第145話 戦いが終わって
少女の身体が死なない内に二人の魂を少女の身体に移動させ、一息吐く。
そして少女は目を覚ます。
…いや、少女ではなく少女に味方してた方か。
「………助かった、ありがとう」
「いや、こっちも仕事だしな…別に良いさ」
「それでもだ。レリアを守ってくれて…本当にありがとうっ!」
「だから良いって…それで、お前の名前は?」
「あぁ、俺か?俺はリファルだ」
「…お前がリファルかよっ!」
少女の探してた奴、まさかの少女の身体に憑依してたと言う事実。探す手間は省けたからいいけど…えぇ、なんか複雑。
「まぁいいや…これから先は俺もどうすりゃ良いか分からん。流石にリアに聞くか」
「ん…呼んだ?」
「おぅ、呼んだぞ。これからどうすりゃ良いんだ?」
「小っちゃい…レリア?」
「違う」
「リアは俺の妻だ」
「…ロリコンか?」
「違うわっ!」
こいつ…よりにもよって俺をロリコン扱いするか。確かにリアは幼い見た目だし、世間一般的には手を出しちゃいかん外見年齢をしてるが立派な大人だし外見年齢も変えれるんだぞ!
いや、でも幼い見た目のリアも愛せるし…まさか俺はロリコンだったのか?…いや、リア以外じゃ別に興奮も出来ないしリアコンだな、うん。
…ちょっとリモコンみたい。
「ん、そんな事よりも治療する」
「あっ!おい!」
「落ち着け、リアは俺より優秀なんだ…リアに任せとけ」
「いや、そうは言っても…」
リアが少女の魂を取り出したのをみてリファルは反抗しようとするがそれを収める。魂の扱いに関しては正直いつになってもリアに勝てる気がしない…だってリアならゴブリンの魂を龍の魂にできそうだし。
宙に浮かべた少女の魂を見る。うん、大部分が穢れている…これが思考汚染の原因だろう。邪龍もなんとも酷いことをする…俺だと取り除くのに結構な時間がかかりそうだ。
だがそこは流石リア、パラパラと穢れが剥がれ落ちて行くのが分かり、ほんの数十秒で綺麗に穢れのない魂になった。…いや、ほんと凄いな。
そして綺麗になった魂を少女の身体に入れて、次はリファルの魂を取り出す。
「次は貴方の番」
…コイツ、龍だな。魂が龍の形をしてやがる。その魂の尻尾の先端に穢れが見える…流石に抵抗してた時に無傷とはいかなかったのだろう。ただ、汚染は酷くなくて正常に保ててた感じだ。
穢れはほんの数秒で取れた。流石に穢れの量が少なかったしな。
そしてリファルの魂は少女の身体に戻される。
…そして程なくして、少女が目を覚ました。
「…?……ッ!」
わぁお、目が覚めて俺を見つけた瞬間警戒体制に入った。どうやら思考汚染がなくなったとはいえ、記憶は残ってるらしい。えぇ、どうしよ。
「…落ち着いて。私達は貴女の敵じゃない」
「信じるもんか!リファルは貴方達の元にいるんでしょ、早く返してっ!」
「…はぁ」
スッと少女に近付いたリアが少女からリファルの魂を取り出す。そして少女にも魂を見える様にすると…
「えっ…リファル?え⁉︎私の中にリファル居たの⁉︎」
「ん」
「えっ、あ………ごめんない!本当にごめんなさいっ!本当の本当にすみませんでした!」
驚いてから数秒後に自分がやらかした事をはっきり認識したのか、非常に綺麗な姿勢で謝り始めたのだった。
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それから少女——レリアが落ち着いた所で一旦説明タイムに入った。
まずは何故レリアが此処に居たのか。その原因が魔族がした召喚と言う別世界から特定の魂を引っ張ってくる術のせいらしい。本来この世界では禁止にいている異世界からの魂の移動を魔族が行なってレリアとリファルがこの世界に来てしまったのと、そのままレリアが魔族達に悪用された事をリアが謝罪した。
…となると、俺は召喚されたのだろうか?
次にレリアの思考を汚染した存在…邪龍についてだ。かなり昔から魔神教に居る魔族達によって生み出され、延々と神への怨恨が積もるように育てられた龍だ。
そして龍との相性が非常に良いレリアが狙われてしまったこと。こちらもしっかりレリアに謝っていた。
そして…レリア達は元の世界に帰れる事。
世界と世界の距離という物があり、リアの力でギリギリ届けれる場所にレリアの世界があったらしい。だから帰れるから安心して欲しいと言う事。そして記憶も要望があれば消す事も。
記憶消去に関してはレリアは拒否したが、世界には早めに帰りたいらしい。家でリファルとイチャイチャしたいのだとか。
「………本当にごめん。私達、神の不始末で巻き込んでしまった」
「いや、私もそれなりに暴れたから…そこはお互い様って事で」
「ん、そう言ってくれると助かる」
『なぁ、美少女同士の絡みって非常に良いと思わないか?』
(それは非常に同意する…良いよね、百合って素晴らしい)
『おぅゼノ、話がわかるじゃんか』
(それはこっちのセリフだ)
何故からレリアの中から出てきたリファルが俺の隣でそんな事を喋ってくる。…なんか波長が合うな、コイツ。正直もうちょい趣味について話し合いたいが…流石に時間だな。
「ん、それじゃあ元の世界に送る…貴方はレリアの身体に戻って」
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