育児放棄された転生幼龍はいずれ神に近き龍と化す【育りゅう】

第110話干渉された異常な進化

　差し出される黒い珠…えっ、これを使うのか？

「どうした？出来れば早く使ってみて欲しいんだけど」

「いやそもそも…この黒い珠は何？」

「うーん…進化に関連する物ってだけだよ、だからこれを使ってから進化してみて欲しいの」

　そう言って手渡される黒い珠。なんと言うか…大昔とかにあるような怪しい丸薬って見た目をしてて怖い。それに鑑定結果は【？？？】なのだ、本当に使うのが怖い。

「…使わないの？」

「リア…いや、これを使うのは流石に怖いんだけど」

「ん…問題ない。私が保証する」

「リアがそこまで言うなら…」

　流石にリアに保証までされてしまったら使わないだなんて選択肢を取れない。だってこれの制作にどれだけの時間が掛かってるのか知ってるし………それに魔道具？を使う進化だなんて経験どころか聞いた事すら無い。あれほどの時間を掛けて恐らく俺専用に作られたこの珠にはかなり興味があって怖くはあるけど、どうなるかも非常に気になってウズウズしてる部分もある。

　と言う事でリリアさんに使い方を教えてもらいながら黒い珠を使用する。

　まずは進化先を表示させる。

　－－－－－－－－－－－－－－－－－

　進化先を選んでください。

【クライオドラゴン】

　氷系統竜種上位正統進化先。

　極寒と言う言葉が生優しい程の極低温を司る竜種。大地を氷に閉ざし、空間すらも凍てつかせるその龍の姿は正に氷の神の化身とも称されるほど。

【ホロウコラプスドラゴン】

　壊滅竜種崩壊化上位特殊進化先。

　壊滅宿す龍の本質が変わり、その身に崩壊の運命を宿した竜種。崩壊の影響を受けて歪な姿をしているが、世界で起こる崩壊の概念をその身に無条件で受け入れるため実態は守り神に近しい存在。

【プロダクションドラゴン】

　創作竜種上位特殊進化先。

　創造の名を冠する鬼種の影響を強く受け、一部創作技術を引き継いだ竜種。物作りを好み、器用な作業をする為にも人型を好む特殊な龍。

　環境を容易く変えるほど物を生み出せる程に創作の技術が高い。

　－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

　これが現在の進化先。正直【ホロウコラプスドラゴン】とか気になって仕方が無いが、その気持ちを押し留めて手に持っている黒い珠を使用する。

　使用する前にリアとリリアさんから進化先は一番俺に合うものをリアが選ぶけど良いか？と聞かれた…幻だったとはいえ妻を信頼していないわけがなく、特に迷うことなく許可したが…大丈夫だと思う、うん。

　………進化後は大変かもだなんて言葉はスルーしたい。

　使い方は簡単で自身の心臓に当たる部分にグッと押し付けてみるだけであり、押し付けてみるとスッと身体に黒い珠が入っていく…ちょっと愚者のアルカナの時と似ている感じがする。

　………そんな事を思ってたが、急激な眠気に襲われる。人化を維持出来ないほどに意識を飛ばしそうになるのを感じながら、抵抗も出来ずにひたすらに意識が朦朧する。

「ん…移—さ——」

「まぁ、確——ここ——化され———屈で—し」

　そんなリアとリリアさんの話し声が聞こえながらも意識を手放す。これ、本当に使って大丈夫な奴…？

　－－－－－－－－－－－－－－－－－－

　進化先を選んで———干渉を確認、異常進化が開始されます。

【エンシェントドレイク・アブソリュートゼロ】

　氷系統竜種最上位正統進化先。

【クライオ・ブレイズドラゴン】

　極低温化炎龍異常進化。(最上位進化種)

【オリジン・コラプスドラゴン】

　崩壊化壊滅龍異常進化。(最上位進化種)

【クレアーレドラゴン】

　創造化創作龍異常進化。(最上位進化種)

【龍・罪銀】

　原罪化断罪龍異常進化。(最上位進化種)

　淵源種/アルカナの干渉を確認、進化先が指定されました。

　進化先、【龍・罪銀】。

　－－－－－－－－－－－－－－－

　世界の理（進化/スキル発現記録）

　オリジンスキルの発現を確認。

　スキル名、【判決の理『原罪』】

　発現に伴い、スキル【混沌ノ権能】・称号【混沌の掌握者】・称号【大罪処刑者】の消費を実行致します。

　対となるオリジンスキル：【判決の理『聖徳』】保持者であるフィリア・スノウライトの聖印を確認、共鳴致します。

　————オリジンスキル取得者に破壊の性質の保持を確認。

　壊滅の能力を変換、崩壊化致しました。崩壊化に伴い進化種族が変質、【龍・罪銀】は【崩壊龍・罪銀】となります。

『オリジンスキルの取得』、『淵源種/理の祝福』、『オリジンスキルの共鳴』を確認、一部ステータスが最適化されます。

　超速自己回復(魔力)→永久魔力炉心

　氷炎魔技→断罪施ス氷炎

　壊滅術γ→崩壊化破壊術

　死域・冷域・熱域支配→全域支配

　その他の部分が変更されました。

　これによりオリジンスキル取得及び、淵源種/アルカナ干渉による異常進化を終わります。

　称号【淵源ナル龍ノ番】を確認、秘匿されたマスターの記録を再生致します。

『——————————………

　淵源種により秘匿されました。

　－－－－－－－－－－－－－－－－－

　世界の理（スキル発現記録）

　聖銀龍：フィリア・スノウライトのオリジンスキルの共鳴に伴ってステータスを一部最適化致します。

　体力・攻撃力・防御力・魔法抵抗力の上限を全てΩ値に上昇。

　超速自己回復(魔力)→永久魔力炉心

　属性魔法→全属性魔法lv0(火・闇不可)

　フィリア・スノウライトより質問：『オリジンスキルの共鳴とは？』

　解答：貴女の保持するオリジンスキルである【判決の理『聖徳』】と対になる【判決の理『原罪』】の保持者が貴女との関係が非常に密接である為に起きた現象です。

　共鳴したオリジンスキル保持者達はお互いにステータスを高め合う事が可能です。

　根源種への進化に近付いた【フィリア・スノウライト】へ秘匿されたマスターのメッセージが一部開示されます。

『根源種…それは神格者の枠組みからすら外れた存在だ。もし、もし神格者と言う枠組みから外れても良いと言うならば…是非根源種となり、孤独になっているであろうリアを支えてやって欲しい』

　これによりオリジンスキルの共鳴によるステータスの最適化を終了致します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あとがき

…貴方達、ちょっとノリが良すぎやしませんこと？

まさか前話の公開から約2時間程度で10のメスガキと1のツンデレコメントと1のメスガキレビューが届くとは思わないじゃありませんの…

全く…貴方達のお陰でもう笑顔が絶えません事よ？御礼としてこれからもわたくしの小説をしっかりとお楽しみくださいませ♪

…以上、ちょっとお嬢様風味でお送り致しました。

あっ、私冰鴉の年齢は不詳と言う事でお願いします。ちなみに妹が居るとしたら「にぃに」呼びされたい派です。

良いよね、にぃに呼び…非常に可愛らしいじゃんか…