第127話リアとのイチャイチャを書きたかったんです…

 転移したのは平原…おそらく元帝国領だろうか?に、ポツンと建っている一軒家。

 …非常に見覚えのある、数十年ほどリアと結婚生活をしてた我が家が平原にポツンと建っていた。


 うん、違和感が凄い。以前住んでた時は普通に住宅街にある一軒家だったが、だだっ広い草原に我が家があるのはすっごい違和感だ。


「ん、ただいま」

「おかえり…?んでただいまぁ」

「んっ!おかえりっ」


 玄関を通り、癖で靴を脱いで家へと上がったらリアに腕を掴まれて引っ張られる。そのまま身体が倒れて地面のぶつかる前に景色が変わり、寝室の…ベットの上へと移動させられた。…相変わらず気軽に転移を扱ってらっしゃる。


 そしてテキパキと布団の中に入れられて寝る体制とり、そして膝枕をされる…なんと言うか、ここだけを見ていると凄く前世の世界に戻った気がするのだが。


「…何かして欲しい事、ある?」

「して欲しい事…?どうした急に」

「ん…お詫びと感謝。悩みの種だった崩壊の解析が出来たから」

「うーん…俺的にはリアが側に居てくれればいいんだが」

「…むぅ」

「…うん、そう言う事じゃないよね」


「…やって欲しいことが無いなら、私が勝手にやる」


 膝枕を辞めて、一緒に布団に入ってくるリア…だがいつの間にかその姿は少女(幼女)の姿をしておらず、大人の姿になっていた。


 幼さなさは抜けており、銀色の髪はショートだった先程とは違ってロングのストレートとなっている。だがダウナーっぽい雰囲気は抜けておらず、それでいて女性らしい魅力が合わさって雰囲気だけで男を堕とす様な魅力がある。


 肉付きはスレンダー寄りではあるが、別に貧乳でもなければ巨乳でもない。本当に丁度よくて抱きつきやすいどころか抱きつきたいと言う欲が出てくる姿をしている…

 正直リアの大人の姿は魅力的すぎて困る…フィリアさんやリリアさんに、レティやルミナさん…どれもが見目麗しく、異世界って凄いなぁとは思うがリアの大人姿はダントツで魅力的が過ぎる…


 …愛妻フィルターでも掛かってるのかもしれないが。いや、それでもリアが1番なのは変わらない事実だろうっ!ほら、世界の理さんだって頷いてると思うしっ!


「…世界の理にそこまでの意思は無い」

「あっ、そうなの?」

「ん…あれは世界維持の歯車。緊急時以外は意思を出さない………あの子は引っ込み思案」


 どうやら世界の理と言うのは引っ込み思案らしい。それどころか実体を持たず、更には意思も非常に希薄だから常に世界維持に注力してるらしい…それを世界の理は誇りに思ってるらしいが。


 …まるで情報の管理を任せられたAIだなと思う。そんな世界維持の歯車と言われる世界の理だが、リアと世界の理と同期してる部分があって、尚且つリアと姉妹であり、統合/分離出来る存在であるからリアと世界の理はほぼほぼ同一存在だとか…


 リアはこの世界にとって相当重要な立場に居るとは思っていたがまさか世界のルールを定める理と姉妹で、しかもその世界の理と同一化する事ができるとは思わなかった。


 ちなみにリアの方が早く生まれていて姉だとか。リアの200年後ぐらいに生まれたのが世界の理と言ってるが…200歳差は姉妹と言えるのだろうか?いや、長命種や不老種ならば姉妹とも言えるのか…

 やっぱりまだ人間の感性は残ってるらしい。


 そんな事をボーッと考えているうちにいつの間にかリアに抱き寄せられてて頭を撫でられていた。

 …やはり凄く安心する。伊達に人間感覚で何十年も夫婦をやってきただけある。この場所が凄く安心するし、愛妻であるリアがすぐ側にいると言うのはやはり素晴らしい。


 …そう言えば息子達に「イチャイチャし過ぎてこっちが恥ずかしい」とか言われたっけか。なんか懐かしいなぁ。


「ん…ゼノ、貴方はいつでも神格者になれるけど………どうする?」

「そもそも神格者って立場がイマイチ分かってなくてな…」

「そう…じゃあ説明しとく」

「………えっと、この体制のままで?」

「勿論」

「…抱きしめたままで?」

「ん」

「そっかぁ…」


 リアはこの抱きしめたい状態を維持したまま話すらしい。なんと言うか…妙にスキンシップ多めなのがリアらしいと言うか。そっとリアの身体を抱きしめ返しておく。


 そんな俺の行動にリアは少し微笑みながらも神格者について説明するのだった。


 --------------------


 神格者…それは一つの【概念】を象徴する存在であり、生態系の枠組みから外れた生物達を指す。


 例えばフィリア・スノウライトこと聖銀龍は【希望】を象徴する白銀なる龍。


 例えばセシリア・グロウこと世界樹は【安寧】を象徴する大木の神樹。


 そんな生態系の枠組みから外れた神格者達は【世界の理】や【淵源種:リア・シオン】の統治下にあり、基本的には世界の守護や許可なく神格者の域へと到達する者たちの排除などの責務が存在している。


 とは言え、世界の守護もそこまで大袈裟な事が起きる事も無く、許可無く神格者の域へと到達する者は非常に少ない為、普段は割と自由だったりする。


 神格者は神の格に上がりし者ではあるが、あくまで世界維持の責務を持つ一個体であり、この世界のルール等をコントロールする【世界の理/淵源種】の部下である。例えるならば神の使いとされる天使に近いポジション。


 ------------------

 説明の大まかな部分を纏めると、こんな感じだ。


 やはりリアの立場が凄い。つまり俺が神格者になった場合はリア直属の部下でありながらも夫婦と言う事になる…上司との社内恋愛かな?


 神格者について説明を受けたが、実は説明終わりにリアにこう言われたのだ。


「ゼノはまだ神格者にならなくていい…世界の命運の一部を担う存在になる前に一度しっかり休んで」と。


 まぁ…流石に重圧だとは思ってる。何せまだこの世界に来て一年経ってるか?程度だと思うし、そんな俺が世界の維持をする存在になるのは少しキツイ。

 未だに人の感性が残ってるのだ…重責で病む可能性も捨てきれない。


 リアの横に立ちたいと言う強い気持ちは勿論ある。あるが、流石に神格者になるには覚悟が要る。だからリアも今はならなくて良いと言ったんだろう…神格者になる為の覚悟が出来るまで待ってくれると言う事だ。


 まずはおそらく守る事になるであろう、この世界を見て回らないとな。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あとがき


ごめんなさい…リアとイチャイチャしたかったからこんな回を書いたんです。

性的行為はしてません…それはゼノがリアの隣に立ってからですので。


今回のイチャイチャはハグとよしよしと添い寝です、はい。

なぁんか妙にリアとのイチャイチャを書きたかったんですよね。イチャイチャを望んでない方にはごめんなさい…でも書きたかったんや。


追記。

現在8月4日4時にこの追記を書いてるのですが…とうとうこの作品の執筆が最終盤に差し掛かりました。

なんと言うか…感慨深いと言うか寂しくなってくると言うか。


私の原点であり、自分の中では最高の作品であるこの作品が終わりが近いと思うと…涙を禁じ得ません。

どうか、最後までこの作品を楽しんでくれると嬉しいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る