』

　永久魔力炉心　永久機関

　断罪施ス氷炎　贖罪施ス氷炎

　超速自己回復(体力)lv0 身体再生lv0

　罪銀龍武芸百般lv0

　霊力行使lv0 魂制御lv0

【耐性】『全封印中』

　氷・炎属性無効　崩壊無効

　状態異常無効

　精神異常無効

　支配無効

　物理/魔法耐性lv0

　即死無効 魂縛無効

　全属性共通耐性lv0

　邪落化無効

【称号】

　黄泉帰ル魂　突然変異　

　原罪ノ審判者　断罪ノ処刑龍　

　不老種　混沌龍　罪銀龍　神格者　神滅者　

　根源ノ種

　アルカナ：0　崩壊ノ収束地

　聖神龍の聖印　共鳴者『聖徳』

　淵源ナル龍ノ番　霊神龍の霊印　理/淵源ノ祝福

　世界の守護者　災禍封ズル神　改革ノ神

　－－－－－－－－－－－－

　なに…これ…

　こんなステータス…そこら辺の小動物に噛まれるだけでも死んじゃう。

　世界の理の言う通りに即座に私の魂でゼノの魂を包み込むようにして保護する。

　ダメ…絶対にゼノを死なせたりしない。こんなに頑張ってくれたゼノを死なせる訳にもいかないし、それにゼノを失ったら私は…また………

　とにかく迅速に処置をして、魂が消滅する事は無いほどには回復した。

　だけどステータスは……これは限界を超えたステータスを行使した反動だから私にはどうしようもない。しばらくゼノには私の中でゆっくり休んでもらおう…うん、それが良い。

　一息ついて、辺りを見渡す。

　ここは…セシリアの住処か。先程ゼノが放った技によって出来た大陸を分断するほどの贖罪の氷に閉ざされた峡谷が目に映る。

　………ほんと、神格者が起こせる規模じゃない。まぁそこも含めてゼノはイレギュラー…なのかな。

　峡谷はそのままだ。もしセシリアが峡谷に不満を持ったら勝手に埋め立てるだろう。

　ゼノの身体を操作して、元に私の身体に変化させる。

　ゼノが消滅してしまうかもしれないと言うインパクトのせい…おかげとも言うけど、なんとか持ち直せたから色々と確認する。

　まずは私が呼び込んでしまった異分子による被害。これはほぼほぼ無い。多少フィリアの森に住んでる上位種と最上位進化種が喰われた程度であり、そこまで影響は無い。

　あの異分子が撒き散らした液体が土地を汚染してるけど…おそらく並行世界の存在、つまりはこの世界に酷似した世界の存在だったからか除去は容易に出来る。

　これがもし全く違う世界の存在だったら…第二の崩壊エネルギーになってた可能性がある。

　次に神格者達への被害は…うん、こっちもほぼない。

　記憶にある限りは初めての強制休止状態への移行がされているけど、おそらく数年程度で起きるはず。

　リリアと凪は元居た場所に戻しといて、フィリアとセシリアは此処に置いとく…寝てるフィリアをあの森に置くのはちょっとよろしくない。

　さて、次に異世界の子達なのだが…

「…ごめん、貴女の身体を取り出すのに時間が掛かるかも」

『…えっ？』

「ちょっとだけ元の世界に送るのが遅れる…」

『そんなに急がなくても…あんなに激しい戦闘があったわけだし』

「………私は何もしてないから」

　ゼノの封印されたスキルの中にレリアの身体があるのだ…世界の理を通じてスキルの収納を開き、出来るだけゼノのステータスに刺激を与えないようにしながら身体を取り出さないといけない。

　とりあえずもう一人の異世界の子…リファルの魂をゼノの分身から回収して、レリアと一緒に過ごさせておく。

　にしてもだ、このゼノの分身と神滅の刀…どうしようか？分身は…うん、等身大フィギュアっぽい。収納しとこ。

　問題はこの刀。本来消滅する事が想定できない造りをしている神格者の魂を消し飛ばせる刀とか聞いた事ない。多分リリアでも解体出来ない物になってるはず…これは流石に封印案件。

　厳重に使用者権限と性能の低下を掛けてからスキルに収納しておく。ゼノが根源種になった時に返そう…今のゼノが持つと武器の力が強すぎてゼノが死ぬ。

「………とりあえず、身体を取り出さなきゃ」

　出来るだけゼノの魂を刺激しないようにする。今のステータスのゼノじゃ、私が触れると弾け飛ぶ可能性も高い。一応淵源の祝福は機能してるけど…それでも危ない物は危ない。

　でも、異世界の子を長い事この世界に存在させるのも危ないからね。

　………ゼノ、いつ起きるんだろう。