第137話 海中へレッツごーっ!

「さてと…じゃあ出発するかぁ」

『ん、あの子は海の底に居る…あの子は直接転移を嫌うから転移無し…』

「……なんか違和感あるな、これ」

『…我慢して』


 外に出て、身体を伸ばしてから海淵辰の所在地に向けて出発する。流石に神格者になったにも関わらず、会ってない神格者が居るのはよろしくないから挨拶だけでもしなきゃって感じだ。


 リアは別にそんなすぐでなくとも…とは言ってたが。


 そんなリアは今現在、俺の身体に憑依している。俺の身体の中に入っており、そこでゆったりしながら俺と会話している。

 憑依とはいえ身体の主導権は俺のままだし、言うならば俺の中にリアが住んでるって感じだ。


 これがまぁ、かなり慣れない。常にリアがすぐ側に居るどころか、まるで同化でもしてるのかって感覚が常にあるのだ。

 と言うか実際に俺の身体にも若干影響が出ており、人型だと見た目が中性的になってるかつ黒髪に銀髪が混ざってる状態。

 龍型だとリアが霊龍の神格者である様に、翼や角が霊体っぽい見た目になってる。


 これらの特徴はリアが外に出る事で元に戻る様ではあるが。


 だからこそ若干自分の身体では無いような感覚があってやっぱり慣れない。リアがすぐ側に居ることを感じれるのは非常に嬉しいが…でもやっぱり違和感がある。


 ちなみにこの憑依、実を言うと魂制御のスキルが無い場合にやると生物の格が上位の者に魂が喰われるとんでもない行動だったりする。リアも俺も魂制御をしてるからこそ同居状態で住んでるが…もしどちらも持ってなかったら俺はリアに喰われてるだろう。


 まぁ、そんな事実はさておいて…リアが憑依してるおかげでステータスが上がった為に即海の上へと到達した。

 魂の上書きが起きてない不完全な憑依だと、一部ステータスを反映させることが出来るっぽい。ちなみに反映する量はリアの意思による…今はステータス反映が切られてる。


(それで、この下にまだあってない神格者が?)

『ん、この海の下…最下層に居る。ここからが長い』



 とりあえず海の中に潜ってみるが…うん、底が見えない。相当深い事が分かる…だって海の底まで光が届いてないのだから。

 永久機関スキルのおかげで水中でも空気の事とかを気にしなくて良いのは助かるが、俺はそもそも陸と空に住む龍だ…水中で活動するのは非常に厳しい。


(とりあえず…潜るか)

『折角なら海鮮も…楽しむ?』

(それはアリだな)


 目の前に居た黄色の魚をパクッと食べてみる。

 …なんか若干ピリッとしてて美味しいな。

 あっ、これ麻痺毒…?そりゃピリッとするわけだ。


 そんな感じに魚を食べたりしながらどんどんと潜っていく。

 にしても海中というはやはり綺麗だ。遥か深くから生えた海藻はゆらゆらと揺れて穏やかさを出しており、群れて泳ぐ小魚たちは群れているからか小さいながらも中に迫力を感じる。


 そう言えば前世の小学校で習った小さい魚が群れて大きい魚に対抗する話があったな…懐かしいや。


 だが異世界ではそんな群れの行動も虚しく、大きめの魚が群れていた小魚達を捕食していく。これは群れが散り散りになるかなぁと思いきや、小魚たちが大きめの魚に向けて一斉に小さい水刃を放ち、大きい魚を仕留めた。

 …君達、その為に群れてたんだ?


 小さいからと侮るなかれと言った感じの光景だった。これぞ異世界…小魚達が大きめの魚を捕食してる所を横目にどんどんと潜っていく。


 今は龍…しかも神格者だからこそなんの不自由もなく潜れて、尚且つ景色を楽しんでいられるが、これが人間の体だったらここまでゆったり出来なかっただろう。と言うか肉食魚達に襲われて即お陀仏だと思う。


 現に今の俺に向かって猪突猛進とばかりに口を開いて迫ってくるデカいサメっぽい奴が突っ込んでくる。…えぇ、最上位進化種になって以来相手の方から来るのはすっごい稀なのに。


『…アレはブルグラシャーク。食べると言う意識だけが存在する生物。…危機感知すら存在してない』

(よくそれで生きてられるなコイツ…強めの奴に喧嘩売って即絶滅しそうだけど)

『…強敵のいない場所に生息してるから』

(あぁ、なるほど…)


 生息する場所を決めるほどの思考があるかわからないが…おそらく食べやすい魚が居る場所に勝手に向かっていっている結果なのだろう。

 ちなみにこのブルグラシャーク…何気に脂が乗ってて美味だった。割と高級魚として出て来てもおかしくないのかも?


 にしてもやっぱり動きづらい…龍に転生してから泳ぐなんて事を全くしてこなかったからか非常に泳ぎづらい。水性生物の進化でも踏んでおくべきだっただろうか、いやでもそんな進化先出て来なかったな。


 正直、この動きづらさは中々にストレスが溜まる。かと言って霊体化してスイスイと進むのも味気ない…この海流と水のひんやりとした感覚も結構心地良いのだ。


 まぁでも別に急いでる訳でも無いし…別に良いか、不自由であっても外敵がいる訳でもないし、リアはすぐ側に居るのだから。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

もっと⭐︎と❤️…くれても良いのよ?チラッチラ…


評価が多ければ多いほど、嬉しいんだから。



…あと最近なんか風邪引いたっぽい気がする。気のせいかな?気の所為だと思いたいなぁ…

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