第111話崩壊暴走 

 …目が覚めて、まずは状況確認をする。俺は訓練場に横たわっていた…龍?の姿であるからかおそらく進化中にリアやリリアさんの手によって移動させられたのだろう。


 そして起きあがろうと身体を動かした瞬間、身体の内側から溢れるように壊滅?の力が暴れ出して俺の周りの訓練場の地面を破壊していく。


(なんっだ…?これっ!制御が効かない…!)


 制御出来ない力…まさにそんな感じで自身から壊滅?の力が溢れ出るのが止まらないし、止められない。身体が崩れそうな感覚に耐え続けてこの暴れる力を放出し続ける。


「…がんばって。耐えるだけで良い」


 気付かぬうちに俺の身体に寄り掛ってたリアがそんな事を言ってくる。…耐えるだけ?耐えるしかないのか…


 リアはこの壊滅?の力を間近で直撃しているはずなのに一切微動だにせず、表情を変えていない。俺の身体がボロボロになりそうなほどに負荷が掛かっていると言うのに…


 実体の身体が持たなそうなので霊体化すると共に負荷によって減った体力を怠惰の権能で回復していく。そして霊体化して実体と言う防壁が無くなったからか、壊滅?の力の放出が激しくなる。


 そして数刻後…ようやく力の暴走とも言える放出が収まり、リアの手によって強制的に実体化させられる。


「ん、お疲れ様。いいこいいこ」


 リアに頭を撫でられる…非常に癒されるし、体力がグングンと回復していくのが分かる。精神的な回復と体力の回復の両立って非常に素晴らしいと思うのだ…


「何が起きたか聞きたいって顔してる…ステータスを見て。説明してあげる」


 ステータス…そうだ、進化したならばステータスを見てみなければ。


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 種族:崩壊龍・罪銀(最上位進化種)

 名前:ゼノ・シオン(理ノ祝福)

 lv:1500/???

 体力:α/β(淵源ノ祝福)

 魔力:—/γ

 攻撃力:— (α)

 防御力:— (α)

 魔法抵抗力:γ


【スキル】

 判決の理【原罪】

 看破鑑定 言語操作 エクスペリエンスリーパー 

 身体構築変化 創造技術(錬成/収納/起動) 

 全域支配 罪域化 崩壊域化

 霊体化/実体化 霊魔変換 死生判別

 攻防変換 体魔変換 崩壊化破壊術

 収束:崩壊

 永久魔力炉心

 断罪施ス氷炎

 超速自己回復(体力)lv84

 罪銀龍武芸百般lv0

 霊力行使lv73

 永久機関


【耐性】

 氷・炎属性無効 毒耐性lv100

 物理耐性lv0 魔法耐性lv0 精神耐性lv0

 即死耐性lv72 魂縛耐性lv64

 全属性共通耐性lv78

 崩壊耐性lv84

 邪落化無効


【称号】

 黄泉帰ル魂 突然変異 

 原罪ノ審判者 断罪ノ処刑龍

 不老種 混沌龍 罪銀龍 崩壊龍

 アルカナ:0 崩壊ノ収束地

 聖神龍の聖印 共鳴者『聖徳』

 淵源ナル龍ノ番 霊神龍の霊印 理/淵源ノ祝福 

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「…さっきゼノに起きたのは【収束:崩壊】と【崩壊化破壊術】の暴走。このまま何もせずにいたらまた暴走する」


 それはなんとなく分かる。今もなおこの身体には先程の暴走していた壊滅?いや、崩壊の力が溜まっていってるのを感じてる…恐らくこれが俺の耐えれる規定値を超えてしまえばまた暴走という形を取って一気に放出されるのだろう。


「これの対処法は………うん、ゼノに頑張ってもらうしかない。必要なのは崩壊の力の操作と放出のスキルそして崩壊無効の耐性が必要…でもそれは何度も試行錯誤をして習得するしか無いの」


 …子龍時代の武器術の習得を思い出す。あの時は武器を数回使った程度で覚えれたが、今回はそう簡単にはいかなさそうだ…扱う物のレベルが違う。だが、おそらくそんな感じで習得するのだろう。


『分かった、頑張ってみるよ』

「ん、頑張って。それと一応他のスキルの説明もしとく…次の暴走まで時間が無いから手短に」


 そうして俺はリアの手で崩壊の力を適度に抜かれながらスキルの説明を聞いて行く。


 まずは看破鑑定、鑑定の上位互換で一部大罪や美徳による隠蔽すらも突破するとの事。

 次に言語操作。言葉を操るスキルであり念話や龍の言葉の自動翻訳すら可能になっている。これにより龍の姿でも知的生命体とのコミュニケーションを取れるとの事。


 次に創造技術、創作技術の上位互換で強い想像力によっては自分の知らない道具等のオリジナルの物を作れるらしい。一応リリアさんが似たスキルを盛ってるっぽい…錬成が無い代わりに全体的に上位互換らしいが。


 次に全域支配、これは空間支配をする時の条件が一切無いスキルである。いわゆる冷域支配と熱域支配を罪化させて寛容の権能で合わせた物が一つのスキルになったと言う事だ。ちょっと違う点はあるが大体そんな感じ。


 次、罪域化と崩壊域化。罪域化は辺りをを罪の力を使うのに最適な場所へと一時的に変質させてより円滑に戦闘を進めれるようにするスキルだ。

 崩壊域化は崩壊の力を辺りに充満させて、俺の使う崩壊の力に影響して破壊力が増したりするらしい。

 今回の進化は俺の中にある「破壊(壊滅)」と「大罪」の力が強く出たらしく、周りの環境に強く破壊と大罪の影響を出すこのスキル達が芽生えたらしい。


 次は崩壊化破壊術。これは壊滅術の魔改造版みたいなもであり、実は強化上限が無い。付与する物が耐えれるまで崩壊の力を込める事が出来、それ以上こめてしまえば込めた物が崩壊してしまう。ちなみにこれは俺の身体にも該当しており、先程の暴走するほどの崩壊の力を一ヶ所に集めればその部位が崩れるらしい。

 ちなみにこのスキルに集・散・波は無い…自由に思うがままに威力と効果範囲と衝撃を変えれるらしく、攻撃力と効果範囲は反比例。衝撃に関しては、面で攻撃すれば強い衝撃が生まれるらしい。


 次に収束:崩壊。これが暴走した元凶であり、俺の力の1/3を占める崩壊の力の源だ。

 常に世界で発生する【崩壊】の現象によって起きる不可視のエネルギーを無尽蔵に取り込み貯蓄するスキルであり、現状は自分で放出をする事が出来ない。


 実はこの崩壊によって発生するエネルギーもとい崩壊の力は、放置すると世界の一部が死ぬ可能性があるのだとか。崩壊の力自体は世界のバグみたいなのであり、この世界の根幹である世界の理がとある時期を境に崩壊と言う現象と共に生成するようになってしまったとの事。

 直す事も出来なければ、放置してしまえば世界すらも崩壊するやばいエネルギーが、崩壊の力らしい…今まではリアが適度に収束させて一部地域に放出して閉じ込めているらしいのだが、どうやら俺がこの収束:崩壊のスキルを持ってるからか閉じ込めてた部分から漏れ出てるらしい。


 リア曰く、世界の理が崩壊のエネルギーに近い力を持っていた俺を崩壊の力に適応させて崩壊のエネルギーの対処をさせたくて俺を崩壊龍にほぼ強制的に進化させたらしい…

 こんな事になってしまった原因である世界の理を恨まないでほしいと言われたが、元よりそこまで恨んでいない。確かに暴走時の負荷はとんでもないが、耐えれるのだ。それに崩壊の力はとんでもない力を秘めてるのだ…制御すればよりリアの実力に近づける力を授けてくれたと思えば、むしろ感謝したいぐらいだ。


 スキル説明に戻るが…次に挙げるスキル達は神格者が持つ様なスキルらしい。

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