第133話 神の格へと上がる刻

「………リア」


「ん…気持ちは固まった?」


 以前俺が作った自分の巣…その前にてリアに呼びかけるとすぐにリアからの返答が帰ってきた。

 リアを呼んだのは勿論、神格化する為だ。


 正直、これ以上力を付けて何になるんだって想いもある…神格者には流石に劣れど、並の生物では太刀打ち出来ないレベルの強さを身に付けた強き龍にもなれた。これ以上力をつけてもただただオーバースペックになるだけだ。


 でも、俺は神格化する。

 理由は単純だ…世界を守りたい?もっと強くなりたい?

 いいや違う………リアを支えたいからだ。


「…そんな理由で、後悔しない?」

「むしろ後悔すると思うか?」

「……しないならそれで良い」


 大義なんて考えない…リアの為になる。うん、しっくりくる理由だ。


「…分かった。最後にもう一度聞く。


 もう、神格者になると貴方は世界維持の一部となる。そして後戻りは出来ない………本当に、神格者になる道を選ぶ?」


「あぁ、選ぶ…神格者になるよ」


「…わかった」


 ゆっくりと頷いたリアの雰囲気が変わる。

 あぁ、なるほど…こりゃ神格者であっても畏敬の念を抱いて不思議じゃない。

 今のリアは………【神】として動いている。


【世界の理へ通告、新たな神格者候補を選定。対象:ゼノ・シオン。選別の間への転移許可を申請する】

【淵源種の申請を確認、転移いたします】


「ゼノ、多分そこまで時間掛からないと思うけど…行ってらっしゃい」

「おぅ、行ってきます」


【神】としての雰囲気を纏っていたリアはスッといつものリアに戻り、そんな言葉を掛けてくれる。

 幾ら神であろうと、やはりリアはリアだと思う…最愛の妻である事には変わりない。


 足元に転移の魔法陣が…いつもリアが使う魔法陣とは違う模様の魔法陣が広がり、その魔法陣が発した光が俺を飲み込む。


 そうして視界が全て白に染まるのだった。


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 リア・???シオンside


 ゼノが転移するのを見届け、私はその場から立ち去る。


 ゼノが転移していった場所は選別の間。世界の理が明確に意思を持ち、神格者候補を見極める場所だ。

 今までの神格者候補は全員合格し、神格者になっている。それもそのはず…既に私が確実に大丈夫という者のみを選別の間に送っているのだから。


「でも…私の為、かぁ」


 自分も手のひらを見つめる。幼い子供の手…だけど、もしなんの手加減もせずの触れれば何もかもを破壊してしまう手。

 例えゼノであっても…手加減せずも触れれば大怪我するだろう。


「神格者であっても…私の横に立つには程遠いのに」


 現に神格者の中でも最古参のフィリアでさえ、私には届いていない。二人目のセシリアもそうだ。

 …結局、私が対等かつ遠慮なく接せるのは世界の理だけだ。


 …つまり実質0。


「………しばらくは1人暮らし」


 ゼノとの家に戻ってきて、リビングに入ってソファに座る。

 ただの小さい家…龍の巣に比べればちっぽけな家のはずなのに………妙に広く感じるのであった。


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 白に染まった視界が晴れ、目に映ったのは白黒で構成された宇宙だった。

 遠くに地球………が見えるが、大陸の形的に前世の地球とは全く違う天体だろう。


「…個体名:ゼノの転移が完了した事を確認。ようこそ、ゼノ」


 そう言葉を掛けてくるのはリア…ではない。姿形がほぼほぼ同じだが、髪色が金髪だったりいつもは気怠げな表情はあるリアに比べて完璧な無表情の存在が目の前に立っている。


「私は世界の理…世界管理者。まずは貴方に礼を…崩壊エネルギーの対処への協力、誠に有り難うございました」

「あぁ、いえ——」

「…失礼、淵源種より嫉妬の感情と『早く終わらせる様に』との言葉が届いています。………浮気を疑われてますよ」



 …えっ、俺って世界の理相手に浮気すると思われてるのか…?確かに非常に良い見た目だとは思うが…リアを愛すると決めてるしな。


「非常に良い心掛けです。それでは淵源種の要請通り、即時神格化試練を開始致します。貴方は流れに身を任せ、自分が思う様に行動してください」


 そんな言葉と共に、白黒で構成された宇宙が全て白に染まり、新たな景色が構築されていく。

 …世界の理はいつの間にか居なくなっている。


 構築された世界は…異世界だった。


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 この世界は、異世界ではあるが俺が龍として転生した世界では無い。所謂ゲームの世界だった。


 俺にはゲーム知識があり、転生先の身体は悪役貴族。前世の小説ではありきたりな設定だった気がする。


 …スキルは使えない。崩壊の力も罪の力も一切使えない。ただ、魔法は使える…しかも全属性が。

 恐らく今の俺の身体がそう言う適性を持ってるのだろう…明らかに俺自身のスキルでは無い。


 さて、世界の理は俺が思うがままに行動しろと言った。このままゲームのストーリー通りに悪役として過ごしても良いし、原作破壊をしてハーレムを作っても良いわけだ。


 ………そんな事するわけがない。


 ハーレムなんて要らない。ただ、悪と判断できる存在は処分しておいた…あいにくとゲーム知識はあったのでパッパと終わらせれら。

 これにより何事もなくストーリーは進んでいき、物語は終了。悪役が居ないせいでただの主人公とヒロインのラブコメになってたのは…うん、何も言うまい。


 …ちょっとリアとイチャイチャしたくなったけど。


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ちょっと皆さんに質問。


 何か書いて欲しい物語の属性とかはありますでしょうか?


 ここで言う物語の属性って言うのはタグとかで置いたりするやつですね。

 この育りゅうなら【人外転生】とか【ステータス】とか【人化】とかです。


 姫竜一本に絞っても良かったんですが…まぁ、もう一本ほど書きたいなぁと。

 ちなみに書けるのは多分ハイ/ローファンタジーとSFくらいです。ラブコメ/恋愛は恋人が出来た事ない自分にとっては解像度激低になるのが予想できます。


 他ジャンルは一切無理。て事で是非是非意見お待ちしております。

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