第118話季節は巡りて降るは火薬

 ずーっと崩壊耐性のレベルを上げながら過ごす日々。崩壊の放出時の痛みと周りの環境が逐一変化する事以外は非常に平和な日々を送っている。


 龍の姿でのんびりとし、時たま近くを通る魔物たちを観察し、気が向けば魔物を襲って食糧とする。

 なんとも老後生活らしいのんびり生活をしている気がする。だが物語で語られる龍と言うのは活発に動く龍以外は大体こんな感じではなかろうか?


 未開の地にて鎮座し、その巨体で生物達を見下ろし、気が向いたら魔物を襲い、眠くなれば寝る…

 なんとも自堕落な生活。もしこんな生活を人間がしていれば引きこもりだの働けニートだのと言われてただろう…


 だがなんとこれが龍がしているとならば「まぁ、龍だしな」って事になるのだ。「龍だから」と言う言葉に便利さを感じなくはないが一旦置いておこう…


 そんな自堕落生活をしているうちに季節は移り変わって…空からは黒色に近い灰色の粉が降り、地面には降った灰色の粉が降り積もる…


 そして火を扱う魔物が火を吹けばその瞬間に………



 辺り一体が全て赤に染まった。



 と言う事で火薬が降る季節になった。この別大陸の至る所で爆発が起き、火を扱う魔物って案外多いんだなぁと思う今日この頃。皆さんどうお過ごしでしょうか。


 俺は炎属性無効があるから全く問題ないのだが、爆発する事に視界が一瞬赤に染まるから鬱陶しい事この上ない。


 ちなみにだがこの大陸に季節なんていう物は無い。何?火薬が降る季節って…世紀末でももっとマシだと思うのだが。


 この火薬が降る前は冷え固まらない溶岩は降っており、天気予報で言うならば「溶岩時々火薬。即刻溶けない屋根がある場所へ避難し、粉塵爆発を起こさぬ様に火の扱いには充分に気を付けましょう」と言った感じだろうか?


 もはや地獄絵図も地獄絵面。本当に人間様お断りな大地だと思う…炎耐性持ってて良かった。


 あっ、火山噴火した…


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 えー火山噴火による大爆発した数週間後でございます、皆さんこんにちわ。


 今現在私は罪氷で生み出した部屋の中で休んでおります。

 そして外の景色はこの通り…はい、全面海中となっております。


 いやぁ、小魚たちが優雅に泳いでて見てて癒されますねぇ。おっ!あそこには鮫が!鮫がいますよ!


 おや?私を見て逃げて行きましたね…海の怪物を象徴する様な生物のはずなのですが…不思議ですね。


 おっと?急に空が暗く…一体何が?

 わぁーっ!急に大量の銛が降ってきました!今日の天気は晴れ後に銛っ!非常に危険ですので屋内に避難するようにしましょう!



 ……………


(騒がしいなぁ!この大陸っ!)


 火薬や溶岩が降るのは謎だし、無かったはずの火山が急に噴火するのも謎だが…まぁ生成されたってことで理解はできる…


 だが海は納得できない。何処から来たんだよこの海水は⁉︎

 そもそも何故本当の海にこの水が流れ出していないのか謎でしかない…明らかに本当の海とこの崩壊の海の海面の高さが違うはずなのだが。


 なんだ?世界の壁でもあるのか?そりゃまた随分と謎な構造をしてやがる。


 まぁそんな海も崩壊の活性化によって地面に吸収(消失)し、今度は地面から氷が吹き出して空から氷柱が降ってくるようになった…殺意MAXな天候である。


 ここまで落ち着けない大地というのも初めてかもしれない。大都市のぎゅうぎゅう詰めの人混みの中でもここまで落ち着かないことは無いはずだ。


(なんかここに居ると疲れるんだが…あぁ、山岳に戻ってゆったりしたい)


 思い出すは混沌龍だったか氷炭相愛龍だったかの頃に過ごした王国と帝国の中間にある山脈…あそこは良かった、のどかで騒がしくなく、食糧オークも沢山歩いており、環境変化もこんなに激しくなかった。


 だが俺はあそこには戻れない…何せ崩壊無効の耐性を手にれておらず、いまだに操作をしなければ常に身体から微量の崩壊の力が漏れ出るのだ。


 現在の崩壊耐性レベルは976、950くらいを超えてから格段にレベル上昇速度が下がった気がする。


(うーん、身体を動かしたいな)


 最近の天候は溶岩が降ったり火薬が降ったり爆発性の岩石が降ってきたり横から雷が降ってきたり海中になったりと外に出てる天気では無かった。


 だから氷柱が降る程度の外出ができる天気ならば、ようやく外へと出れるのだ。


 と言うわけで罪氷で生み出した部屋から出る。

 そして立ち姿勢になって周りを見るのだが…外の景色は氷一色になっていた。


 地面は分厚い氷で構成されており、空から降ってきた無数の氷柱が砕けた氷の破片で埋め尽くされている。


 山もあるが全て氷山…何もかもが、生物以外が氷で構成された世界になっている。だがそんな世界に立って改めて思う…


『………氷に閉ざされた空間って落ち着くな』


 無数に氷柱が降り、冷気がこの場を支配する中で俺は久方ぶりに身体を罪氷ではない…ただの氷で纏うのであった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

唐突ですが皆さんは何か私、冰鴉に質問などはあるでしょうか?

もしある場合はどんな事でもかまいませんので是非是非コメントでどうぞ。


ある程度コメントが来たら近況ノートにでも一気に書きます。(もし数が少ない場合は適当にあとがきにでも書いときます)

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