第128話 旅立ち…まずは聖国
あの後、リアとイチャイチャしながら添い寝をして一夜を明かし、無事朝チュンをしてからリアが用意してくれた朝食を食べてからリアに見送られながら外へと出た。
ここだけを見ればもはや前世の夫婦生活と何も変わらないのだが…一度外を出て辺りを見渡せば辺り一帯全て平原。
そこら辺を跳ね回る兎には角が生えているし、その兎を狩る為に追いかけ回しているのは人ではなくゴブリンだ。…なんともファンタジー色が強い。
(まぁ、そんな事を思う俺も今や立派なファンタジー種族なんだけどな)
架空の生物でしかなかった龍…ファンタジーの王道、強者の象徴とも言える種族がになったのだ。
しかもスキルによって龍人にもなれる要素付き。
ちなみに今は完全に人の姿をしている。角も翼も尻尾もない…ただの人間の姿だ。この姿を取るのにも理由があって…ちょっと練習したいことがあるのだ。
「さてと、移動しますかねぇ。どうしようかな…近そうな聖国にでも行きますか」
と言う事で足裏に崩壊の力をぶつけて衝撃で上空へと飛ぶ。
これが練習したい事…崩壊の力を使ったら空中跳躍だ。何気にこれが難しく、飛ぶ方向を間違えればそのまま地面に激突したり障害物に激突したりする。
衝撃を与える方向もしっかりと制御しなければならず、私的には凄く難しい技術なのだが…これを習得すれば通常時でも高速な移動が可能だし、緊急回避にも使える万能技になる。
だからこそ今のうちに扱える様に練習しときたいのだ。と言う事でガンガン足裏に崩壊の力をぶつけながら移動していく。
ただまぁ、この方法…普通に飛ぶよりも断然早く移動出来るのがかなり複雑な気分になる。龍が翼を使って自由に空を飛ぶのが好きなのに、それよりも空中跳躍の方が便利ってさぁ…うん。
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「うへぇ、土まみれに木屑もすっごい付着してやがる…崖から転げ落ちたんかって感じだな」
今居るのは聖国の王都のその近隣にある立ち入り禁止区域…そう、聖国近くに居座ってた時に根城としていた場所だ。
そこまで日は空いてないはずだが中々に懐かしく感じる。
そん場所に人型で立っているわけだが…俺の姿は何度も地面に激突した事で土で汚れてるかつ、何度も木に激突した事で木屑が付着している。今の姿だと浮浪者とか言われても文句は言えない…
流石にこの姿で王都に入るのは…ね。
て事で一度霊体化して汚れを落とした後に実体化する。
うーむ、やはり便利だ…霊体化するのは俺本体のみだからこそ出来る事だが、わざわざ洗う手間が省けるのは素晴らしい。
ちなみに服自体は俺の鱗と同じ扱いだから服ごと霊体化する。流石に裸にはなりたくないからね…
一応罪氷で俺を囲んでから炎属性魔法に崩壊の力を混ぜて超高温で汚れ全てを焼き消すって言う方法も取れたが…流石に霊体化するだけの方が楽だな、うん。
「さてとっ、久しぶりの聖国だけどどうなってるのかね〜」
火山と別大陸に居た期間だが…どれくらい経ったのだろうか?最近は日にちの経過とか気にせずに「大体このくらい過ぎたかな〜」程度に思ってたから詳細な日にちが分からない。
一年は流石に経ってないはず…
それを確認する為にも今から聖国に向かうわけだが。
一応ここは立ち入り禁止区域かつ今の俺は人の姿の為、ここから出る時は怠惰による隠蔽を掛けておく。騒がれたらめんどいしね。
て事で特に何事もなく立ち入り禁止区域から出て、王都に入るための検問はこれまた懐かしの冒険者証で通過した。…そう言えば俺の冒険者ランクってBだったな。
聖国に入って辺りを見渡すが…まぁ別にそこまで変わった事はない。
それはそうか…40や50年ほど経ったならいざ知らず、たかが一年未満程度で変わるわけがない。
…変わるわけがないと言いたいんだけど、あの王城…聖国だから大教会だろうか?そこに飾られている黒い龍のエンブレムはなんじゃろか。街一個壊滅させた俺への恨みを忘れない様にだとかの意図があった怖いんだが。
まぁでも、今の俺はただの一冒険者…髪が黒いからって理由で俺(罪銀龍)との繋がりがあるとは思わないだろう。
実際その通りで、ただの一般人として普通に観光出来ている。とは言えなんか…うん、新鮮味が無い。
ここの近くに住んでた頃に結構見て回ったし、あまり変わってないから何をしようか迷うレベルで新鮮味が無い、
(うーん…まぁしょうがないか、お目当てはコレだし)
そう…聖国に来た理由はコレ、お米だ。ついでに醤油と味噌も買っておく…もっと量が欲しいな、ちょっと冒険者依頼でも消化して金稼ぎを考えるレベル。
そんな事を考えながらもとりあえず少量は買っておく。今度リアにお味噌汁でも作ってもらおうかな…次いつ会えるか分かんないけど。
やはり聖国は食事関連が素晴らしい…よくある様な異世界飯だけに限らず、様々な国から集まる和・洋・中華の飯だけではなく珍味すらもある。と言うか聖国のグラ区に住む人達が集まる食材を使ってひたすらに美味しい物を生み出そうとしてるからこうなってるのだろう。
…結構マニアックよりだったからか人は寄ってなかったけど餃子とかあったし。
一度お金をガッツリ稼いで大商会とかで大量の調味料とか買うのもアリだなぁとか思いながらも立ち入り禁止区域へと戻る。
いつの間にか日が暮れてた…そんな食事に夢中になってたか?俺…
そして立ち入り禁止区域に入って俺が住んでた場所に戻ってくると…一軒家が建ってた。
………もしかして俺が神格者になるか覚悟が決まるまでリアはコレをするのだろうか…
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