第117話第二崩壊制御スキル:操作
身体が治りかけてきた頃、ようやくまともに思考を回せそうになって来たので先程起きたら現象を考えてみる。
あの現象は恐らく崩壊の力の共鳴…共振?だと思ってる。
体内に放った崩壊の力と体内に残ってた崩壊の力が衝突する事で崩壊の力が暴れる手前で停止…そして少しの衝撃を加えただけで爆発的に活性化した感じなのだろう。
多分ここら一帯で起きている崩壊の力による環境変化と似た感じの事が体内で怒ったのだろう、変化しようとする体内と治そうとする力が攻め合った結果の激痛なんだと思う…
(うん、せめて崩壊無効の耐性が手に入るまでは無闇に動かないでおこう)
ただの崩壊の暴走とは桁が違う痛みだった。全身が常にバラバラになって崩壊する様な感覚が襲い、更には身体が入れ替わる様な感覚もあった。
拷問とかに使えばおそらく即口を割るであろう感覚だった…そもそも口を割る前に痛みで喋れなくなるが。
(だけど、これも不幸中の幸いかな?)
いや、言うならば怪我の功名と言う奴だろう…だってあの激痛は確実に自業自得な訳だし、不幸では無かった。
まぁ、その怪我の功名と言うやつは…
【操作:崩壊】
このスキルの発現だ。ステータスでは【収束・放出:崩壊】に統合されて名前を変え、【崩壊制御術】となっている。
(発現の要因は…本能のみで身体を動かしたからかな?)
ブレスとして崩壊の力を放出する様に、無意識化で操作は出来ていたのだろう…気付かなかっただけで。
だからあの痛みに耐えてる時に身体は崩壊の力を抜こうと無意識に操作していたのを薄らと認識出来た為にこの操作スキルは芽生えたのだろう。
この操作スキルがあるお陰で最初は一切操れずに放出する事しか出来なかった崩壊の力がこの通り、まるで生まれてから常に一緒にある手足の様に自由に動かすことが出来るのだ。
しかも崩壊の力ならば幾らでも操作ができ、辺り一帯を漂う崩壊の力も一定距離までは操作が出来て唐突な環境変化を起こさせない様にする事すらも出来る。
これで崩壊の制御は出来た。だがまだ足りない………そう、【崩壊の力に耐えれる身体】が足りていないのだ。
いくら制御が出来たとしても身体が耐えられなければ意味がない。
例えるならば銃だ。銃を型取り、火薬と弾を仕込んで着火すれば弾は飛ぶだろう…だが、その銃の素材となった物が劣悪品であれば火薬の爆発に耐えれずにボロボロになり使えなくなる。
それと同じだ。操作が出来て攻撃にも転用する事が出来るようになったとて、崩壊の力を放出する時に身体が耐えれるわけではない。今は権能による回復を使って凌いでいるが、いつまでも回復のリソースを崩壊の反動ダメージに割いていては戦う事なんてできない。
と言う事で崩壊の力の無効化を目指して行くわけだが…特にやる事がない。
だって恐らく崩壊耐性のレベルをあげるだけであり、レベルを上げるならばひたすらに放出時の反動に耐えれば良いだけだ。
うん…どうしようか?暇過ぎて崩壊の力を剣状にして環境変化によって生まれた鉄の塔を切ったりして遊んでいるほどだ。
ちなみに俺には環境変化をさせる事は出来なかった…どうやら崩壊の力にも属性というのがあり、森や海、山や川といった崩壊の力が生まれた場所の特徴を色濃く受け継いでるのだ。
そんな崩壊の力が活性化して属性が色濃く出る事によって環境が変化しているのだが…俺の場合は元が壊滅の力なだけあって破壊の特徴が強すぎるのだ。
俺が環境変化の真似事をしよう物なら環境破壊をしてしまい、変わった後の環境はもれなく植物も生えない死の大地と貸してしまう…
(うーん、正に歩く大災害。リアが俺を此処に送ったのも頷けるな)
暴走時はその環境破壊を俺の周りで起こしているような物だ。もしずっとあの訓練場に居れば、おそらく火山丸ごと死んでいただろう…やはり崩壊の力はとんでもない。
そんな感じで特にやる事が無くなったために色々と崩壊の力を試したり、進化した事によって得たスキルを試したりしている。
例えば罪域化、これは俺を中心とした周囲に罪の力を展開させて大罪の権能の効果を上げたりするものなのだが、驚く程に罪の力が強化されている。
怠惰の霧とかはあるが、あれは本来周囲の索敵をする物であって実害はあんまり無い。だが罪域にて発動した場合には怠惰の霧がとんでもなく濃くなり、大罪抵抗を持たない生物がその霧を吸ってしまえば状態異常の【怠惰】が付与されてしまうのだ。
他にも憤怒の攻撃力強化の倍率が上がったり、傲慢の権能のステータス変化の値が大きくなったり、瞬間移動が自由に発動出来たりと大罪の全体的な強化が施されるフィールドを作る事が出来るのだ。
氷炎魔技が変化した事によって生まれた断罪施ス氷炎にも全体的な強化がなされていたから強敵と戦闘する場合は確実に展開しておいた方が良いだろう。
こんな感じでやる事がなく、時間潰しとして新スキル達を試す…そんな日々を長い事過ごすのであった。
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